1. 重要な要素を特定する(新規事業検討への期待値や役割の明確化)
前述のバルセロナ市の検討テーマに「スマートバス」というものがあります。そのテーマの中にバス会社が、どのような関わりをもつように検討しているかを例に見てみましょう。まず、「重要な要素を特定する」には、既存のバスサービスを提供する上で、新しい変化の潮流をどのように取り込むかが重要になってきます。既存サービスを提供している顧客に対して、新たなサービス(観光地の情報提供、オンデマンドでの路線変更など、新しい付加価値の提供など)を提供したいという意志や、現状のサービスにおいて問題になっている課題(混雑や時間の正確さ、稼働の向上など)に対応するための新しい手段をバズワードが持っている未来的な世界観から見出していきます。続いて、検討の過程において、関係者の中でスマートシティという言葉に対してどういった具体的なイメージを持っているかを明らかにしていきます。具体的なイメージの中には、ポジティブな反応のみならず、ネガティブな反応(新たな競合の台頭や既存事業の強みの消滅など)も含まれるため、その両方を整理していくことが必要になります。
2. 関連性を紐解く(事業とバズワードの位置づけ、バズワードを使うことに至った背景の理解)
想定している期待や具体的なイメージが、どういった文脈で既存事業やサービスに関連付けられるかを紐解いていきます。先ほどの「スマートバス」の中では、バス会社が提供している路線・時刻表を情報として提供するだけではなく、季節変動や特定の時間帯による繁閑をリアルタイムに把握して、新しいルートや増便などの施策判断をできるようにしていくなど、新しい特性を具体的なサービスや提供する価値として言語化していきます。
アイデアやイメージレベルでは、実現性が乏しいと感じるものも出てきますが、制約を設けずに、可能な限り多くの可能性を模索することも重要になります。ここで出すアイデアの数が十分でないと、後段の検討における弊害になる可能性も高くなります。
3. 起点となる具体的な事業ドメインを特定する(チームが持っている期待、思いの言語化)
関連性を紐解く中で出てくる様々なテーマに対して、検討チームとしてどの領域にリソースを投入するか選択と集中が必要になります。事業として取り組む範囲としての事業ドメインを明確化さえしてしまえば、顧客像に対してどういったサービスを提供していくのかという具体的な検討に入れます。最終的に、個別の顧客に対する高い解像度での理解につながっていきます。