アビームコンサルティング 代表取締役社長 CEO 山田 貴博
アビームコンサルティング 代表取締役社長 CEO 山田 貴博
山田 貴博[やまだ・たかひろ]
1992年、東北大学文学部を卒業後、外資系コンサルティングファームの東京およびニューヨークオフィスでの勤務を経て、2003年にアビームコンサルティングへ参画。以降、総合商社、金融、エネルギー、通信、運輸、自動車など多様な業界において、事業統合支援や経営改革、グローバル経営基盤の高度化など数多くのプロジェクトをリードした。2016年に取締役、2020年に代表取締役副社長 COOを経て、2023年4月に代表取締役社長 CEOに就任。
アビームコンサルティングは「Real Partner®」という理念の下、40年以上にわたり日本やアジア企業の変革を支援してきました。海外のベストプラクティスをそのまま持ち込むのではなく、日本企業固有の課題に寄り添い、経営トップとともに戦略を描く。その上で文化や商慣習が異なる現場と調和を図りながら変革を主導する。この構想力と実行力に強みがあります。
社長に就任してからの2年半、社会・お客様を取り巻く環境の変化、そしてテクノロジーの急速な進展を実感しています。特に、グローバル化の加速とともに、変革のあり方も進化してきました。もはや「効率化」や「最適化」だけでは十分ではありません。今こそ、お客様やパートナーとの「共創」によって、新たな価値を生み出すことが求められています。
私たちの姿勢を体現するブランドスローガンが「Build Beyond As One®」。お客様・パートナー・アビームコンサルティングが一体となり未来を築くために、3つの成長戦略を推進しています。
1つ目は「顧客提供価値の向上」です。「AI-Enabled Intelligence」を軸に、生成AIやデータ活用など最先端のデジタルテクノロジーを用いた基幹システム導入、業務効率化、経営高度化に加え、新たなビジネスモデル創出や顧客体験の再構築、人的資本経営やサステナブル・サプライチェーンの強化にまで支援領域を拡大しています。
2つ目は「グローバル変革実現力の拡充」です。欧州のベリングポイント社との資本提携により米国で合弁会社を設立し、シンガポールのオプティマム ソリューションズ社との共創でインド拠点を拡充しました。これにより、「One Strategy, One Team」の体制の下、欧州・米州・アジア・インドを結ぶシームレスな支援を実現しています。
3つ目は「持続的な成長モデルの確立」です。経営効率の追求のみを目的とせず、常にお客様への価値提供を最優先に据えます。そのために人的資本経営の推進、ガバナンスとリスクマネジメントの強化に取り組み、真に信頼されるグローバルコンサルティングファームを目指しています。
さらに、戦略・ソリューション・アウトソーシングの3事業が連携し、構想から実行、成果創出までを一気通貫で支える「価値創出サイクル」を確立し、お客様とともに持続的成長を生み出す体制へと進化させています。
ベリングポイント社とは約15年にわたり業務提携を続けてきましたが、お客様のグローバルビジネス展開が新たな局面を迎える中、今回改めて資本提携にまで踏み込み、2025年9月に米国・シカゴで合弁会社を設立しました。その背景には、お客様の成長戦略が大きく変化し、より強固でスピーディーな支援体制が求められていることがあります。
ベリングポイント社とアビームコンサルティングは、「Client First, People First」という価値観を共有しています。これを起点に両社の知見を融合し、グローバル企業が直面する最大のテーマである「AIネイティブカンパニー」への変革を支援していきます。
インドでは、2015年から資本参加しているシンガポールのオプティマム ソリューションズ社とともに、グローバルケイパビリティセンター(GCC)を設立。従来のオフショア開発センターを超え、AI・デジタル・サイバーセキュリティなどの専門人材を結集した「知の中核」として機能させています。さらにセキュリティオペレーションセンター(SOC)やセンターオブエクセレンス(CoE)立ち上げ支援も進めており、インドの変革力を日系グローバル企業の進化へと直結させています。
「欧州・日本/アジアで両社が長年培った経験や知見と変革の実行力、米州におけるテクノロジーコンサルティング力、そしてインドのデジタル人材ケイパビリティ」。この三位一体の共創体制は、単なる地域補完ではなく、戦略・テクノロジー・人材を統合する「インテグレーションモデル」です。多様性を統合し価値へと昇華させる力こそ、アビームコンサルティングの競争優位性であり、お客様の未来を支える原動力です。
不確実性が高まる変化の時代において、最も重要なのは「変革を経営から現場まで浸透させる力」です。戦略を描くだけでなく、現場で実装し、文化として定着させる。この「構想力」と「現場実行力」の両立こそ、戦略から実現までの一貫性を保ちつつ、現場の文化や商習慣に適応するための鍵だと考えています。
AIなどのテクノロジーの活用はますます重要になっていますが、それだけでは、意識改革や行動変容といった本質的な変革は実現できません。変革を成し遂げるのは、「人」です。私たちは、戦略と現場をつなぎ、企業変革にインパクトを与えるスキルとマインドを備えた人材を自社内のみならず、お客様の中にも育成しています。「Client First, People First」。お客様の変革を自分ごとと捉え、共に学び、共に成長する。この姿勢こそが、私たちが貫いてきた哲学です。そして私たち自身も常に変革を実践し、お客様の鑑であり続けたいと思います。
日本発・アジア発のコンサルティングファームとして経営と現場、グローバルとローカルをつなぎ、新たな価値を提供する「共創パートナー」であり続けること。日本発・アジア発の独自性を磨き、グローバルに通用する新たなスタンダードを共創し、お客様の成長と社会の進化を支え続けます。
著作・制作:日経ビジネス(2025年11月号広告)
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