MSD企業投資:
プライベート・エクイティファンドの投資先小売企業に対しDX施策を活用したバリューアップ支援を実施

MSD企業投資とアビームコンサルティングの協働により、投資先である小売企業2社に対して同時並行でDX施策を実行し、両社の企業価値向上を実現

MSD企業投資:プライベート・エクイティファンドの投資先小売企業に対しDX施策を活用したバリューアップ支援を実施

Customer Profile

クライント名 MSD企業投資株式会社
所在地    東京都千代田区大手町一丁目9番2号
       大手町フィナンシャルシティ
       グランキューブ19F
設立     2015年9月1日
事業内容   三井物産、三井住友銀行、日本政策
       投資銀行の3社が共同運営している
       投資事業会社として、投資事業組合
       の運営・管理を実施
資本金    4,950万円

プロジェクト概要

クライアントの課題

  • 特定の投資先に対するハンズオン支援として、デジタル技術を活用したDX施策を実行しイグジット(投資回収)までの限られた期間内で早期に個別の投資先の企業価値向上を実現したい
  • DX知見を蓄積し、成功事例の再現性を向上させて他の投資先にも横展開することで、投資先企業群全体の企業価値の底上げを図りたい
  • ファンドとして事業現場の理解に加え、デジタル領域においても投資先の企業価値向上に貢献し、競合優位性を高めたい

ソリューション・知見

  • 投資先に対する共通アプローチとしてクイックなアセスメント・評価を実施。投資先共通の課題と各社固有の課題を抽出・選別・評価の実施
  • 投資先横串の共通的な取り組みとともに、各社の個別経営状況に基づいたDXロードマップおよびDX施策を策定
  • 商社・金融業界と小売業界のインダストリー知見を持った専門コンサルタントがそれぞれ専門知見を融合させ、各投資先の事業現場でDX施策の実行を伴走

成果・効果

  • クイックなアセスメントを実施した結果、DXの変革意欲は高いが知見・リソース不足により実行できない、社内の意識醸成が出来ていない共通課題を把握
  • 各社にスケールしたDXロードマップを策定し、社員への浸透・意識改革を実行
  • 個社別に個別施策を実行、売上向上や在庫の削減など定量的な成果を創出

Featured Points

クライアント課題の難所

汎用的なバリューアップアプローチの確立とスモールウィンの積上げによる投資先の意識変革

プライベート・エクイティ業界では、ファンド出資者を含むステークホルダーからイグジットまでの限られた期間内でファンド投資先の事業成長を達成することが求められており、成長に資する有効な一手として、デジタルを活用かつ各社横串で取り組むことができるDX施策の実行が昨今盛り上がりを見せている。

一方、投資先、特に中堅規模の小売企業なども、業界全体で進んでいるデジタル変革に向けた危機感や変革意欲を持っており、ファンドに対して共に事業成長を目指すパートナーとして自社へのDX支援ニーズが高まっている。
ファンドでは、こうした投資先からのニーズに応えるためにもデジタル技術を活用して投資先価値向上を目指しているが、一社ずつ個別ハンズオンでバリューアップしていくアプローチでは、時間やリソースを浪費してしまう、特定の会社でしか有効でなく横展開できない、ひいてはそもそもデジタル技術の知見に乏しい、といった課題があることから、投資先全体に対して有効な打ち手がタイムリーに取れていない状況にある。プライベート・エクイティファンドでは投資先企業への投資期間が平均3~5年であり、イグジットまでの限られた期間内に効果的な成果を上げる必要があることが更に問題を難しくしている。
同様の課題は、ファンドに限らず例えば総合商社など傘下に多数の事業会社を擁する企業にも見受けられる。

