短期間での導入を完遂する上で、大きな役割を担ったのがアビームコンサルティングのプロジェクト推進力だった。各地域、特に欧州は本社からの指示をトップダウンで下ろすのでは、現場の理解・納得を得るのは難しい。それに対してアビームは、グループ全体で競争優位を担保するための基本概念である「CoE(Center of Excellence)にもとづき、標準化の方針と統一テンプレートの導入の必要性を論理的に説明していった。
「現地の社員はプロジェクトメンバーの説明を受けて、彼らが正しいと考えるやり方を述べてきます。彼らの意見や質問に対して、事前に準備した資料や説明で済ませるのではなく、翌日には直ちにロジカルに回答することが求められました。アビームのコンサルタントはCoEの考え方にもとづいて、一貫して強力にサポートしてくれたので、実はYOKOGAWAのプロジェクトメンバーからも一緒に現地に行ってほしいという強い要望があったほどです」(須山氏)。
またロシアは、会計制度が非常に複雑で難解だったため、アビームのアライアンスパートナーである、BearingPoint社のメンバーを巻き込みながら、プロジェクトを進めていった。現在進行しているインド展開も会計制度が複雑なため、ロシアと同様にアビームコンサルティングのグローバルネットワークを活かして、現地のコンサルタント会社の力を借りながら、導入プロジェクトを進めている。