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企業の成長戦略をインオーガニック、オーガニック両方の視点から支援する、財務戦略・構造改革戦略 ユニット。不連続な環境に対応した戦略立案や、組織再編を含む事業構造改革の企画・伴走支援など、企業の根幹に関わる変革を支援しています。
鈴木さんと若林さんが携わる、地域インフラを支える大手電力会社における人事部の組織変革プロジェクトを通じた変革・共創・成長について話します。
若林
財務戦略・構造改革 戦略ユニット シニアコンサルタント
2025年 キャリア入社
鈴木
財務戦略・構造改革 戦略ユニット マネージャー
2014年 新卒入社
私たちは、大手電力会社の人事部の組織変革を支援するプロジェクトに携わっています。クライアントは、地域成長に伴う需要増や新たな経営ビジョンの策定を背景に、大きな変革期を迎えていました。
企業価値向上への取り組みとして人的資本経営の重要性が増す中、人事部の役割も従来のオペレーショナル(定型業務)なものから、「企業価値を上げる人材関連施策の企画立案と推進」への転換が急務となっていました。
そこでまずは、人事部のあるべき姿や提供価値を言語化し、戦略と現場をつなぐ「共通言語」を作ることから始めました。理想と現状のギャップを埋める施策を検討する場となるテーマごとの分科会を設け、私はプロジェクトマネージャーとして、支援全体の推進と合意形成を担いました。
私は複数の支援テーマのうち、一部のテーマのリードを担当しています。担当するテーマの分科会において、会議の設計や資料作成、進行を担いながら、参加者である現場の方々の声も吸い上げ、本質的な課題を引き出す役割を担っています。
クライアントは指揮系統が明確で、上層部の判断を尊重しつつ着実に実行していく文化が培われていました。しかし、本当に組織が変わっていくためには、今の組織にとって何が必要か、どうするべきなのかをクライアント企業の一人ひとりが自ら考え、自ら変化を生んでいくことが必要です。
そこで分科会では、クライアントの各担当者にリーダーの役割を担っていただきました。チーム横断で人事部のメンバー層の方にも参画いただき、分科会全体を巻き込んだ議論・意思決定を行える仕組みづくりを行いました。
私が担当しているテーマの一つでは、社内の人材流動性を高めるため、配置・異動にまつわる権限を集約した新組織の立ち上げに向けた検討を行いました。この分科会の参加メンバーの中には、普段異動や配置の業務に携わっている方々に加え、通常業務では全く別領域を担当している人も含まれています。領域を問わず、人事部から横断的に参加いただいたことで、新組織立ち上げにまつわる議論が複眼的にできました。
ここで重要なのは、新組織を作ること自体ではなく、クライアントのメンバー同士が本音で議論しながら、自らの手で組織を立ち上げる過程を経験した点です。議論を通じて、推進するリーダーが自らの手で実現していく責任感を持ち、徐々に変革後のあるべき姿を描き語れるようになりました。この「自ら考え、周囲を巻き込む」というプロセスこそが、現場に自走の動きを生み出します。変革を実現する上で不可欠であった文化・マインドの変化が形になった瞬間だと感じています。
コンサルタントとしてクライアントに伴走する際、私が最も意識していることは「現場で支援するメリットを最大限に活かす」というスタンスです。
プロジェクトを進めていると、クライアントの内情によっては判断や選択肢が変わる、という場面が多々発生します。クライアント側のプロジェクト担当者を通して確認することも手段の一つではありますが、私は可能な限り、その内情にもっとも詳しい方から直接お話を伺うよう心がけています。解像度の高い情報が得られることはもちろん、先方のプロジェクト担当者でも知らないような発見が得られることもあり、プロジェクトのスピード感や精度を最大限引き上げることができるからです。
このようなアプローチができるのは、現場での支援に重きを置くアビームコンサルティング(以下、アビーム)ならではの良さだと考えています。
若林さんのようなスタンスに加え、「クライアントの熱量に、プロとして誠意で応える」ことも大切です。クライアントの持つ「この会社をより良くしたい」という想いを共通認識として、幾度も議論を重ねました。
クライアントの熱意に対し、私たちが想定範囲内のアウトプットで応えていては本当の信頼関係は築けません。最後の最後まで「もっと良くできないか」を問い続ける姿勢こそが、第三者である私たちが取組みに参加させていただくうえでの誠意だと考えています。
本当にそうですね。クライアント以上に考え理解してアウトプットを出す。こうした積み重ねが信頼につながるのだと実感しました。
また、クライアントが何を大切にしているのかをきちんと捉えることも忘れてはなりません。それはロジックだけを考えると変革を実現するために優先度を下げなければならないことかもしれません。それでも相手の想いを理解し、寄り添い、尊重し、そのクライアントならではの変革にどう活かすのかを考え抜くことが変革のパートナーとしてあるべき姿だと考えます。
コンサルタントが正解を提示するのではなく、クライアントの中にある想いを信じ、それを実現するための道筋を共に創る。これこそが、私たちが目指す「共創」の形です。この信頼関係を築けたからこそ、難易度の高い変革も推進できたのだと考えています。
私たちが目指してきたクライアントの自走が、最も象徴的な形で表れた場面が、プロジェクトの一つの区切りとなる報告会でした。各分科会のリーダーが自らの言葉で、部門全体に向けて成果を発表しました。
クライアントが自信を持って変革を語れる状態を作る。それこそが、私たちコンサルタントの介在価値です。私たちのサポートによってクライアントの担当者が成果を出し、取り組みが社内で高く評価される。その結果として、アビームのメンバーが「また、あなたに相談したい」と深く信頼される。この連鎖を生み出すことにこそ、大きな意味があります。
この視点は、私の仕事観を大きく変えました。以前は自分が正解を導くことが価値だと思っていましたが、プロジェクトの主役はクライアントです。
単に課題を解決するだけでなく、アビームが関わること自体が何かしらの刺激となり、プロセスそのものがクライアントの経験資産となるよう、業務マニュアルの作成や個人単位まで落とし込んだ作業計画の設計など、可能な限り現場に入り込んだ支援をします。こうして、「変革が定着するフェーズ」に至るまでクライアントに寄り添うことこそが、真の実行支援だと考えています。
コンサルティングという仕事は、商品を持たないからこそ、検討の結果やアウトプット、携わるコンサルタントそのものがクライアントにとっての価値となります。今後は専門領域を持ち、その分野でより高度なご支援ができるよう知見を深めていきたいです。また、社内外を問わず、一緒に何かを作り上げていくために周囲を巻き込めるコンサルタントを目指していきます。
今回のプロジェクトで痛感したのは、一人でできることには限界がある一方で、チームで動いたときのインパクトの大きさです。自分の周りの数人が能動的に動けるようになれば、その人たちがまた別の人たちに影響を与えていく。「自ら変革を起こせる人」の輪を広げていくことが、結果として組織や社会を動かす大きな力になると実感しています。
私は、領域に特化せず、クライアントの「本当にやりたいこと」や「ありたい姿」を複数の道から支援していきたいと考えています。
目の前の課題解決だけでなく、その先の未来まで見据えてコミットする。アビームのReal Partner®という理念は、私たちが日々実践していることそのものです。クライアントや社会の変革を一時的な成功で終わらせず、中長期で成果を出し未来につなげていくと共に、誠実さをこれからも大切にしていきたいと思っています。