人的資本経営の実現に向けた統合的なアプローチを支援する

新たな経営課題として注目を集める「人的資本経営」の実現に向けて豊富な知見と実績を備え、企業の変革・挑戦に強い意志で臨んでいるプリンシパルを紹介します。

 

Y.K

Experiences in ABeam ~ Impressive Project~

人事施策が事業戦略と密に連携するには「人事の選択と集中」が必要

Y.K

金融庁は2023年度以降、有価証券報告書を発行する大企業約4000社に対して「人的資本投資(経営)」に関する「戦略」と「指標及び目標」の開示を求めます。「人的資本経営」とは、経営資源である「ヒト」を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値の向上につなげようとする考え方です。

私はこれまで、20年以上にわたって人事関連のコンサルティングに携わってきましたが、「人事と経営との距離」についてわだかまりをいつも感じていました。事業戦略や経営課題と密接に絡んでいるにもかかわらず、それらと充分に連動してはいない人事部門や経営のあり方に課題を感じていたからです。
私は「人的資本経営」のムーブメントが、それを大きく変えてくれると確信しています。

その理由を、私がアビームで携わっている、ある著名な大手メーカーでのプロジェクトを例にご説明します。
その企業は、創業者の意志を引き継ぎ、企業の存続意義(パーパス)は社員に深く共有され、だからこそ消費者から厚い信頼を得る製品を世の中に送り出していました。しかし、第2創業期を迎えるにあたり、より人的な資源を強化し、そのために「人事施策の選択と集中」が必要であるとの認識を持つに至りました。また人的資本の開示が義務化されることを受けて、開示レベルを向上させる必要もありました。
そこでこのプロジェクトでは、人材面での優先課題(マテリアリティ)を設定し、その上で人材ポートフォリオを検討した上で、人事施策の選択と集中を行ったり、「統合報告書」などを含めた外部への発信策(アウトプット施策)を策定したりしています。

具体的には、「欲しい人材の確保とポテンシャルのある人材の育成」というテーマでは、明確な定義や実行シナリオが乏しいままでした。「IT人材やDX人材が欲しい」と言っても、事業戦略との関係を踏まえた具体的なスペック(必要とされる能力)は明確になっておらず、ポテンシャルのある人材を発掘して育てるためのプログラムも明確ではありませんでした。これでは事業戦略の本質的な実現には貢献できません。
そこで、私たちはクライアントと共に、一連の定義や課題を明確にし、人事部だけでなく経営企画部門を巻き込んだ“改革の熱量”を社内に浸透させ、さらには広報部門と世の中への発信戦略を練り上げてきました。
この取り組みにより、CHRO(Chief Human Resource Officer)が中心となった、まさに「ヒトという無形資産の資本力の強化」に具体的なアプローチ策を手にすることができ、事業戦略と強く連携した「人的資本経営」が形を成す道筋を示せたのです。

Why ABeam ?

人的資本経営コンサルティングの重要性をいち早く感知していたアビーム

私は新卒で外資系のコンサルティング会社に入社し、そこでクライアントの人事部門のコンサルティングを担当していました。その後、PR会社に転職していくつもの新規事業の立ち上げを経験した後、リーマンショックで瓦解した人事コンサルティング部門の建て直しをミッションとして、再び元の外資系コンサルティング会社に“復社”しました。

新規事業を経験したからこそ痛感したのが、人事部門の努力が事業戦略と深くリンクしていない現実でした。事業の成功に重要な資源がヒトであるのに、ヒトの育成や採用にあたっての要件定義で事業戦略との連関があいまいなケースがほとんどなのです。「こんな人材が欲しいのだが、具体的なことは人事部さん、よろしくね」といった具合です。

これは事業戦略と人材スペックの最適化を図るシナリオが明確ではなく、さらに人材全体のなかで事業戦略の実現に貢献できる人材ポートフォリオの構成も練られていないという事でした。言葉を換えれば、人事部門が自らの施策について検証ができておらず、さらには人事施策の選択と集中ができないでいるということでもあります。そしてそれはまた、「CHROが充分にCHROとしての役割を発揮できていない企業」が多いことをあらわしています。

そして、企業が持つ無形資産の価値を重視する流れから「人的資本経営」が注目されるようになると、「人的資本経営コンサルティング」という新しいニーズが芽生えてきました。それを真っ先に感知し、意味を理解していたのがアビームでした。そこで私は、色々な縁も重なったこともあり、入社を決めました。

アビームに入社後は、これまでの経験を活かし、戦略コンサルティング部門の一つとして「人的資本経営コンサルティングチーム」を立ち上げました。また、アビーム自身の人的資本経営について自己変革を促すチームとしても活動しています。

Future ~Growth Story~

週一の「研鑽Day」。幅広い専門性と豊かな人間性を備えたチームを創るリーダーに。

Y.K

事業戦略と連動した真の意味での人的資本経営を実現する人事改革のためのフレームワークを整え、「企業価値の向上に明確に資することである」という具体的な目標指標も備えているのはアビームだけだと考えています。例えば私たちは、「3年以内に人材ポートフォリオはこうなり、これだけの企業価値を創造する」という取り組みと結果が一体になったシナリオを提示できます。
しかし、そのためには当然ながら事業との連動性を高めるためにキャッチアップしなければならないポイントが多くなります。そしてコンサルタントには、人事施策だけでなく事業戦略についての深い知識と理解が求められます。

私はマネジメントにおいて、チームメンバーに「仕事に取り組む7つの姿勢」を求めています。例えば、「実現屋であれ(実現できるコンサルティングでなければならない)」や、「手触り感があるコンサルティングを(できるという具体感をお客様が感じていただけるようにする)」などがありますが、そのなかに「稼働3日、研鑽1日、週休3日」というものもあります。毎夕、特定のテーマについてスタッフが自由に議論する「研鑽Time」を設ける一方、週の1日を「研鑽Day」として学びの日にしています。
研鑽のテーマは自由です。いわゆる「専門バカ」になってはいけない人的資本経営のコンサルタントとして、広く深い専門性と豊かな人間性を備えてこそクライアントと並走できると考えているからです。

今後も、豊富な知見と人間性を備えたアビームのメンバーと共に、提供価値の高い「リアルパートナー」として、さまざまな枠組みを超えた挑戦を続けていきたいと思います。

このメンバーの担当サービスを見る

page top