アビーム、「電力・ガスシステム改革対策特命チーム」を設置

アビームコンサルティング株式会社（代表取締役社長 岩澤 俊典、東京都千代田区、以下 アビームコンサルティング）は2014年8月1日、「電力・ガスシステム改革対策特命チーム」を設立しました。本チームは、電力・ガスシステム改革に対応するエネルギー事業者や、同市場への参入を検討している企業に対し、エネルギー事業戦略を含むビジネスモデルデザイン、テクノロジー、ビジネスインテリジェンスの3つの領域を中心とした総合コンサルティングサービス「ABeam Energy Summit Solution(ABeam ESS)」を提供します。

東日本大震災以降、安倍政権は重要度が高まっているエネルギー問題を解決するため、安定供給の確保や電気料金の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を目指し、日本の成長戦略の柱のひとつとして電力・ガスシステムの改革を推し進めています。2016年には電力、2017年にはガスの小売全面自由化が見込まれ、エネルギービッグバン時代（電力・ガス小売全面自由化）を迎えようとしています。今後のエネルギー供給においては、制度改革の動きを受け、従来の規制領域であった「電力VSガス」の構造が変わり、異業種からの企業の参入による価格競争や、一般消費者を始めとする需要家からの様々なニーズにいかに対応し顧客満足度を上げていくかなど、これまでとは異なる視点での取り組みが求められます。このようなニーズに応えるため、企業においては、将来を見据えた柔軟なエネルギー戦略の策定や新規ビジネスモデルの構築が求められています。

ABeam ESSは、電力・ガスシステム改革を新たなビジネス機会と捉えるエネルギー事業者や同市場に参入を検討している企業に対し、総合エネルギー会社として必要な経営戦略の策定から省エネを含むエネルギーマネジメントや業務プロセス・システムの構築、最適な運用までを包括的に支援するコンサルティングサービスです。これまで国内外の電力・石油・ガスなどのエネルギー業界に対し業務改革やシステム導入、エネルギーマネジメント（エネルギーの見える化、最適運用化）に関するコンサルティングサービスを行ってきたコンサルタントが保有する知見と、経営改革・会計・ITなどのスペシャリストが、業務改革や新たなビジネスモデルの構築を通じ企業価値の向上や競合企業との差別化を支援していきます。電力・ガスシステム改革対策特命チーム、ABeam ESSの詳細、具体的に提供するサービス内容は以下の通りです。

【電力・ガスシステム改革対策特命チーム　概要】

1. 主なサービス
   電力・ガスシステム改革を契機とした事業戦略、新サービスの企画・立案、企業BI力強化、エネルギーポートフォリオ・トレーディング管理、分社後および新規参入者向けの新たなビジネスモデル設計、IT設計・導入、ビジネスプラットフォーム検討、事業運営等の支援など
2. 対象
   電力・ガス・石油会社および国内外の新規電力・ガス事業参入を検討している企業
3. 責任者
   社会インフラサービス・コンシューマービジネス統括事業部
   執行役員　プリンシパル　小野田　敬
4. 体制
   専任30名（エネルギー事業向けコンサルティング経験者）を中心に各ソリューションチームのエネルギー事業者向けコンサルティング経験者（約1000名）と連携して体制を運営

【ABeam ESS 電力・ガス事業者向けサービス】
業務・資本の再配置・最適化や分社化対応、新規事業の創出や域外への進出、コスト構造改革やスマートメーター等に蓄積されたビッグデータの活用など、総合エネルギー企業として取り組むべき事業戦略の策定から業務プロセス・システムの構築までを幅広く支援します。特に、発電や小売などの事業を分社化する「カンパニー制」の導入については、分社後のスムーズな業務の遂行を可能にするため、アビームコンサルティングが保有するテンプレートを活用し、業務プロセスとシステムの構築を支援します。

