石油製品、化学品、電力などを生み出すプラントは生活に欠かせないインフラであるが、近年、その運営を取り巻く環境は大きく変化している。設備の高経年化に伴う故障率の上昇、人員不足の深刻化、資材価格の高止まりといった要因により、重大トラブルの発生リスクや保全費用の増大リスクが高まっている(図1)。
こうした環境下においては、従来業務の踏襲から脱却し、中長期の視点で設備のパフォーマンスとコストを最適化する、精度の高い戦略・計画の策定と実行が不可欠である。すなわち、“高度な設備管理”への転換が求められている。
一方で、プラントの設備管理は、経営層、本社、工場マネジメント、現場作業員といった複数階層に加え、製造・保全・技術などの多様な組織が関与する複雑なプロセスであるため、全体像を把握しづらい。その結果、「全体最適に向けて何を目指すべきか分からない」、「課題が多岐にわたり、どこに注力すべきか判断できない」といった課題が生じやすく、業務単位・組織単位での個別最適に陥りやすい構造となっている。
そこで本稿では、アビームコンサルティングの支援実績に基づき、プラントの設備管理高度化に向けた要諦を実践的に解説する。