AI技術の進化に伴い、エンタープライズアーキテクチャにAIを組み込むことが現実的な未来となっている。これまでの企業活動は人とプログラムの協働により実現されてきたが、今後はそこにAIエージェントという新たなパーツが組み込まれることになる。そのとき、AIエージェントが代替するのは、これまでプログラムが実現していた領域ではなく、人が実施してきた部分となる。そして、その変化を捉え、AI時代の経営基盤を構築するためには、「①組織ノウハウの形式知化によるプロセス推論の強化」「②データマネジメントによるインプットの質向上」「③ AIネイティブなシステム選定による実行力の確保」を進めていくことが肝要となる。
一方で、この流れを極端に推し進めると、究極的には企業理念の実現をゴールに設定し、そのための最適解を全てAIに任せてしまうことで、企業活動に人は不要となる可能性すら示唆されている。実際に「AIの力により1人で時価総額1,500億円(約10億ドル超)の会社が作れる」といった未来も語られており、AIの可能性は計り知れないものがある。しかし、目的を設定する意思決定や、問いを立てることは、依然として人が実施すべき重要な領分である。AIエージェントに使われるのではなく、人が企業を主体的に運営していくために、AIとの適切な付き合い方を考え、学んでいく必要もある。その学びの中で業務をAIエージェントとの協調を意識して修練させていく。そういった取り組みの中で、人間はより創造的で戦略的な役割に集中できるようになり、AIはその実現を支援するパートナーとして機能することになる。
アビームコンサルティングでは、これまでにさまざまな企業や公共団体の生成AIの活用による課題解決やテクノロジーを起点とした企業変革、業務変革をその戦略策定からアーキテクチャ設計、データマネジメント基盤整備まで伴走支援してきた。さらに今回の処方箋の肝となる「プロセス推論の質を上げる"組織ノウハウ"」の蓄積に関しては、当社において既にAIエージェントを用いた実証的な取り組みを複数実現しており、そこで培われた方法論に基づく効率的なサービス提供を行える。これらの知見・実績を生かし、さらに、AIと協働しながらどのようにヒトが豊かに働き生きるべきかという本質的な問いを持ちつつ、労働人口減少下における企業の打ち手としてのAIエージェント活用はもちろん、企業の競争力強化に貢献していく。
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