Green x Digitalコンソーシアムにて
仮想サプライチェーン上におけるCO₂データ連携に成功

～「Cyanoba」を活用しユーザー企業のCO₂データ算定実務を含めた検証を実施～

　アビームコンサルティング株式会社（以下、アビームコンサルティング）が参画する、Green x Digital コンソーシアム（事務局：一般社団法人電子情報技術産業協会（JEITA））において、サプライチェーンCO₂データ^※1の見える化に向けた検証として、仮想サプライチェーン上でCO₂データ連携を行う実証実験に成功しましたことをお知らせします。
　本実証実験は、2023年1月に成功した異なるソリューション間でのCO₂データ連携の技術的検証である「フェーズ1」に続く「フェーズ2」として位置づけられ、グローバルレベルで業界横断的にCO₂排出量のデータ交換を実現することを視野に入れた、日本で初めての試みです。

　アビームコンサルティングは本実証実験において、ソリューション提供企業としてフェーズ1より株式会社PIDとの共同サービス「Cyanoba（シアノバ）」をもって参画しています。フェーズ1における15社のソリューション間でのCO₂データ連携の実証結果を踏まえ、フェーズ2としてユーザー企業を含めた32社と共にCO₂の実データ取得や算定等を含めた検証に参画しました。
　提供ソリューションである「Cyanoba」は、エネルギー使用量/排出量データをコスト情報と合わせて一元管理する機能を持つGXマネジメントツールです。Green x Digitalコンソーシアムが目指す「デジタル化や新たなビジネスモデルの創出等に係る取り組みを通じた2050年カーボンニュートラルの実現への寄与」に、サプライチェーン間で連携してCO₂排出削減に取り組む企業の削減努力を正確に把握できるという点で貢献が期待できるソリューションです。

■本実証実験の詳細について
「フェーズ2」の本実証実験には、アビームコンサルティングを含む計32社がGreen x Digital コンソーシアムより参画し、CO₂データの算定実務も含めた検証を行いました。具体的には、パソコンを題材として素材・加工材・製品から成る3層の仮想サプライチェーンを構築し参加企業を各層に配置した上で、同コンソーシアムの見える化ワーキンググループ（主査 稲垣 孝一 日本電気株式会社）が策定した「CO₂可視化フレームワーク」に基づくCO₂データの算定と、「データ連携のための技術仕様」^※2に基づくCO₂データのソリューション間連携を実施。素材から製品に至るまでのCO₂データを算定し、異なる企業・異なるソリューション間で受け渡すことで、サプライチェーン上の全ての企業の共通認識のもと、最終製品のCO₂データを算出（見える化）することに成功しました。

　その結果、サプライチェーン上の複数企業群が異なるCO₂データ見える化ソリューションを使用した場合であっても、「共通の方法」と「フォーマット」という共通言語を用いてCO₂データを算定し、複数のソリューションが連携することによりサプライチェーンの上流から下流までCO₂データを受け渡すことが可能であることを実証しました。今回使用した「CO₂可視化フレームワーク」および「データ連携のための技術仕様」が普及することで、ユーザー企業においてはソリューション導入時の選択の幅が広がり、またソリューションを提供する企業においても他社との個別調整が不要となり開発が効率化できるため、サプライチェーンCO₂データの見える化の早期実現に繋がることが期待されます。

■本実証実験（フェーズ2）の最終報告書

■フェーズ2におけるアビームコンサルティングの取り組み
　アビームコンサルティングは仮想サプライチェーン上の素材・加工材におけるCO₂データ算定・連携を担当しました。ユーザー企業に実際に「Cyanoba」を使用いただき、素材・加工材に関するCO₂算定と、それらのデータの複数ソリューションを跨いだ連携が可能であることを実証しました。

　アビームコンサルティングは今後も、今回の取り組みをはじめとした脱炭素分野におけるデータ・デジタルテクノロジーを活用し、企業のGX達成と経営成長の両面での実現支援を通じて、社会課題の解決に向けた取り組みに貢献していきます。

■Green x Digital コンソーシアムについて

■「Cyanoba」について

■アビームコンサルティングのGXサービス