オンチェーン金融 事業企画・推進支援サービス

ソリューション

オンチェーン金融を、実証から事業化へ ― ステーブルコイン・トークン化預金・セキュリティトークン・デジタル証明(DID/VC)で次世代の金融インフラを実現

背景

オンチェーン金融の実装に向けて、金融機関は何をすべきか

ブロックチェーン技術を基盤とする金融サービスのオンチェーン化は、実験段階を終え、資本市場の中核インフラを担う段階へと移行しつつあります。米国ではステーブルコインに関する包括的な連邦法が成立し、欧州ではMiCA規制が全面施行されるなど、主要国・地域での法規制の整備が急速に進んでいます。日本においても、改正資金決済法によるステーブルコインの法的定義の明確化、セキュリティトークンの二次流通市場の稼働、さらにはメガバンクによる信託型ステーブルコインの共同実証など、官民を挙げた取り組みが加速しています。加えて、銀行預金そのものをブロックチェーン上で取引可能にするトークン化預金の取組みも広がりを見せており、既存の金融機能をオンチェーンへ拡張する動きは、もはや一部の先進的な取組みにとどまりません。
一方、金融機関からは、「PoCの次のステップをどう進めるべきか判断がつかない」、「ユースケースの収益性をどう見立て、経営層に説明すればよいか」、「国内外の規制動向を踏まえた最適なスキームが分からない」といった、より踏み込んだご相談をいただく機会が多くなっています。アビームコンサルティングでは、オンチェーン金融 事業企画・推進支援サービスを提供しています。ステーブルコイン、トークン化預金、セキュリティトークン、分散型ID・デジタル証明(DID/VC ※1)等のブロックチェーン関連技術を起点に、戦略策定からサービス実装までを一貫して支援しています。

※1 DID (Decentralized Identifiers) 分散型ID、VC (Verifiable Credentials) 検証可能な資格情報

広がるオンチェーン金融の事例

金融サービスのオンチェーン化は、構想・実証の段階から、商用サービスとしての実装段階へ移行しつつあります。以下に示すように、セキュリティトークン、ノンファンジブルトークン(NFT)、ステーブルコイン、トークン化預金、DID/VCといった各技術領域で、法規制の整備と事業化の動きが相互に加速する好循環が生まれています。

オンチェーン金融の利活用イメージ

デジタル通貨を用いたリアルタイム国際送金【通貨】

デジタル通貨には、法定通貨を裏付けとしてブロックチェーン上で発行されるステーブルコインや、銀行預金をデジタル化したトークン化預金などがあり、具体的な活用事例の一つとして国際送金への利用が期待されています。現在、国際送金は複数の中継銀行やSWIFTネットワークを介して行われています。例えば、アジアから米ドルを送金する場合、米国の銀行を中継銀行として決済が行われます。この場合、米国の営業時間にならないと決済が進まないうえ、各銀行間での事務手続きが重なるため、着金までに時間がかかるという課題があります。デジタル通貨を活用すれば、米国の営業時間に依存せずに即時に決済を完了でき、24時間365日リアルタイムでの送金が可能となります。これにより、企業顧客は送金リードタイムの大幅な短縮と資金拘束の軽減を通じて運転資金を効率化できます。また、銀行にとっても、顧客への付加価値の高いグローバル決済サービスを提供することで競争力の強化が見込まれます。

不動産セキュリティトークンを用いた不動産投資のデジタル化とNFTを活用した投資家エンゲージメントの向上【資産/権利】

セキュリティトークンは、株式・債券・不動産などの金融商品をブロックチェーン上でトークン化し、発行・管理・取引を可能とするデジタル証券です。小口化が容易なため、従来は投資機会が限られていた資産へのアクセス拡大や、新たな投資商品の組成が可能となります。不動産セキュリティトークンでは、不動産の収益や持分をデジタル証券として発行し、透明性の高い情報開示と効率的な投資家管理を実現できます。
さらに、投資家向け特典としてNFTを活用することで、関係性を深めることが可能です。NFTは、ブロックチェーン上で唯一性や真正性を証明できるデジタルデータであり、デジタル会員証やチケット等の権利管理に適しています。対象不動産に関連する宿泊券やイベントチケット等をNFTで配布することで、単なる「金融商品の保有」にとどまらない独自の「体験価値」を投資家に提供でき、満足度の向上や長期的なファン化(ロイヤルティの向上)につなげることが可能です。金融機関にとっては、こうしたスキームの提供は大きな強みとなります。商品の組成や販売、管理を通じた新たな収益機会の創出に加え、セキュリティトークンやNFTによる魅力的な投資体験をフックとすることで、個人投資家とのより強固で長期的な顧客接点を築くことが期待されます。

地域通貨による地域活性化の取り組み【通貨】

地域通貨は、地域内での消費を促進し、地域活性化を実現する有効な手段の一つです。スマートコントラクト技術を導入することで、地域通貨の利用用途や利用可能な店舗を柔軟に制御できます。
例えば、自治体が地域活性化施策として地域商品券を発行する際に地域通貨を活用することで、利用店舗を地元商店街に限定でき、地域内消費を喚起するとともに、地産地消を通じた持続的な地域経済の循環を促進できます。また、子育て支援施策として給付金を配布する場合においても、マタニティ用品やベビー用品を取り扱う店舗に利用先を限定することで、施策目的に沿った利用を促せます。
さらに、利用者の決済データはブロックチェーン上に記録されるため、施策の実施状況や効果を「見える化」できる点も大きなメリットです。金融機関と自治体が協業して地域通貨を発行することで、経済的・社会的価値の循環を通じた、より実効性の高い地域活性化が期待されます。

