企業のデジタル変革が加速する中、ビジネス価値を最大化し続けるテクノロジー活用には、戦略からシステム実装まで一貫したアプローチが不可欠だ。アビームコンサルティングのデジタルテクノロジービジネスユニットの傘下にあるTechnology Transformationセクターはビジネス戦略の上流工程からテクノロジーを駆使したシステム構築まで、企業の競争優位の源泉となるアーキテクチャ構築をワンストップで支援している。クライアントとの深い協業による変革支援の実態と、若手中心の組織で培う成長機会について、一岡敦也セクター長に話を聞いた。
執行役員 プリンシパル
デジタルテクノロジービジネスユニット長
兼 Technology Transformationセクター長
兼 IT Managementセクター長
一岡 敦也
2000年に大学院を卒業後、大手SIerにて約2年半システムエンジニアとして勤務したのち、2003年アビームコンサルティングにキャリア入社。
ITストラテジー・プランニング、テクノロジーマネジメント、DX推進、アーキテクチャ設計、人材育成等を専門とし、約1,000人が所属する大規模組織の執行役員を担う。
私たち Technology Transformationセクター は、デジタルテクノロジービジネスユニット(以下、デジタルテクノロジーBU)の中で、企業のテクノロジー変革を一気通貫で支援する組織です。システムインテグレーションを軸としながら、企業のビジネス戦略や戦略企画から始まり、サービスに最適なテクノロジーを活用し、企業の競争優位の源泉をコンパクトに構築することをミッションとしています。
デジタルテクノロジーBUは、「テクノロジー・デザイン力」と「ビジネスデザイン力」の融合によって、社会、企業のイノベーションを実現することをミッションに掲げ、5つのセクターで構成されています。私たちは、その中でも特にIT戦略構想からシステム実装、そして持続的な競争優位性を支えるアーキテクチャの構築までを担当しています。
クライアントから寄せられる相談で最も多いのは、企業の競争優位を生み出すビジネス領域を、いかに迅速かつ継続的に進化させられるかという課題です。新たなビジネスを創出したいという相談もあれば、既存ビジネスの高度化まで、多様なニーズがあります。
私たちの支援領域は、「IT・デジタル戦略に基づき、デジタルを活用したビジネス実現、業務プロセスのデジタル化のアーキテクチャの策定、およびシステム構築としています。エンタープライズ領域からコンシューマー領域まで幅広く対応しており、クライアントの変革テーマの本質を見極めた支援が求められます。
特徴的なのは、クライアントから「伴走型体制で共に変革に取り組んでほしい」と依頼されるケースが非常に多いことです。そのためお客様と責任を共有しながら、クライアント企業と一体となった取り組みが必要となります。そのため、お客様からの期待値も高く、プロフェッショナルとして高い価値提供が求められます。
だからこそ、若手メンバーも現場にあえて配置して、実践を通じた成長機会を提供しています。誰もがテクノロジーに精通したコンサルタントとして独り立ちしていくための良い経験を積む機会となっています。
私たちが直面する市場環境は、極めて変化が激しいものです。外部環境では、クライアント各社におけるさらなるデジタル変革の加速、自律的な組織運営の強化、AI活用の加速により、業務の効率化・高度化や新たな価値創出といった変化が生まれています。
一方、私たちに対する期待値としては、業務・テクノロジースキルに加えて、問題解決力や提案力のさらなる強化が求められています。 Technology Transformationセクターは20~30代の若手社員が多い組織ですが、一人ひとりがチャレンジし、成長し、組織・チーム力を向上させるため、環境整備にも取り組んでいます。また、SI領域におけるAI活用も重要なテーマとなっています。
このようなビジネス環境の変化に対応するため、私は「適時適切な戦略・戦術見直しと機動力確保」を重視しています。形式的なルールを過度に作るのではなく、状況に応じ柔軟にオペレーションを変更し、戦略を迅速にアップデートできる柔軟性が求められます。
年間計画や中長期計画など、様々な計画がありますが、一度書いたものを実行するだけでは、これだけ市場が激しく変化している中では限界があります。クライアントのビジネス環境も変わり、私たちのビジネス環境も日々変わる中で、いかに機動力と柔軟性を出せるかが重要です。
