レベル0研修とレベル1研修は、多くの社員への幅広いデータ分析・利活用スキルの定着を目的にアビームと討議を重ねてきた。研修教材を提供するだけでなく、DXの潮流、化学業界のDX事例の紹介、DXを理解するための専門用語集、研修受講後の認定試験を設定するなど様々な観点からスキル定着化に向けて工夫している。
教材作成にデータを使った分析演習では、アビームのコンサルタントと一緒に各事業部門のDXリーダーであるDXチャンピオンにヒアリングを実施し、三井化学の将来の業務を想定して活用できそうなユースケースを作成し、ユースケースを利用した実践的な演習を解いてもらうことで受講者が業務に応用できるとイメージを持てるようにした。
2021年度は1万人の社員がレベル0研修の受講が完了し、2022年度は事業部門に所属する社員を中心に約1,000人がレベル1研修を予定している。「全社員を対象としたレベル0研修では内容が難しいという意見も寄せられました。そのため、社内にスタジオを開設して動画を撮影し、DXマガジンとして毎月全社員へ配信することで、DXについての関心を高める施策を行っています。また、研修内容を解説するフォロー勉強会をはじめ、興味を持った社員のさらなるスキル向上を図るための勉強会や情報発信も実施しています。研修コンテンツを作成して終わりということではなく、研修受講者の声を取り入れてより良い人材育成を実現するために、アビームとの効果検証の一環で実施できた取り組みの1つです」(浦川氏)
2022年4月から開始したレベル1研修は1年間を4期に分けて行う計画で、第1期の約200人の受講が完了した。「私も受講していますが、三井化学の業務を想定したユースケースに基づいた演習があり、非常に身近に感じられます。社員が取り組みやすい工夫がされていて、とても学びやすいコンテンツだと満足しています」(櫻井氏)
レベル1研修の受講者をサポートするための月2回の勉強会も開始しており、研修を受けた人の大半が参加して熱心で活発なやり取りが繰り広げられている。