デジタル変革の加速により、企業のIT部門への役割と期待が大きく変化している。アビームコンサルティングのデジタルテクノロジービジネスユニット傘下のIT Managementセクターは、従来の社内インフラ運用・保守中心の機能から、CTOと事業戦略を推進するビジネスパートナーへ進化し、クライアントのIT部門機能強化を推進している。デジタルテクノロジービジネスユニットも率いながら、同セクターもリードする一岡敦也セクター長に、IT部門を取り巻く環境変化と、アビームコンサルティングならではの価値提供について聞いた。
執行役員 プリンシパル
デジタルテクノロジービジネスユニット長
兼 IT Managementセクター長
兼 Technology Transformationセクター長
一岡 敦也
2000年に大学院を卒業後、大手SIerにて約2年半システムエンジニアとして勤務したのち、2003年アビームコンサルティングにキャリア入社。
ITストラテジー・プランニング、テクノロジーマネジメント、DX推進、アーキテクチャ設計、人材育成等を専門とし、約1,000人が所属する大規模組織の執行役員を担う。
IT Managementセクター は230名の専門人材を擁し、約3分の2のメンバーがキャリア入社者です。多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まり、組織文化を形成しています。
私たちのミッションは、ITコンサルティング領域における各企業のIT部門機能強化です。「IT戦略・企画」「ITガバナンス」「IT組織・人材改革」「PM/PMO支援」といった体系的なオファリングを通じて、業種を問わず多くの大企業のIT部門変革を支援してきた豊富な実績があります。
私たちが対象とするクライアントが抱えている課題の中でも顕著なのが、IT部門やデジタル部門における「進化の二極化」が進んでいるということです。既に自社機能を強化し、IT戦略策定から実行まで自走する力を備えている企業もあれば、人手不足の影響もあり、「IT戦略やロードマップの策定段階から支援を求める」企業も「IT戦略やロードマップ策定について相談したい」という企業も存在します。私たちは、それぞれのクライアントのステージ、また抱える様々な課題解決の伴走支援を行っています。
クライアントの置かれている環境変化に伴い、私たちコンサルタントにとっても、継続的なスキル向上が欠かせません。従来のコンサルティングでは、論点整理とロジカルな提案作成がコアスキルでしたが、現在では、それだけではクライアントの期待に応えることができません。
まず求められるのは、デジタル技術に関する深い知見です。クライアント側も高度なデジタル人材を擁し、内製化に取り組んでいますが、課題がますます複雑化する中で、自力だけでの解決には限界が生じています。我々は、常に最新技術を学び、クライアント以上に知識を深めクライアントが気づいていない課題や解決策を複数提示できることが、IT部門の変革を支援する上で最も重要です。
また、AI技術の普及に伴い、プロジェクトマネジメントのあり方にも変化が生じています。AI活用が進む中で、AI同士の連携や対話を客観的に評価・管理する新たな能力も必要になってきています。
この変化に対応するため、私たちは従来型のトレーニングとデジタル時代のスキル習得を組み合わせたハイブリッド型の育成プログラムを実施しています。
プロジェクト経験と育成プログラムを通して、デジタル時代においても確実にクライアントのIT部門変革を伴走できる人材育成に取り組んでいます。
多くの案件においてIT Managementセクターがクライアントの最初の接点となり、プロジェクトの進展に応じて他セクターへつなげる流れが見られます。この初期接点としての役割を担うからこそ、クライアントの課題を包括的に理解し、最適なソリューションを提供する起点となる必要があります。
クライアントのニーズを正確に把握し、私たちのサービス強化につなげることは極めて重要です。例えば、「ITコスト削減」というニーズは以前から根強く存在していますが、その背景にある課題はクライアントごとに異なり、また、時代とともに変化しています。単に「コストを削減したい」という表面的なニーズではなく、なぜそのニーズが生まれているのか、どのような経営環境の変化が影響しているのかまで、深く入り込み、想像し、理解することが欠かせません。
これらのトレンドは、クライアントから直接語られることはなく、クライアントの言葉の背景に隠れていることも少なくありません。各メンバーが担当するクライアントがマーケット全体の中でどのような位置にあるかを常に認識し、本質的な課題を理解し、我々コンサルタントとして求められるスキルや視点を継続的に磨き上げる姿勢が、結果的に成果や信頼にもつながります。こうした積み重ねが、私たちのオファリング強化と差別化にもつながっています。
また、組織運営においては「適時適切な戦略・戦術見直しによる機動力確保」を重視しています。マーケット環境が急速に変化する中で、一度策定した計画をただ実行するだけではクライアントの要望すべてに応えることはできません。クライアントのビジネス環境の変化に合わせて、私たちも柔軟に戦略を柔軟に見直せる組織体制を整えておく必要があります。
デジタルテクノロジービジネスユニットには、IT Managementセクターを含む5つのセクターがあり、多様化するクライアントのニーズに対してセクターを横断してチームを組むことができます。例えば、AI特化のケイパビリティが必要であれば該当セクターの専門人材と連携し、最適なチームを編成してプロジェクトに取り組むことが可能です。このような多様な専門性が求められるプロジェクトにおいて、組織、部門の壁を越えた迅速、かつ柔軟なチーム編成は当社の武器の一つと考えています。IT Managementセクター では、IT部門が抱える幅広い領域に関わることで、コンサルタントとしての大きな成長が期待できます。クライアントと長期的なパートナーシップ型支援、経営視点でのIT戦略立案や実行支援、プロジェクトマネジメントの実践経験、組織・人材・ガバナンスなど多様なテーマへの関与など、多様な経験を積むことができる環境があります。
また、私たちは、会社全体、組織・チーム、そして一人ひとりのメンバーが、変化の激しいマーケットにおいて本質的な価値を提供できるコンサルタントであり続けることを目指しています。
これからIT Managementセクターの仲間になっていただく皆さんには、企業のデジタル変革という社会的意義の大きな領域で、クライアントと共に新しい価値を創造していただきたいと思います。