経営理念のコアバリューの一つに「多様な個性の尊重」を掲げ、経営戦略としてWorkstyle Innovationに取り組んでいるアビームコンサルティング。このたびは、プロフェッショナルとして自律し、より自由に、より知的に、より活き活きと働いている3名の現役コンサルタントたちに、アビームが目指す、社員一人ひとりの生活スタイルやライフイベントに合った職場環境づくりの実態について本音を語り合ってもらった。
水落
2003年 新卒入社
金融ビジネスユニット
シニアマネージャー
2016-2017年には、香港に駐在。
産休育休を経て、復職後にシニアマネージャーに昇進。現在は育児と両立しながら、金融業界の業務改革プロジェクトに従事。
大槻
2017年 キャリア入社
金融ビジネスユニット
マネージャー
前職では大手証券会社にて法人営業に従事。
現在は、金融業界における業務改革プロジェクト、MaaS導入プロジェクトなどを手掛ける。
アビームの業務と並行しながら、大学での外部講師としても活動。
雷
2020年 新卒入社
デジタルテクノロジービジネスユニット IESセクター
コンサルタント
大学では農学部獣医学専修に所属し獣医疫学を専攻。
国や自治体の防災に関する広報や普及啓発の戦略策定支援プロジェクトに従事。アビーム在籍中に、獣医師の資格を取得。
本日は、三者三様のあり方で「自分らしい働き方」を実践されている3名のコンサルタントに、モチベーションの源泉や、自分が望むワークスタイルを実現できている理由などについて話を伺っていきたいと思います。アビームコンサルティングでは、社員の多様化する生活スタイルやライフイベントに即した働きやすい職場環境作りに向けて様々なサポート制度が設けられています。一部抜粋してご紹介いたします。
所属する活動先の上位者の承認のもと、働く場所の選択を認める
オンサイト勤務を必要としないアサインを行うことで、リモート率100%の就業を認める
コアタイムなし。一定期間内(毎月1日〜末日の1ヶ月間)の定められた総労働時間内で各労働時間を自主的に決定して働くことを認める
フレックスタイム制度との併用が可能。1日の標準労働時間を最大3時間短縮することを認める
週4日の勤務短縮を認める
社員本人の自発的・積極的なキャリア形成のため、部門異動の意向を重視し認める
目的や業務内容を確認した上で、本業に影響のない範囲で幅広く認める
自己成長を目的とした学業や社会貢献活動において2年間程度の休職を認める
出産・不妊・育児や介護といったライフステージに立つ社員をサポートする制度
ジェンダーを問わず休業取得者を対象とし、復職後のキャリアを自ら考え、その活動を適切にサポートしていくプログラム
社員に合った保育所情報や、保活に向けての動き方などを専門スタッフがアドバイスするサービス
子育てをしている社員全員が子育て全般に有給休暇として活用できる休暇
※有給休暇とは別に、子1人につき1年度6日付与
支援制度が充実しているだけでなく、利用率も高く、女性社員の産休育休取得率は100%、さらに復職率も100%と伺いました。水落さんは現在、仕事と子育てを両立しながらシニアマネージャーとして活躍されているそうですが、何か印象に残っていることがあれば教えてください。
当時、マネージャーとして香港に駐在中、妊娠が発覚したときのことです。もちろん嬉しい気持ちはあったのですが、自ら強く望んで叶えた海外赴任だったのと、プロジェクトに与える影響を心配しました。どんな反応をされるか不安に思いながら上司に報告へ行ったのですが、上司含め周りのメンバーは私の体調を一番に考えてくれました。帰国のタイミングを予定より少し早めていただき、帰国後は、体調を考慮いただいてフレキシブルにスケジュールを調整できるプロジェクトにアサインしていただけたので、辛かったことやストレスを感じることはありませんでした。
水落
妊娠・出産の際に活用された支援制度などはありましたか?