私だけがこの意識を強く持っても意味がないため、メンバー全員と組織全体がそのように動けるよう、仕組みづくりと個人のマインドセットの醸成が課題だと考えています。そのため、フラットな組織と文化を大切にし、全員が同じ方向へ走っているという感覚が持てるように心がけています。
競合他社との差別化ポイントについて、直近のプロジェクトでクライアントから評価された点を具体例にご紹介します。
クライアントからいただいた言葉は「圧倒的な実績と確かな方法論が適切に掛け算されている」というものでした。教科書的な方法論を持っているコンサルティングファームは多数ありますが、そこに実績を踏まえて方法論がブラッシュアップされていることが伝わってきたとのことです。さらに、「業務要件定義や具体的な手法への落とし込みにおいても、蓄積された確固たる基盤が高く評価されました。
この提案力の源泉は、基本的には私たちがこれまで携わってきた過去のプロジェクト事例のアセットをクライアントのニーズに合わせて、適切に組み合わせて活用できていることが挙げられます。積極的にチャレンジし、なおかつ私たちのケーパビリティー拡大につながる案件に積極的に取り組んできました。そうした私たちのチャレンジあるプロジェクトに意欲的に取り組んできたことが、現在の信頼につながっています。
私たちの部門の特徴としては、SAP、Non-SAP、エマージングテクノロジーといった包括的なテクノロジー領域において、ビジネス創出からアーキテクチャ策定、実現、保守までをワンストップで提供している点です。また、内製化に合わせたスクラム型支援や、経営戦略・事業戦略と連動したアーキテクチャ策定から実現の依頼が多い中で、戦略事業部とのスムーズな連携により、事業部間でのチームアップにおける柔軟性や迅速性も、私たちの強みです。
Technology Transformationセクター では、プロジェクトベースでの成長機会を重視しており、プロジェクトへのアサインについても、最大限メンバーの「やりたいこと」に沿うような形で行うことを心がけています。加えて、定期的なカウンセリングに加え、メンター役の先輩社員によるキャリア相談が随時行える体制を整えています。
新卒入社のメンバーも、キャリア入社のメンバーも、それぞれ人生やキャリアの転機で覚悟を持って入社してくれているため、入社後も継続的なフォロー体制を取ることで長期的な成長を支援しています。
採用、人材育成において、「伸びしろ」という捉え方を私自身は重視しています。つまりは、即戦力としての実力とポテンシャルの両軸で採用、育成を捉えることが重要だと考えています。それぞれ置かれた環境でキャリアを形成し、頑張ってスキルを身につけていると思いますが、変化が大きいビジネス環境で活躍するコンサルタントとして現在地点からさらにどれだけの成長曲線を描けるかが肝心でしょう。
Technology Transformationセクター でメンバーが得られる機会・経験・スキルとしては、テクノロジーの専門的な知見をコアとして、戦略、企画領域から実現、継続的な改善までの確かなコンサルテーションによる総合力の強化が挙げられます。ITのライフサイクル全ての領域や様々なテクノロジーに関わることができるセクターであり、多様な技術領域を網羅し、かつ様々なバックグラウンドを持つ社員が集まる組織です。
重要なのは、会社、組織・チーム、そしてメンバーがマーケットで価値あるコンサルタントになることです。そのためには、最新テクノロジーを継続的にキャッチアップする姿勢と、既存技術も含めたクライアント特性に合わせた最適なアーキテクチャ策定力や実現力を持つことが求められます。
だからこそ、最新・最適なテクノロジー知見を常に吸収し、クライアントのビジネス変革・改革のデザインから実現まで貢献できる方を求めています。さらには、自ら考え行動でき、チャレンジを楽しめる方は、入社後も活躍できると考えています。
企業変革や業務改革、新規サービスの実現を通じて、テクノロジーを探求し、そのテクノロジーを社会や企業に実装する挑戦を楽しめる方と一緒に働きたいと考えています。私は「人馬一体」と表現しますが、テクノロジーとは人とデジタルの融合です。この融合を実現し、クライアントと共に持続的な競争優位を創造し続ける。それが私たちの使命です。