グローバル市場における競争環境の激化と不確実性の高まりは、企業経営の舵取りにおいてかつてないスピードと精度を要求している。特に日本企業が長年直面してきた「バックミラー型経営」、すなわち過去の数値を集計し、数ヶ月前の状況を振り返って意思決定を行う後追い型の管理手法では、変化の激しい環境に対応することが難しくなりつつある。
こうした状況の背景には、サステナビリティ開示の義務化(SSBJ対応)やROIC経営の高度化といった制度・経営要請の高まりに加え、AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展、さらには深刻化する人材不足がある。これらに対応するためには、過去データの集計にとどまらず、リアルタイムに近いデータを基に未来を予測し、変化の兆しを捉えながら迅速に意思決定を行う「予測型経営」への転換が不可欠である。
本稿では、グループ連結会計の基盤統合を起点にAIをはじめとするデジタル技術を組み合わせ、予測型経営へ転換するためのアプローチを整理・提示する。