中小事業者の“今”を評価する、新しい銀行のかたち
私たちは、池田泉州ホールディングス(以下、池田泉州HD)傘下の「01銀行」立ち上げプロジェクトに携わりました。01銀行は、国内初の事業者向けデジタルバンクで、データを活用した新たな融資モデルを展開する中小事業者向け融資に特化した銀行です。アビームコンサルティング(以下、アビーム)は構想の初期段階から開業まで支援させていただきました。池田泉州HDとは過去の銀行合併・統合支援などを通じて長年のお付き合いがあり、その信頼関係のもと本プロジェクトのご支援が始まりました。
私が参画したのは構想策定を終えたフェーズからです。新銀行立ち上げという挑戦に、大きな期待を抱いていました。
従来の銀行融資では、過去の財務データを重視した審査が一般的です。一方で、中小事業者からは、「過去の実績だけでなく、現在の事業活動や将来性を評価してほしい」という声が多く聞かれていました。
こうしたニーズに応えるため、従来とは異なる事業性評価を実施しているのが、デジタルバンクの01銀行です。
そうですね。01銀行では、決算書などの財務データを必要とせず、SaaS等のクラウド事業者(プラットフォーマーと定義)と連携し、共有されたデータを融資審査に活用しています。例えば、応援購入サービス「Makuake」における応援購入金額やサポーター数、ポジティブ・ネガティブコメントの内容といった「非財務データ」も融資審査に組み込んでいます。「今、どう評価されているか」という“生きたデータ”を反映できる点が、画期的だと考えています。
プラットフォーマーごとに審査に有効なデータを見極め、非財務データも含めた多面的な事業性評価を実現している点が、新たな挑戦でした。
過去の実績だけではなく、現在のビジネス活動の実態をもとに審査してほしいと考える中小事業者に対し、銀行貸出における新しいビジネスモデルの先駆けとなったと考えています。