製造業を取り巻く環境は、デジタル技術やAIの進展、そして「所有から利用へ」という消費者行動の変化により、大きな転換期を迎えている。従来の製品販売モデルではプロダクト単体での差別化が難しく、顧客との長期的な関係を築くためには、「利用体験を通じた価値提供」への転換が求められる。
こうした潮流の中で改めて注目されているのが、サブスクリプションビジネスである。決して新しい概念ではないものの、継続的な価値提供を通じて収益を安定化させ、サービス進化を促す仕組みとしてその重要性が高まっている。
一方で、日本の製造業ではサブスクリプションビジネス導入の動きが進みつつあるが、多くの場合、限定的な製品・部門単位にとどまり、事業全体を再設計する段階には至っていないのが実情だ。
本稿では、アビームコンサルティングが持つ知見や実例をもとに、製造業におけるサブスクリプションビジネスの最新トレンドを踏まえ、「顧客価値の進化」「収益モデルの確立」「基盤整備」の三層をいかに連動させるかについて考察し、持続的にサブスクリプションサービスを提供・発展させるための仕組みを明らかにする。
(本稿は、2025年10月15日に開催されたアビームコンサルティングとSAPジャパン株式会社の共催セミナー「技術革新で進化するサブスクリプションビジネス」での講演内容をもとに再構成しています。)