東証のPBR1倍割れ改革を受け、大型M&A・ポートフォリオ再構築が進む一方、PMIが形骸化すればのれん減損などで企業価値は容易に毀損する。PMIでは多様な分科会が設置されるが、その核である経理財務分科会は制度会計・管理会計など重要な領域を担いつつも、日常決算に追われ受け身に陥りがちである。しかしながら、真に求められるのはシナジー創出や資本効率改善など価値創造の司令塔機能である。ゆえにCFOは「攻めのファイナンスPMO」を設置し、減損テスト・PPAを軸に他部門を巻き込み、シナジー施策の定量モニタリング、不要資産整理によるキャッシュフロー最大化などを主導することで、バランスシートを守りつつ長期的な企業価値を押し上げられる。本インサイトでは攻めのファイナンスPMOの定義、設計上の要点、経営アジェンダを積極的に提言して企業価値向上へつなげるためのアプローチを解説する。