会計・経理の業務効率化を通じ、クライアント企業全体のDX意識を高めることに貢献

インボイス制度・電子帳簿保存法改正への対応で注目される会計・経理DX。この領域でシステム導入や組織風土改革の豊富なノウハウを駆使し、クライアント企業全体のDX意識向上を実現するとともに、働く個人の幸せも追求するシニアマネージャーを紹介します。

 

M.T

Experiences in ABeam ~ Impressive Project~

グループ54社・2万人超の巨大組織で新システムを一括導入

M.T

パンデミックによって生じた働き方の変化は、企業の会計・経理部門にも大きな影響をもたらしました。2023年10月1日から施行されるインボイス制度や、2024年1月1日に控える電子帳簿保存法改正への対応もあり、多くの企業が経費精算・請求書支払い・請求書発行などの業務におけるDX推進を課題としています。

私自身はアビームで、こうした会計・経理領域の業務改革や業務システム導入支援、DX推進支援をする業務に携わっています。直近では54社のグループ企業と2万人以上の従業員を擁する大手製造業企業で、経費精算・請求書業務に関するDX推進プロジェクトをリードしているところです。

このプロジェクトの目的は、従来グループ企業や部門ごとにバラバラに進められていた経費・旅費精算業務を標準化し、業務効率化と生産性向上を実現すること。そしてインボイス制度や電子帳簿保存法改正へ対応するためのペーパーレス化を断行し、同時にチェック機能を強化してコンプライアンスレベルを向上させること。これらの目的をかなえる手法として、出張管理クラウド「Concur Travel」と経費精算クラウド「Concur Expense」の導入を軸としました。

プロジェクト始動にあたり、クライアントからは「段階導入ではなく全社で一気にシステムを導入したい」という要望がありました。もともとシステムが統一できておらず、一部の部門でしかDXに取り組めていない現状だったため、クライアントとしてはこのプロジェクトを通じて従業員のデジタルへの意識を高めたいという思いもあったのです。同社ほどの規模の組織で新規システムを一括導入するプロジェクトは、アビームでも過去に例がありません。これは大きなチャレンジでした。

軸となるのはシステムではありますが、ただ計画通りにシステムを設定するだけでは業務改革につながりません。クライアント側の経営陣が変革を志向していても、大きな組織の現場には「現状を変えたくない人」も一定数いるからです。そのため私たちは現場へ積極的に飛び込み、クライアントの事業や業務フローを深く理解するとともに、関係者と密に議論を重ねながら新システムの周知と教育を進めていくこととしました。

当初はこうした取り組みを対面で進めていたものの、プロジェクトの途中段階でパンデミックに見舞われ、リアルでの周知・教育活動は中断せざるを得ない状況に。そこで私たちは現場とのコミュニケーションをオンライン会議ツールに切り替えたり、デジタルアダプションソリューション「WalkMe」を活用してSAP Concurのシステム画面上に操作ナビゲーションを実装して分かりやすく説明したりと、切れ目なく対応できるようにしました。

その結果、このプロジェクトはクライアント企業内でも全社員を対象としたDXの先駆け的な取り組みとして認識されるようになりました。業務効率化・標準化に加えて、「DXに対する従業員の意識を高めたい」という狙いを達成しつつあります。また、人事・経理・ITなど複数の部署を横断して進めたプロジェクトでもあり、クライアントからは「縦割りの傾向があった組織で横の連携が拡大している」という声も届いています。

Why ABeam ?

事業会社の限界を超えて、最適解を真正面から提案したかった

私は学生時代から会計を専攻し、大学生のときに簿記1級の資格を取得しました。卒業後は経理・財務畑でのキャリアを志向して大手化学メーカーに入社。当時はまだ大卒女性の総合職採用は少なく、多くの企業は一般職(職種限定・地域限定など)採用で女性のキャリア形成に制限があった時代でしたが、その企業は毎年2桁以上の女性総合職を採用していたのです。

ところが入社後の私を待ち受けていたのは、想定外の営業職への配属でした。研修を経て営業に携わることとなった私は、まだまだ男性社会の風土が根強い業界で実績を残すべく懸命に働きました。振り返ってみれば、当時の経験はコンサルタントとしての今に着実につながっていると思います。

とはいえ、せっかく学んできた会計領域の知識を生かせないことには忸怩たる思いも抱えていました。また、事業会社ではどうしても自社の商材に縛られてしまう現実もありました。「クライアント本位で考えれば他社製品のほうがメリットが大きい」と思っても、それを正面から提案することはできません。自らの専門領域を生かしながら、クライアントへフラットでベストな提案ができる業界を探していた私は、次のキャリアステージとしてコンサルティングの世界に惹かれていきます。

さまざまな選択肢の中からアビームに決めたのは、中途入社のメンバーに対する教育制度も充実していたことに加え、書類ではなく私の目を見て話し続けてくれた面接官がいたからです。人を経歴だけで判断せず、一個人として対等に接して評価する。その風土は、現在もアビームとして変わっていません。

入社後は希望していた会計領域のプロジェクトにアサインされ、コンサルタントとしての成功体験を着実に積み重ねることができました。2008年と2011年には産育休を取得。職場復帰後は時短勤務制度を活用し、上司や同僚、クライアントの深い理解のもとで育児と仕事を両立する新たなキャリアに挑んできました。

Future ~Growth Story~

「時短メンバーだからこそ価値を発揮できる」プロジェクトをリード

M.T

私のように育児と仕事を両立する女性時短メンバーを集め、自ら提案書を書いて案件を獲得し、時短メンバーのみで取り組むプロジェクトをリードしてきました。初めてこの体制でクライアントを支援することになった際、アビームの経営陣はこのアクションを理解して「ぜひやってみよう」と背中を押してくれました。またクライアントもこれまで構築してきた関係性もあり、快く受け入れていただきました。

会社としては、ノーリスクとはいえない試みだと思います。それでも個々のメンバーの考え方を重視し、キャリアを切れ目なく支援してくれています。アビームに移って20年以上が経ちましたが、この場所を選んだ自分の選択はやはり間違っていなかったと感じています。

親としての顔も持っている私たちは、仕事を最大限に効率化し、育児や家事と向き合う時間を捻出しなければいけません。そのための取り組みとして、世の中が新型コロナウイルス禍に突入する前から在宅勤務を導入していました。そのため社会全体でリモートワークが推進された時も何ら抵抗なく、クライアントとのプロジェクトも遠隔からスムーズに進めることができ、チームのアドバンテージが遺憾なく発揮されました。

現在もチームメンバーが新たに子を授かり、育児休業期間に入ることも珍しくありません。こうしたハッピーな変化を、社内からはもちろん、クライアントからも祝福してもらっています。そして私たちは、どんな状況になってもプロジェクトの価値を損なわないようにフォローし合っています。

私は今、同じような風土をより多くの企業に根づかせていきたいと考えながら活動しています。働く一人ひとりがより良い人生を過ごせば、より良い社会が実現されるはず。DXはそのためにこそ必要なのではないでしょうか。

これからも企業には、法制度や社会トレンドに対応した大きな変化が求められるでしょう。DX支援を通じてそれぞれの現場で働く人の人生を豊かにし、企業の付加価値を生み出し続ける。このミッションを果たすべく、これからも私は最前線で走り続けたいと考えています。

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