こうした課題に対し、アビームコンサルティングはクライアントであるMSD企業投資と連携し、同社の投資先である小売2社をターゲットに同時並行で両社のDXを進めた。
ファンドおよび投資先の限られたリソースを有効活用するため、両社で共通化できるポイントは共通アプローチを取ることにより時間とリソースの削減を図る一方、固有のテーマに対してはリソースを集中投下して個別のDX施策を実行。スモールウィンすなわち初期段階における小さな成功実績を積上げることで投資先社内でのデータドリブン経営への意識改革を起こし、両社のデジタル変革を推進させた。

汎用的なバリューアップアプローチの確立とスモールウィンの積上げによる投資先の意識変革

 

プロジェクトの重要成功要因

デジタルを主要ドライバーとした方法に頼らず、現実の事業現場の理解に基づいた施策の立案と実行

1.デジタル知見と事業現場知見のリンク

アビームコンサルティングは、デジタル領域に加え、個別業界として小売・金融・商社に関する業界知見を有する。DXを「絵に描いた餅」にすることなく、実際に実行し成果を創出するためには事業現場とのリンクが必要である。 MSD企業投資とこの基本理念が共有できていたからこそ、今回、業界知見を持つコンサルタントが投資先のリアルな事業現場に参画し、施策効果を早期に創出することができた。

2.共通施策と個別施策の目利きによる効率的なプロジェクト推進

プロジェクト推進に関するアビームコンサルティングの知見を活用した汎用的なアプローチにより、アセスメントや各社の概況把握、データの見える化、意識改革など横串の共通施策を最小工数で実施。一方、業界特性や各社の事業理解が必要な個別施策は、業界知見のあるコンサルタントが各社の事業現場にコミットしてテーラーメイドで対応した。これにより、リソースが最適配分され、プロジェクトを必要以上に拡大することなく効率的で小回りの利くプロジェクト推進が実現した。

デジタルを主要ドライバーとした方法に頼らず、現実の事業現場の理解に基づいた施策の立案と実行

クライアントの声

MSD企業投資株式会社
投資部
マネージング・ディレクター
渡邊 理氏
アビームコンサルティングには非常に難易度の高いプロジェクトに参加いただき、大変感謝しております。DX施策を考えるにあたり、デジタルツール・システム導入を前提とするケースが多くあると理解しておりますが、DX実現・成功の鍵は、事業現場に根付く施策の立案と導入後に現場がPDCAを継続していける運用構築であると考えております。単純なツール・システム導入ではなく、現場の意識改革や会社の制度も含めた改善を行う必要があり、現場での実情を把握したうえで現場力に応じた施策立案を行い、場合によっては敢えてシステムの導入は行わずに改革を進めるなどの検討プロセスを個社状況に応じてリードいただいたことが効果的だったと考えております。

 

アビームの貢献

デジタル領域に加え、商社・金融ビジネス知見と小売ビジネス知見を持つ専門コンサルタント同士の複合チームによる支援

投資先によるDXの取り組みを定着させ、継続的かつ投資先各社による自走で企業価値向上を実現していくためには、既述の通り事業現場にフィットした施策の策定と落とし込みに加え、現場の納得感の醸成が必要である。
アビームコンサルティングは、小売ビジネスに関する専門知見を持つ専門コンサルタントが投資先の個社事情に応じたDX施策の個別策定や実行フェーズにおける現場レベルの伴走支援を提供。加えて、商社や金融ビジネスに関する専門知見を持つコンサルタントがファンド(株主)目線でのグループ総合的な横串の企業価値向上に関する事業会社管理レベルの支援を提供。
これら、各投資先の事業現場レベルの視点とファンドによる事業会社運営といった株主視点のトップtoボトムのレベルでDX支援を提供することで、投資先個社にとって個別施策で各種指標が改善することができた。さらに、ファンドにとっても投資先の企業価値向上に貢献するとともに、投資先横串で取り組める企業価値向上に向けた共通的なアプローチ方法を得ることができた。

デジタル領域に加え、商社・金融ビジネス知見と小売ビジネス知見を持つ専門コンサルタント同士の複合チームによる支援

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