キャリア採用
障がい者採用
企業の持続的成長と競争優位の確立を「人」の側面から支援する、人的資本経営 戦略ユニット。経営戦略と人事戦略を連動させ、非財務資本である「人」の価値を最大化するために、構想策定から仕組みの構築、データ活用による可視化、そして現場への定着までを一気通貫で伴走します。
豊島さんと田中さんが携わる、大手メーカーにおける人材ポートフォリオの策定支援プロジェクトを通じた変革・共創・成長について話します。
田中
人的資本経営 戦略ユニット コンサルタント
2024年 新卒入社
豊島
人的資本経営 戦略ユニット マネージャー
2023年 キャリア入社
私たちは、大手メーカーにおける「人材ポートフォリオの構築」を支援しています。人材ポートフォリオとは、企業が抱える人材を人数(量)だけではなく、社員一人ひとりが持つスキルや経験(質)の観点からも可視化し、経営・事業戦略の変化に合わせて必要な人材を充足させるための仕組みのことです。
クライアントは、労働人口の減少が確実視されるなか、企業としての提供価値を維持・向上していくために、社員一人ひとりの生産性を高めるとともに、社内リソースを最大限に活かした最適な人材配置を実現したいと考えていました。その実現に向けて、まずは社内のどの部門にどのようなスキルを持つ人材がいるのかを可視化し、現状の人材課題を把握することが求められていました。しかし、数万人規模の企業において、個人のスキルの質やポテンシャルを細部まで把握することは容易ではありません。
そこで、アビームコンサルティング(以下、アビーム)にお声がけいただき、社員のスキルや行動特性をデータ化し、①人材課題の可視化(AsIs人材ポートフォリオ)と②あるべき姿の実現(ToBe人材ポートフォリオ)に向けたプロジェクトがスタートしました。私はプロジェクトマネージャーとして人材ポートフォリオの構築、そしてその先にある「経営戦略を実現する人材の充足」を見据えた全体設計・推進を担っています。
そうして豊島さんを中心に構想したプロジェクトの戦略を、組織全体のスキルとロールとして定義していくことが私の役割です。プロジェクトが円滑に進むよう議事録作成やタスク管理を行ったり、膨大なデータの整理や定義をすり合わせたりと幅広く担当しました。
本プロジェクトで挑んだ「変革」の第一歩は、現在の企業で抱える人材の質と量を可視化した「AsIs人材ポートフォリオ」をつくり上げることでした。これまでは、社員に関する情報や課題感が各部門の管理職の頭に“何となく認識している状態”で留まっており、いわば言語化されていない情報(暗黙知)として扱われていました。
そこで、その“何となくの課題感”をデータとして見える形にし、人事部門や経営層も現場と同じ目線で判断できる共通情報に整理しました。これにより、経営戦略に基づいた戦略的な人材配置へ踏み出す大きな一歩になると考えました。
人材ポートフォリオは新しい概念であるため、立場や視点の異なる関係者全員に理解を広げていくには一定の工夫が必要です。
そこで、経営層には「全社的な戦力の把握」を、現場には「適切な人材配置や育成へ活用をすることが各チームをどのように強くするのか」を訴求し、人材ポートフォリオの構築がそれぞれの業務にどう役立つのか、そのメリットを丁寧にお伝えしました。田中さんも経営層と現場、双方の意見をしっかりと聞きながら進めてくれていましたよね。具体的に、どのようなことを意識していましたか?
