「ベストオーナー原則」の発想から考える 事業価値を最大化させる「分社化」の活用法(後編)

インサイト
2026.09.03
  • 経営戦略/経営改革
  • M&A
GettyImages-603270570

執筆者情報

  • 嶋村 貴史

    嶋村 貴史

    Principal Corporate Finance & Transformation Strategy Unit Leader

第4章 税制恒久化とはいえ、あくまでも目的が重要 分社化の選択肢としてのパーシャルスピンオフ

【この章のエッセンス】

  • 日本では長らく税制が分社化の選択肢を制約していたが、制度整備により活用可能な手法は大きく広がった。
  • パーシャルスピンオフ税制の恒久化により、企業は分社化を現実的な選択肢として検討しやすくなった。
  • ただし、制度は手段に過ぎない。価値を生むのは制度ではなく独立性の設計と分離実務の巧拙である。

税制が再編の選択肢を規定してきた

日本において分社化、とりわけスピンオフの活用が米国に比べて限定的であった理由の1つは、税制にあった。事業を切り出して株主に分配すれば、法人段階では譲渡益課税、株主段階ではみなし配当課税が生じる。この二重の課税負担ゆえ、日本の大企業がノンコア事業を手放す際は、対価が入り経済合理性を説明しやすい売却が事実上の一択であり、キャッシュが1円も入らないのに課税だけが生じるスピンオフは検討の俎上から外れてきた。

転機は2017年度の税制改正であった。一定の要件を満たすスピンオフについて、譲渡損益と配当への課税を対象外とする、いわゆるスピンオフ税制が創設された。事業の切り出しを課税のイベントとしない道が、ここで初めて開かれた。

適格要件の趣旨は一貫している。スピンオフが「事業の実質的な継続を伴う組織形態の変更」であって、資産の売却や利益の分配の代替ではないことの担保であり非支配の継続、主要な資産・負債の移転、従業者のおおむね9割継続従事、経営役員の分離後の経営参画といった要件が課される。「器を変えるだけで、事業の中身と担い手は変わらない」という実質を備えた再編であれば適格の枠に収まり得る。

しかし、この制度には制約があった。100%の完全分離が前提とされ、元親会社に持分を一部残すパーシャルスピンオフは適格の対象外だったのである。前章で述べたとおり、日本企業の多くは切り出す事業との間にブランドや技術の紐帯を残したいという現実的なニーズを持つため、完全分離しか認めない税制はこの実務のニーズと噛み合っていなかった。

パーシャルスピンオフ税制の創設から恒久化へ

このギャップを埋めたのが、2023年度税制改正で創設されたパーシャルスピンオフ税制である。産業競争力強化法に基づく事業再編計画の認定など一定の要件を満たせば、元親会社に持分を一部残す形のスピンオフであっても、再編時の譲渡損益や株主のみなし配当への課税が対象外となる。

当初この措置は1年間の時限措置として設けられ、2024年度改正で適用期限が4年延長された。そして2026年度(令和8年度)の税制改正において、適用要件の見直しとともに恒久化されるに至った。2026年4月1日以後に事業再編計画の認定を受ける法人から、新しい制度が適用される。

パーシャルスピンオフ税制の適用に固有な点は、税法上の要件充足に加えて、産業競争力強化法に基づく事業再編計画の認定という行政手続が組み込まれていることである。認定を受けるためには、分離の目的、分離後の成長戦略、実施スケジュールを行政に説明できる水準まで固める必要があり、社内の検討の解像度を強制的に引き上げる効果を持つ。認定申請の段階で計画の粗さが露呈する案件は、そもそも分離の設計が未成熟ということである。

要件見直しの中身も実務的に重要である。従来の制度はスタートアップ創出という政策目的を色濃く反映し、切り出される事業の新規性等に関する要件が課されていたが、今回の見直しではノンコア事業を切り出してコア事業に専念するという事業ポートフォリオの組替そのものが制度の目的として明確に位置づけられた。成熟事業や祖業の切出しにこそ使える制度へと、性格が変わったのである。