つわりがひどいときに気兼ねなく休むことができる「マタニティ休暇制度」や、育児休暇明けの時短勤務はとても助かりました。また、私自身は利用しませんでしたが、妊娠前の「不妊治療のための短時間勤務」や、保育所の入所を専門のスタッフがアドバイスしてくれる「保活コンシェルジュサービス」など、女性の活躍推進や両立支援のための制度がとてもよく整っている会社だと改めて感じました。ただ何よりも心強かったのは、最初に報告した際の上司の反応を含め、子育てをしている社員を皆でサポートしようという職場全体の雰囲気でした。
水落
アビームでは、男性の育休の取得率も年々増加していて、取得率は37.6%※、これは全国平均のおよそ3倍にあたるそうです。また取得日数も98日※と、男性社員もしっかり育休を取得していることがデータからも見て取れますが、皆でサポートし合う雰囲気が醸成されているという水落さんのお話を聞いて大変納得しました。さて、大槻さんは、副業で大学の講師を務められているそうですね。どのようなきっかけだったのでしょうか? ※2021年4月1日~2022年3月31日実績
大学時代に所属していたゼミの教授から声をかけてもらったのがきっかけです。学生時代は、ラテアートの大会に出ていたこともありコーヒーショップを開業したいと考えているような学生でしたが、その教授のゼミでビジネスコンサルタントという仕事の魅力に触れ、私の職業観は大きく変わりました。このように大学で影響を受けた人間として、自分も若者に何か影響を与えるようなことにぜひ挑戦したいと思ったのが、副業で大学講師になることを決めた理由です。ただ当時、勤めていた証券会社では副業が禁止されていたため、そもそもこのような働き方を実現できたのは、副業が認められているアビームに転職したおかげです。
大槻
とはいえ、コンサルタントと大学講師の両立となると、時間の作り方が大変ではなかったですか?
大学での講義は毎週金曜日の夕方からですが、その日は「フレックスタイム制度」を利用しています。コンサルタントという仕事柄、クライアントに迷惑を掛けないことが大前提ですが、金曜日だけ終業時間を早める分、始業時間も早めるなどの調整をすることで、クライアントにも受け入れていただいています。本当にいろいろな人たちの支えがあって、やりたいことに挑戦させていただいています。
大槻
本当に多様な働き方があるのだと驚きました。そして驚いたといえば、雷さんは、新卒でアビームに入社した後に、国家資格である獣医師免許を取得されたそうですね。
元々、農学部の獣医学専修に在籍し、獣医疫学を専攻していたのですが、学生時代は獣医師になるつもりはなくて受験しませんでした。ただ、アビームに入社したと同時にコロナ禍になり、メディアなどで疫学専門家の先生たちが発言を求められているのを見て、改めて、特定分野に関する知識を身につけて誰かの役に立つということに興味が湧き、獣医師免許を取得したいと思いました。
雷
試験勉強の時間はどのようにして捻出されたのでしょうか。
仕事が終わった後の時間を有効活用していました。受験することを決めた直後に、上司には相談していましたので、試験直前では業務量を調整いただいたのと、自分自身も効率的に業務を行うようにしたり、有給休暇なども活用したりしながら試験勉強に取り組みました。同じように入社後に試験勉強をして臨床心理士資格を取った社員もいましたので、同志がいることで勉強のモチベーションも高まり、獣医師国家試験に合格することができました。
雷
皆さんの話を聞いて、多様な働き方の実現には、支援制度の充実に加え、一人ひとりのタイムマネジメントスキルが重要なことがよくわかりました。では次に、皆さんのような多様な働き方を実践する意義についてもお話を伺っていきたいと思います。水落さんは出産後、シニアマネージャーに昇格されていますが、働き方に何か変化などはありましたでしょうか。
育児休暇が明けて、9時-16時の時短勤務をはじめたばかりの頃は、本当に一日があっという間で、毎日のように業務の効率化について考えていました。子どもが熱を出すなどして保育園からの呼び出しもあるので、急に仕事を抜けることになっても大丈夫なようにタスクを前倒しで進める習慣が身につきました。急な引継ぎが生じた時もできるだけ円滑に行えるよう、日頃からチーム内の情報共有に気を配り始めたことは、仕事と子育ての両立をするようになってから生じた変化だと思います。こうした経験は、自身が管理職となり、子育て中のメンバーを皆でサポートする雰囲気づくりを推進していく上でも大いに役立っていると感じています。
水落
大槻さんは、大学講師の経験が本業で活かされるということはありますか?