課題

オンチェーン金融の事業企画が難しい理由

オンチェーン金融は新たな事業機会をもたらす一方で、金融機関にとっては事業企画の難易度が高い領域でもあります。その背景にある代表的なものを以下に整理します。

  1. 収益機会の不確実性と、参入タイミングの見極め
    法規制の整備や事業化に向けた動きが進む一方で、オンチェーン金融がどの市場・ユースケースで収益機会として立ち上がるかは、依然として不確実性が高い。市場が想定通りに形成されず、先行投資を十分に回収できないリスクがある。一方で、確立された成功事例を待ってから参入した場合、顧客接点や有力なパートナーを競合に押さえられ、参入余地が限定される懸念もある。このように、「早すぎるリスク」と「遅すぎるリスク」の双方を見極めながら、自社にとって最適な参入タイミングを見極めることが求められる。
  2. 個社最適と全体最適のバランス
    オンチェーン金融の事業化では、利用者利便性と普及を高めるために、一定の協調が不可欠となる。例えば、ステーブルコインを自社単独で発行・展開すれば、収益機会や顧客接点を取り込みやすい一方、利用場面や参加者が限られ、利便性は高まりにくい。反対に、業界横断での協調を進めれば、市場形成は進みやすいが、自社固有の差別化や収益化の余地は薄まりやすい。協調を前提としながら、どこで自社の優位性を築くかが問われる。
  3. 規制整備の進展下での、最適スキーム選定
    国内外で法規制の整備が進み、実現可能なスキームの選択肢が広がっている。例えばデジタル通貨一つをとっても、複数の形態があるステーブルコインやトークン化預金のなかから、自社のユースケースに最も適した手段を選定するとともに、規制・技術・事業性の各側面を横断的に見極める必要がある。クロスボーダー展開では、法域間の規制差異への対応も不可欠となる。
  4. 多様な知見の結集と専門人材の採用・育成の難しさ
    オンチェーン金融の事業化には、ビジネス設計に加え、ブロックチェーン関連技術・法規制・自社の業務システムにまたがる多面的な知見と推進力が求められる。しかし、これらを兼ね備えた専門人材は希少で、即戦力人材を採用するのは困難であり、社内育成にも相応の時間と体系的な教育投資が必要となる。

アプローチ

アビームコンサルティングは、金融機関向けに、Web3 を活用した企画・推進支援を提供しています。トークンエコノミーが作る未来のビジョニング工程、ユースケース洗い出しのビジネスコンセプト工程、スキーム作りや実証といったビジネスモデル工程、実装・運営まで行うオペレーション工程を一貫して支援しています。

特長

オンチェーン金融 事業企画・推進支援サービスにおける、アビームコンサルティングの特長は大きく3点あります。

  1. オンチェーン金融に関する豊富な知見と実績を活かし、クライアントのビジネス環境に即した実効性の高いユースケース開発、  収益試算等のビジネスプランをクイックに検討できる点

  2. ブロックチェーン関連技術を活用したソリューションを保有する当社アライアンスパートナーを適宜活用し、ビジネス/リーガル/テクノロジー面で最適な体制構築ができる点

  3. 金融機関各社の現状事務やシステム特性の実情を踏まえて、クライアント伴走型でサービス実現まで支援できる点

  • 特長①
    オンチェーン金融の知見と実績を活用したクイックな初期検討

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  • 特長②
    最適な体制を構築する アライアンスマネジメント

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  • 特長③
    金融機関の業務/システムを踏まえた 伴走型の実現支援

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提供サービス

オンチェーン金融の特徴を踏まえた事業企画を支援し、社会にインパクトを与える価値を提供します。

デジタル通貨(ステーブルコイン/トークン化預金)を活用した施策構想策定・企画支援

企業間国際送金やサプライチェーン決済、自社経済圏活性化に向けたグループ内決済、地域通貨の発行など、デジタル通貨(ステーブルコイン/トークン化預金)を活用した施策について、ステークホルダー全体のインセンティブ設計、重点ユースケースの選定、ビジネス・オペレーション・AML/CFT対応、勘定系システムとの接続などの制度対応・技術面を含む実現性の検証を支援します。

デジタル証券を核とした資金調達・顧客エンゲージメント施策構想策定支援

新たな資金調達手段としてのセキュリティトークンの活用や、投資家のロイヤルティ向上を目的としたNFTの活用など、デジタル証券を核とした事業構想の策定を支援します。対象物件・投資家ターゲットの設定、商品設計、販売・運用スキームの整理に加え、NFT等を活用した特典設計や会員施策の企画を通じて、資金調達と顧客エンゲージメント強化の両立を実現します。

デジタル証明書(Verifiable Credential)を活用したサービス開発・業務効率化支援

自己主権型の新しい認証・証明の形がグローバルで浸透し始めており、既存帳票のデジタル化、本人確認結果の再利用、AIエージェントへの取引委任、生体認証と組み合わせた高度な認証など、幅広い活用が期待されています。本サービスでは、こうしたデジタル証明書の特性を踏まえ、サービス開発・業務効率化の実現に向けて、犯罪収益移転防止法や個人情報保護法を含む制度面への対応検討や各種システムとの連携方法を含む技術面の実現性検証、業務・オペレーション設計までを一貫して支援します。

デジタル通貨による24時間取引態勢に向けた金融犯罪対策(AML/CFT含む)業務構想策定支援

デジタル通貨を前提とした24時間365日の取引・決済体制に向け、AML/CFTのみならず各種金融詐欺含む金融犯罪対策上の主要論点整理から、取引監視、本人確認、制裁対応、疑わしい取引管理等について、既存の金融犯罪態勢における対応・デジタル通貨固有の追加対応の全体をスコープとした、将来業務像策定までを一貫して支援します。

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