具体的には、従来の役員へのストックオプションの付与や事業の若さといった、スタートアップ的な要件から、元親会社が経営資源を集中させる事業を特定し継続すること、ポートフォリオ組替えの実質に着目した要件へと軸足が移された。制度が想定する利用者像が、「新事業を生み出す企業」から「事業構成を組み替えるすべての企業」へと広がったといえる。

制度の活用も動き始めている。事業再編の検討には数年を要し、制度がいつ失効するかわからない状態では取締役会は前提にできない。恒久化の最大の意義は、税制を経営計画の前提として組み込めるようになったことにある。

なお、産業競争力強化法の事業再編計画の認定には、税制上の効果に加えて、会社法上の特例が付随する点も実務上は見逃せない。スピンオフのための株式の現物配当に係る手続負担の軽減など、認定を受けることで再編の実行が制度面から後押しされる建て付けになっている。税務、会社法、会計の3領域が連動して整備されてきたのがこの10年の流れであり、単独の税制措置としてではなく、制度パッケージとして理解しておくべきである。

制度は「使えるようになった」にすぎない

一方で税制の整備は、分社化の成功を何ら保証しない。

税制適格は、課税繰延べという「コストの回避」を可能にするだけであり、分社化の目的である「価値の創出」は独立性の設計と分離実務の巧拙によって決まる。むしろ制度が使いやすくなったことで、目的の曖昧な手法先行の案件が増えることが懸念され、税制優遇があるからスピンオフを検討するという順序は本末転倒である。

制度は出揃った。問われているのは、経営の意思と実行力である。次章より分社化の成否を実際に分ける実務論点を確認していく。

第5章 独立後に事業が自立して運営できる状態を 「形だけ分社化」に陥らないための実務上の留意点

【この章のエッセンス】

  • 分社化の成否は会社法上の手続きなどのスキームではなく、独立後に事業が自立して運営できる状態を作れるかである。
  • 人材、システム、知財、ガバナンスなどの論点は、分社後ではなく分社前から設計しておく必要がある。
  • 最大の失敗パターンは「形だけ分社」であり、親会社の統制と新会社の自律性の境界を明確に設計することが不可欠である。

分離の実務はPMIの裏返しである

M&Aの世界では、買収後の統合プロセス(PMI)の巧拙が案件の成否を決めることは、もはや常識である。しかし、その裏返しである「分離」のプロセス、セパレーションの実務が同じ重みで語られることは、いま少ない。

統合が2つの組織を1つに編み上げる作業だとすれば、分離は1つの組織から事業を解きほぐして取り出す作業である。統合には「重複を削る」というわかりやすい経済合理性が働くのに対し、分離では、これまで1つで済んでいた機能を2つに増やすという、逆方向の力学が働くからである。ここでは、分社化の成否を分ける実務論点を5つに絞って論じる。

論点1:スタンドアロンイシュー―独り立ちのコストを直視する

第1の論点は、切り出される事業が単独で成り立つために必要な機能の特定と、そのコストの見積りである。実務ではスタンドアロンイシューと総称される。

事業部門は、本社の間接機能(経理、人事、法務、IT、調達、資金管理など)に支えられて動いており、分社後は新会社が自前で持つか、外部から調達するか、親会社から購入するかしなければならない。この独り立ちのコスト、いわゆるスタンドアロンコストは検討の初期段階でほぼ例外なく過小評価される。事業部門の損益計算書には本社費が配賦ベースでしか載っておらず、実際のコストとは乖離があるからである。特にITシステムの分離は、金額とリードタイムの両面で最大の難所となることが多く、基幹システムを共用している場合は年単位の期間と相応の投資を要する。