私自身もそうだったのでよく分かるのですが、学生の皆さんは、自分に興味がない話をされると、すぐ表情や態度に表れます。そのため大学講師になって以降は、どうすれば興味をひくことができるか、自分事として話に耳を傾けてもらえるかを考え続け、実践してきました。この伝える力が、コンサルティングに活かせていると感じています。
大槻
知らず知らずのうちに、伝える力が磨かれていたわけですね。雷さんは獣医師免許を取得されて変わったことはありますか?
獣医師免許を直接活かせるプロジェクトには今のところ参画できていませんが、獣医疫学を専攻する中で学んだ統計手法などはプロジェクトに役に立っています。またこの一年間で、仕事と勉強を上手く両立させるコツを掴むことができたので、自分の成長に繋がりそうなことや、プロジェクトに活かせそうな資格があれば、またチャレンジしたいと思うようになりました。最近も、行政書士試験の勉強を始めたところです。
雷
また大きなチャレンジをされるのですね!
行政書士は、現在進めているプロジェクトとの親和性が高く、仕事に活かせる資格なので、獣医師資格と同じように、仕事や今後のキャリアに役に立つと考えています。
雷
アビームが掲げる『Business Athlete』として、自律し、より自由に知的に活き活きと働くことを、自らの働き方で体現されてきた皆さんですが、今後の展望についてもお聞きしたいと思います。では水落さんからお願いします。
私は今、お客さまへのコンサルティングとは別に、アビーム社員のワークスタイル変革を推進するSWI(スマートワークイニシアチブ)という組織にも所属していて、大槻さんが活用している副業制度も含め、社員がもっと働きやすくなるための制度や環境の整備に取り組んでいます。一般的にこういった取り組みは人事の領域だと思いますが、アビームでは人事とコンサルタントが一緒になって新しい制度を考えています。自身の経験などを踏まえながら、社員一人ひとりがより自由に、より活き活きと働ける仕組みを作っていきたいと思っています。また個人としては、子どもの受験や学校行事にも積極的に参加するなど、子どもの成長に合わせて、その都度、ギアチェンジできるような働き方を実践していきたいと思っています。
水落
続いて、大槻さんはいかがでしょうか?
今後、注力していきたいのは、自分自身も以前に属していた証券業界の変革です。もちろん変革は簡単なことではありません。従来アビームが提供してきたサービスの枠にとらわれることなく、クライアントとの共創によって新しい何かを創造したいと考えています。それからもう一つの目標は、数年前に自分のゼミの卒業生が、アビームに転職してきたのですが、いつかその教え子と一緒にプロジェクトに携わりたいと思っています。
大槻
最後になりますが、雷さんはどんなキャリアを歩んでいきたいですか?
まずは、せっかく取得した獣医師免許を直接的に活かせる仕事をしたいというのが当面の目標です。公衆衛生や畜産業など、自分が興味を持っている分野で、人や社会の役に立つ仕事ができればと考えています。もちろん行政書士試験にも本気でチャレンジするつもりです。将来は、学業や社会貢献活動のために最大2年間休職できる「自己研鑽休職制度」を活用し、まとまった期間のなかで学業に励み、学位を取得することも検討しています。
雷
皆さんの話を聞いて、本当に多様な働き方があることが分かりました。また、アビームの会社の雰囲気も学生の皆さんに知っていただくことができたのではないかと思います。本日はどうもありがとうございました。