サービスメニュー

1. ハンズオン型プログラムマネジメントオフィス（電力・ガスシステム改革推進統合PMO）サービス
   「コーポレート」「発電」「電力流通」「小売」など多岐に渡る事業領域でそれぞれ検討・対応すべきポイントを整理した上でプロジェクト間の整合性の維持、リスク対策型のプロジェクト管理、関係者間のコミュニケーションの橋渡しの3軸からスムーズな改革を統合的に企画・推進を支援します。
2. 需要予測・経済運用（発電/エネルギーポートフォリオ・トレーディング）プラットフォーム整備支援サービス
   燃料・電力市場の需給状態を把握・監視し、電力需要場所に対し、どの発電所を稼動して供給すべきか、小売サービスに使うべきかなど、燃料・電源のポートフォリオの最適化モデルを設計し、、「エネルギートレーディング・リスク管理プラットフォーム」に係る業務・システム像をデザインし、クラウド型ソリューションの選定・導入を支援します。
3. ホールディングス・カンパニー制検討テンプレートサービス
   ホールデイングス・カンパニー制移行にあたり必要な5つの視点（①戦略・狙い、②組 織・人、③経営管理、④業務プロセス、⑤情報システム）について「電力・ガス改革に伴う目指す姿」に沿った資本配分、組織・業務再配置を明確化した上で、移行後も早期に業務が遂行できるよう、アビームコンサルティングが保有するホールディングス・カンパニー化検討テンプレートを活用し、業務プロセスと情報システムの構築を支援します。
4. 顧客囲い込み（顧客戦略、離脱防止、新サービス）戦略立案・デジタルマーケティング推進サービス
   エネルギー事業者として策定すべき顧客の囲い込み戦略の策定から、収益性の向上に資する新たなビジネスモデルを設計・立上げ・実現までをトータルに支援します。具体的には、次世代型多次元解析ツールである。HyperCube（※1）を活用し、顧客情報とスマートメーターに蓄積されたデータを分析、顧客や市場動向を迅速に把握し、モバイル等デジタルチャネルでのコミュニケーションを通じ、顧客の傾向を掴み顧客戦略・離反防止施策に反映させることが可能になります。
5. グローバル・エネルギーマネジメントBPOサービス
   エネルギー事業者が、グローバルで活躍する日本企業向けに、グローバル各拠点に分散しているエネルギーデータ、請求書データを統合的に管理することにより、請求書エラー、ペナルティー支払いなどの発生を抑止する等のエネルギー領域のマネジメント全体を、アウトソーシング業務として受託が可能です。自由化時代を見据え、エネルギー事業者の新サービスとしてバンドルし、提供が可能です。

【ABeam ESS 新電力事業者向けサービス】
新たな収益源としてエネルギー市場参入を検討している事業者に対し、事業性の評価からビジネスプラットフォームの整備、運用支援までを包括的に行います。これまで数多くの企業に対しエネルギーマネジメント支援を行ってきた知見と、多様な業界に対し提供してきたビジネスプラットフォームのノウハウを通じ、コストを最小化する電力調達と収益を最大化する顧客の獲得を支援します。

サービスメニュー

1. 新規エネルギー事業早期立ち上げ支援サービス（需要家PPS事業者、高圧一括受電事業者、アグリゲーター型エネルギー事業者など）
   電力の大規模需要家の企業、異業種から電力事業への新規参入を検討・着手している企業向けに、事業戦略から事業計画、事業運営のサポートまでを短期間で事業化の推進を支援
2. 新電力PPSアライアンスパートナー選定支援サービス
   新電力の事業化の推進を支えるビジネスモデルにおいて、重要なビジネスアライアンスパートナー候補の導出やそのアライアンス計画、パートナー企業候補選定を支援
3. 需要予測・最経済運用プラットフォームクラウドサービス
4. 顧客囲い込み（顧客戦略、離脱防止、新サービス）戦略立案・デジタルマーケティング推進サービス
5. グローバル・エネルギーマネジメントBPOサービス

将来的には、これらの支援実績をノウハウとして蓄積し、エネルギー事業者が海外のエネルギー市場に進出を行う際にもパートナーとして参画していくことを目指します。

経営改革に取り組むエネルギー事業者や、電気・ガス等のエネルギー市場に参画を計画する新電力事業者を対象に提案を行い、初年度20件の導入を目指しています。提供するサービス範囲及び顧客の要望により異なりますが、300万円程度からを想定しています。