現実解として用いられるのが、移行期間中のサービス提供契約、すなわちTSAである。分離の効力発生後も一定期間、親会社が間接機能を有償で提供し続け、新会社はその間に自前の体制を構築する。TSAの設計で重要なのは、対象サービスの範囲と水準、対価、終了期限を具体的に定めることであり、期限の曖昧なTSAは新会社を親会社に依存させ続け、分社化の目的を侵食する。TSAは「切れること」を前提に設計しなければならない。

スタンドアロンイシューには、社内機能の問題だけでなく、対外関係の再構築も含まれる。事業に必要な許認可は法人に紐づくものが多く、新会社での再取得に要する期間が分社のスケジュール全体を規定することがある。取引契約にも、会社分割による契約上の地位の移転を相手方の同意事項とする条項や、支配権の変動を解除事由とするチェンジ・オブ・コントロール条項が含まれていることは珍しくない。重要な販売契約、ライセンス契約、賃貸借契約、融資契約を早期に棚卸して、同意取得の要否と交渉方針を整理しておくことが重要である。ここでの見落とし1つが、効力発生日の延期や主要取引の喪失につながる。

論点2:人材の承継―手続論と、その先にある本質論

第2の論点は人材である。会社分割による分社化では、労働契約承継法に基づき、承継される事業に主として従事する労働者の労働契約は原則として新会社に承継される。会社は労働者への事前の通知と、労働組合等との協議を行う必要があり、対象労働者には一定の異議申出の仕組みも用意されている。この手続を丁寧に踏むことは当然の前提である。

しかし、強調すべきは、手続論の先にある本質論である。すなわち、「エース人材を新会社に本気で出せるか」という問いだ。

分社化の目的が事業の成長加速である以上、新会社にはその事業の将来を担うに足る経営人材と中核人材を配置しなければならない。ところが現実には、本体の主流を歩んできた人材ほど、新会社への転籍を「本流からの離脱」と受け止める心理が働く。処遇制度の接続、キャリアパスの見え方、そして何より経営トップが新会社の位置づけをどう語るか。ここを設計し損ねると、優秀な人材ほど分社を敬遠しがちになり、新会社の陣容が手薄になりかねない。それでは「独立による成長加速」という目的そのものが実現しにくくなる。

実務的な設計論としては、3つの手当てが要る。

第1に処遇の接続、転籍時点の処遇水準の維持と、退職給付・福利厚生の制度差を個人ごとに説明できる粒度で整理すること。

第2に新会社固有のインセンティブ、独立の果実を中核人材が分かち合える報酬設計(業績連動、株式報酬、将来の上場を見据えたストックオプションなど)を本体の横並びから切り離して用意すること。

第3にキャリアの可逆性、グループ内での人材還流の仕組みを明示し、新会社での経営経験に価値があることを実際の登用で示すこと。

この観点で、アシックスの布陣は示唆的である。新会社OTグループの社長には本体の副社長でオニツカタイガー事業を率いてきた人物が就き、会長には親会社の会長CEOが自ら就任しており、「本体より格下の会社ではない」というメッセージとも読み取れる布陣である。

論点3:ブランドと知財のライセンス設計

第3の論点は、無形資産の帰属と利用関係の設計である。ブランド、商標、特許、ノウハウ、データなど事業と不可分の無形資産をどちらの法人に帰属させ、他方にどう利用させるかは、分社化の中核論点でありながら、検討が後回しにされがちな領域である。

帰属の設計に唯一の正解はない。ブランドを新会社に移して独自の発展を促す形もあれば、アシックスのように知財の管理を本体に残し、新会社がグループの共有基盤として利用する形もある。重要なのは、選んだ帰属関係に応じて、ライセンス契約の条件(範囲、期間、対価、品質管理、契約終了時の取り扱いなど)を精緻に設計することである。

とりわけ資本関係が変動し得る類型では、対価の設定が税務上の重要論点となる。グループ内では無償や名目的な対価で済ませがちなライセンスも、将来外部資本が入れば独立企業間価格での取引が求められるため、分社の時点から第三者間でも通用する条件で構築しておくことが、後の再編の自由度を守る。

