世界は効率化の追求だけではなく、持続性や循環型経済を意識した構想への変化し、多様な価値観の共存、選択肢の拡大、不確実な社会の到来からサスティナビリティが求められる時代に突入した。そして、昨今のデジタル化やスマートフォンの普及によって、今まで水面下に消えてしまっていた顧客の声が顕在化し、顧客は100%満足できるモノ・サービスを探すようになったのである。
デジタル化、プラットフォーム化、サブスクリプションサービスなどの社会の変化はモビリティにも到来している。今日ではMaaS(Mobility-as-a-Service)という言葉も普及し始め、新たなサービスや経営計画が発表されている。
MaaSは自動車が抱えている社会問題を解決する可能性を秘めている一方で、すべての課題に対応できるわけではない。本誌ではMaaSの現状と構造にも触れ、社会でMaaSが求められる背景、動向や特徴、プレイヤー、事例、プラットフォーム要素に加え、どのような変化が起き、どのような準備が必要なのか考察する。