女性活躍推進プロジェクトによって「すべての人が働きやすい組織」を実現する

構造的に男性中心の職場が多かったエネルギー業界。これまでの常識を疑い、アビームの社内プロジェクトを起点にして業界の女性活躍推進に挑むダイレクターを紹介します。

 

Y.T

Experiences in ABeam ~ Impressive Project~

「女性が少ない領域」の常識を変えるために

Y.T

アビーム入社以降、私は一貫してエネルギー業界のクライアントを支援してきました。発電所や製油所などの大規模プラントといった重要インフラ施設の現場へ足を運び、操業・保全に関する構想策定やシステム導入、運用、定着化など多岐にわたるプロジェクトに従事。そうしたミッションに大きなやりがいを覚えつつも、私はある時期から一つの問題意識を抱くようになりました。

その問題意識とは、エネルギー業界ではクライアント側にもコンサルタント側にも女性が少ないこと。工学系や機械系出身の人が多く活躍している業界であることを鑑みれば、構造的にやむを得ないことだったのかもしれません。

アビームも例外ではなく、私が所属する素材・化学ビジネスユニットは社内でも女性割合が低い部署です。多様性に富む組織での意思決定が求められる現代にあって、従来のままの組織構造で成長し続けられるのか。これは、クライアントはもちろん、アビームにとっても乗り越えなければならない問題だと感じていました。

そこでまず取り組み始めたのが、素材・化学ビジネスユニットでの女性活躍推進プロジェクトです。年齢や性別問わず受け入れ、ライフイベントやキャリアステージによる課題を話し合い、解決策を検討しています。

私自身は今、「カウンセラー」として女性メンバーのキャリア相談に応じる役割も担っています。アビームには「カウンセラー制度」があり、各コンサルタントに対して上長や先輩社員がカウンセラーとして付き、1on1の会話の中でキャリアビジョンをともに考える取り組みを続けてきました。こうした会話をもとに、素材・化学ビジネスユニットのアサイン検討チームとも連携して柔軟なアサインメントを実現しています。

たとえば1on1の場では、昇進に関する悩みを聞くこともあります。マネジャーへの昇進を間近に控えたタイミングで産育休に入るケースでは、「家庭での子育てと職場でのマネジメントを両立できるだろうか」と躊躇する人も少なくありません。

一方、こうした不安を抱えるメンバーのロールモデルとなる存在も着実に増えています。リモートワークがしやすい環境になったことで、在宅勤務をしながら子育てに向き合う社員が増えているからです。「移動時間や通勤時間を子育てにあてられるようになった」という声もたくさん聞かれるようになりました。また、女性だけでなく男性でも子育てに積極的にコミットする人が増えています。

こうした変化の中で、社内では男女問わず、「保育園の送りがあるのでミーティングは10時開始にしてください」といったコミュニケーションが頻繁に交わされるようになりました。女性活躍推進の取り組みは決して女性のためだけではない。女性が働きやすい環境は、男性も働きやすいはず。私はそんな確信を得ました。

今後は子育てのみならず、家族の介護に時間を割きたいというニーズも増えていくでしょう。誰もが柔軟に働ける環境を作ることは、こうした状況に対応する体制を整えることにもつながっているのです。

Why ABeam ?

より大規模なプロジェクトを求めてコンサル業界へ

私のキャリアは大手SIerでの勤務からスタートしました。大学で数学を専攻し、研究に情報システムを活用していたことから、新卒ではIT業界に進むことを選択。さまざまな業界・業種の企業から業務改革のニーズをヒアリングし、経営基盤システムの導入を支援するというミッションが与えられました。

中小企業のクライアントが多かったため、プロジェクトは上流から下流まで一気通貫で担当。同時に複数のプロジェクトを動かすこともあり、多忙な毎日でしたが、その分だけ成長機会に恵まれていました。当時の経験が私の礎となっています。

ただ、そうした刺激的な日々の中でも私は、どこか満たされない感覚を抱えていました。もっと大きなプロジェクトにも携わってみたい、より広い世界でチャレンジしたい——。そんな思いがコンサルティング業界への興味につながっていったのです。

こうして転職活動を開始し、いくつかのコンサルティングファームの選考を受けることに。その中で出会ったアビームでは、まず面接担当者の人柄に惹かれました。業界未経験の私の話に興味を示し、SIerでの経験を土台にキャリアを広げていく道筋を一緒に考えてくれたのです。「ここなら面白い仕事ができそう」と直感しました。

加えてアビームが手がけるプロジェクトの規模感も魅力的でした。大企業をクライアントとするプロジェクトに初期から関わっていけると聞き、私の転職目的をかなえられると思ったのです。

実際に入社後、最初に加わったプロジェクトはクライアントを含めて100人以上の体制で進められており、関係者の多さに驚いたほど。当時のアビームは今ほど大きな会社ではなかったこともあり、自分自身はもちろん、会社の成長にも携わっていけるのではないかとワクワクしていました。

Future ~Growth Story~

女性活躍推進は、競争力強化の取り組みでもある

Y.T

アビームの素材・化学ビジネスユニットでは、徐々に女性メンバーが増えてきています。社内の女性活躍推進プロジェクトで得た知見を、次はクライアント側の女性活躍推進支援にも生かしたいと考えているところです。

さまざまな取り組みを進める中で実感したのは、女性が活躍する職場を作るためには内側の実態を変えなければならないということ。

女性活躍推進がうまくいかない背景には、組織の根深い問題が横たわっていることも少なくありません。年功序列型の組織運営が続いていたり、過度に縦割り化されて横のコミュニケーションが希薄になっていたり。「女性が少ない」という現象面の問題は、こうした根本的な問題に起因して現れる氷山の一角なのではないでしょうか。

また、マネジメント側の立場で意見を出し、女性メンバーのロールモデルとなれるような女性を増やしていくことも大切です。ロールモデルを見つけられないまま「自分はどんなキャリアを歩んでいけるのか」と不安を抱える女性も少なくないからです。

日本企業の多くは管理職においても一般職においても、依然として女性比率の低い状況が続いています。1社でも多くの企業が女性を積極的に引き上げ、キャリア開発を支援できるよう、今後もアクションを起こしていきたいと思います。

もちろん、無理やり数だけを引き上げても事業や組織にとってプラスにはなりません。適切な能力開発と組織や仲間のサポートを大前提とし、真の意味で女性が活躍できる体制を整えていけば、日本のエネルギー業界はさらに高い競争力を持てるようになるはずです。

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