見落とされがちな無形資産としてはデータの扱いも重要である。顧客データ、販売データ、開発データなどは、事業運営の中で本体のシステムと一体で蓄積されており、「どのデータが誰のものか」が整理されていないことが通例である。分社に際しては、データの帰属と利用権限を契約で明確化するとともに、個人データについては利用目的や第三者提供の観点から、移転の適法性を個人情報保護法制に照らして確認する必要がある。デジタルを活用した事業ほど、この論点の重みは増していく。

論点4:分離のプログラムマネジメントと関係者への説明

第4の論点は、分離という複合プロジェクトをやり切る推進体制と、利害関係者へのコミュニケーションである。

分社化は、戦略、法務、税務、会計、人事、IT、広報などが同時並行で動く複合プロジェクトであり、専任の分離推進責任者と部門横断のプログラムマネジメント機能を欠いた片手間の兼任体制では乗り切れない。

見落とされがちな論点として、データの扱いも重要である。顧客データ、販売データ、開発データなどは、事業運営のなかで本体のシステムと一体で蓄積されており、「どのデータが誰のものか」が整理されていないことが通例である。分社に際して、データの帰属と利用権限を契約で明確化するとともに、個人データについては利用目的や第三者提供の観点から、移転の適法性を個人情報保護法制に照らして確認する必要がある。デジタルを活用した事業ほど、この論点の重みは増していく。

コミュニケーションの設計も成否を分ける。従業員に対しては、分社の目的と自らの処遇・キャリアへの影響を、発表の初期段階から誠実に説明しなければならない。情報の空白は憶測で埋まり、憶測はやがて中核人材の退職という形で顕在化する。取引先に対しては、契約の承継と取引条件の継続性を丁寧に説明し、不安を先回りして摘む。資本市場に対しては、分社化が全体戦略のどこに位置づくのかを、残る側の成長ストーリーとあわせて語る必要がある。切り出す事業の説明に熱を入れるあまり残存事業の説明が手薄になれば、株価の反応という形でしっぺ返しを受ける。

論点5:最大の失敗パターン―「形だけ分社化」

こうした推進体制の甘さの先に待つのが、第5の論点であり最大の失敗パターンである「形だけ分社化」である。

法人格は分けた、登記も済んだ、社名の入った看板も掛かった。しかし、意思決定は何も速くならない。

原因は共通している。決裁権限、予算、人事権が、実質的に親会社に残り続けることである。新会社の投資案件が親会社の経営会議の承認事項とされ、新会社の役員人事が親会社の人事部の起案で決まり、年度予算が親会社の中期計画の枠内で査定される。これでは、法人格という「器」は独立しても、意思決定という「中身」は事業部門のままであり、法人を跨ぐ分だけ手続が増え、以前より遅くなることさえある。

こういった場合には、分社の設計段階で「親会社が関与する事項のリスト」を明文化し、それを最小限に絞り込むことが重要である。関与事項を列挙する権限規程を親子間で合意し、リストにない事項はすべて新会社の権限とする。親会社側の管理部門は、善意から関与を広げようとし、新会社は親会社に無意識に頼りがちになる。リスク管理、グループガバナンス、株主への説明責任はいずれも正当な論理であるだけに、個別の交渉では抗いにくく、経営トップ間の合意として関与の上限を先に固定しておく必要がある。独立性は、法務的な分離によってではなく、ガバナンスの設計によって実現される。本特集を通じて繰り返してきたこの命題が、最も先鋭的に表れるのがこの論点である。

あわせて、分社後のモニタリングの設計にも触れておきたい。関与を絞り込む代わりに、親会社は「何を見て、いつ介入するか」をあらかじめ定義し、事業計画に対する少数の重要指標を親子間で合意して、その達成状況の報告をもって関与に代える。指標が一定の閾値を割り込んだ場合にのみ、親会社の関与が段階的に強まる。こうした「例外時にのみ発動するガバナンス」を明文化しておけば、平時の自律性と有事の統制を両立できる。逆に警戒すべきは、分社後数年を経て業績が踊り場を迎えたときに頭をもたげる「再統合の誘惑」である。独立させた事業を安易に本体へ戻せば、分社に費やした移行コストは無に帰し、組織には「独立は一時的な流行にすぎない」という学習が残る。分社は、やり切る覚悟とセットで初めて意味を持つ。

