横河電機ではペーパーレス化を進めようと、本社で2017年にSAP Concurを導入し、先行して展開してきた。これによって、証憑のペーパーレスが進み、社員はスマートフォンで証憑を撮影して申請すれば、出社しなくても決裁を受けられる仕組みができていた。そのメリットが非常に大きかったことから、経営陣がSAP Concurのグローバル展開を決めた。
実際に導入計画を立て始めたのは2020年3月、世界的に新型コロナウイルス感染症が急拡大し始めたのと同じ時期だった。感染拡大によって海外の関連会社の社員も在宅勤務になり、これまで紙などで実施していた経費精算業務に対してペーパーレス化やリモート決裁の実現を望む声が本社に寄せられるようになった。「コロナ禍が追い風になった部分もありますが、業務プロセスの最適化は全社レベルでの大きなテーマでした。業務を効率化して生産性向上を図るために、SAP Concurによりグローバルで1つのプラットフォームにして、業務プロセスの統一を進めました」と横河電機 経理財務本部 経理部 経理業務課 課長 池水 純史氏は説明する。
横河電機では、2006年からグローバルで業務の標準化に取り組み、SAP ERPの導入を進めてきた。その結果、売り上げの90%を占める制御事業を中心に、受発注から、エンジニアリング、会計までを同一プラットフォームで運用する環境が作り上げられていた。その経験があり、SAPのプラットフォームが土台として存在していたため、海外関係会社はSAP Concur導入への抵抗感はなく、スムーズに導入を決めることができた。その上で、アビームをパートナーにSAP Concurグローバル展開プロジェクトを進めることにした。
アビームは2006年のSAP導入プロジェクト以来のパートナーである。横河電機では今回のSAP Concurもアビームをパートナーに導入を進めることにした。「アビームには継続的に支援してもらっています。アビームは今までのどのプロジェクトでも、社員と一緒になって最後まで懸命に貢献してくれる。非常に心強く、一番信頼しています」(山田氏)。