そうですね。例えば、製品ごとに細分化されたスキルを重視する技術部門と、汎用的なスキルを重視する管理部門では「スキル定義の粒度」が異なります。
私たちはヒアリングを通して「どのような粒度で定義すれば、現場で求められるスキルを正しく評価でき、全社規模でも比較できるものになるか」を各部門と整理することで、現場の方々が納得できる着地点を探りました。地道な対話の積み重ねが、組織をつなぐ共通の情報の土台になったと感じています。
こうして人材ポートフォリオが構築されたことで、これまで見えていなかった人材の実態が統一された基準で可視化され、経営層と現場をつなぐ「共通言語」として明確になりました。全社への拡大、定着に向けては時間がかかりますが、私たちが作った仕組みが日常業務に定着すると、人材戦略や育成、配置についてデータに基づいた建設的な議論ができるようになり、必要な組織に活躍できる人材が配置されるようになります。これは経営者目線だけではなく、従業員にとっても大きなメリットになると考えています。
コンサルタントの仕事は、単に「考え方のフレームワーク」や「論理的に正しいと考えられる解決策」を提示することではありません。私が常に意識していることは、クライアントの「納得」を最優先にすることです。どんなに優れた戦略も、現場の業務実態に馴染まなければ形骸化してしまいます。だからこそ、「あるべき論」だけを提示するのではなく、クライアントの事情に誠実に向き合い、全員が納得いくまで議論を尽くすこと。それがコンサルティングにおいて重要だと考えています。
今回のプロジェクトでも、「理想はこうだが、現状ではこのステップを踏むべき」と、時にはセオリーと異なる提案も行いました。そうして練り上げた計画が、クライアントに受け入れられたとき、初めて「外部の支援者」ではなく「クライアントの一員」になれた感覚を持ちました。
私は「相手の期待を先読みする」ことを徹底しました。例えば、議事録やタスク管理といった基礎的な業務であっても、単なる「作業」としてこなすことはありません。多忙な経営層が意思決定するための資料であれば、結論を先に示し、判断に必要な情報を網羅した内容にするよう、常に読み手を意識し、相手が次に動きやすい情報を提供することを心がけました。
特にこの姿勢の重要性を実感したのは、システムの初回稼働に向け、全社的なスキル定義を期限内に完遂しなければならなかったときです。作業の過程で担当者様から私に直接お電話をいただけるようになり、指示を待つのではなく、共に悩み考える存在として認めてもらえるようになりました。パートナーとしての信頼は、こうした日々の思考と行動の積み重ねでしか築けないのだと実感しました。
クライアントからパートナーとして信頼されるにつれ、私はプロフェッショナルとして求められる「成果」の重みを痛感しました。プロジェクトの現場で求められるのは単に体裁が整った資料ではなく、「そのアウトプットが、本当にクライアントの課題を解決しているか」という本質的な価値です。
クライアントがそのロジックに基づいて動けるのか、といった観点も含め、高い要求水準の中で思考を止めずに考え抜く「思考の深さ」こそがコンサルタントの武器であり、その基準を自分の中に持てたことが、今回のプロジェクトを通じて得られた大きな成長でした。
コンサルタントの成長において重要なのは、他者に依存せず、自分で考え決断する機会を持つことだと考えています。田中さんが短期間で成長したのは、彼女自身が「言われたこと以上の価値」を出そうと、主体的に動いたからだと思います。
今後も、戦略策定から実行までを一気通貫で支援できるコンサルタントであり続けたいと思っています。戦略や仕組みは作るだけでは意味がありません。作ったものが現場に定着し、成果を生んで初めて価値のあるものになります。だからこそ、人事戦略を策定し、人材ポートフォリオを構築することはあくまでスタートライン。その先にある「仕組みの定着」や「成果創出」まで責任を持って伴走し、持続的な成長サイクルを完成させることがコンサルタントの価値だと考えています。
アビームの総合力を活かし、こうした机上の空論ではない確かな成果を社会に残していきます。
私は、クライアントの事業や想いを誰よりも深く理解できるコンサルタントになりたいと考えています。クライアントと深く関わることで組織を内側から見ることができ、コンサルタントの提案が現場でどう受け止められるのか、そのリアリティを肌で感じることができます。この経験を糧に、表面的な課題解決ではなく、クライアントの悩みの本質に寄り添える存在へと成長していきます。
アビームは個人の挑戦をチーム全体で支える会社です。先輩たちが「まずはやってみよう、後ろで支えるから」と背中を押してくれるからこそ、若手でも挑戦できるのだと感じます。このようなアビームの共創文化が、一人ひとりの成長を支えています。