第6章 平時から事業の持ち方を考える ポートフォリオ経営に不可欠な備えとは

【この章のエッセンス】

  • 分社化を危機対応時の一回性の「イベント」にとどめず、事業の持ち方を毎年問い直す経営のOSとして常時作動させることが求められる。
  • 平時から「切り出しレディネス」を整備しておくことが、将来の選択肢と経営の柔軟性を高める。
  • 持ち続ける理由を語れない事業は、独立か承継かの検討対象になり得る。それを先送りしないことが経営の責任である。

常設の問いとしてのポートフォリオ経営

これまでは分社化を手法の解説としてではなく、独立性の設計論として論じてきた。

分社化を、危機対応や外圧への応答として行われる一回性の「イベント」として捉えている限り、企業のポートフォリオ経営は受動的なものにとどまる。アクティビストに指摘されてから検討を始め、株価が低迷してから重い腰を上げるのでは、最も条件の良いタイミングと交渉力を自ら手放すことになる。業績が堅調で、時間の余裕があり、複数の選択肢を比較できる状態でこそ、事業の価値は最も高く評価され、交渉の主導権も握れる。「まだ決断の必要がない時期にこそ検討する」という逆説を、経営の規律として制度化できるかが問われている。

目指すべきは、分社化を含む事業の持ち方の再設計を経営の「OS」として常時作動させることである。事業ごとに資本コストを設定してリターンと成長速度を毎年評価し、「自社が引き続きベストオーナーであるか」「現在の独立度は最適か」を定例の経営アジェンダとして問い続ける。

オニツカタイガーの事例が教えるように、この問いは不振事業だけでなく、絶好調の事業にこそ向けられるべきものであり、事業の成長速度が組織の意思決定速度を上回ったとき、その組織形態はすでに成長の制約になっている。

切り出しレディネスという備え

あわせて提言したいのが、「切り出しレディネス」の平時からの整備である。事業別の財務情報を法人単位に組み替えられる管理会計の粒度、契約や知財の帰属の整理、システムの分離可能性の把握が挙げられる。これらは、いざ分社化や売却を決断した際の実行スピードを左右するだけでなく、平時の事業管理の解像度をも高める。再編の可能性を織り込んだ経営インフラは、再編をしない場合でも無駄にならない。

この備えを担うのは、多くの場合、経営企画とファイナンスの部門である。ポートフォリオ経営を標榜するのであれば、事業別の資本収益性を測定し、持ち方の選択肢を常に用意しておく機能をコーポレート側の恒常的な役割として定義すべきである。案件が起きてから外部の専門家を慌てて集めるのではなく、平時から自社の中に「切り出しを構想できる目」を持つこと。それが、ポートフォリオ経営を掛け声で終わらせないための組織的な条件である。

なお、切り出しレディネスの発想は、事業間で人材や資金、契約が未分化になりがちな中堅企業にこそ勧めたい。この備えは分社化のためだけではなく、資本提携や事業承継、成長投資の意思決定すべての土台になる。

持ち続ける理由を毎年語れるか

制度が出揃い、スピンオフ税制は整備され、パーシャルスピンオフ税制は恒久化され、手法の選択肢はかつてなく広い。

残る問いは1つである。問われているのは、それぞれの事業を持ち続ける理由を、経営が毎年自らの言葉で説明できるかである。資本市場からも、その説明責任は年々重くなっている。説明が難しい事業があるなら、それは独立か承継かの検討対象になり得る。その検討を先送りしないことが、事業に対する、そしてそこで働く人々に対する、経営の責任である。

インサイト

Contact

相談やお問い合わせはこちらへ