YKKインド社(YKK INDIA PRIVATE LIMITED):
生産性・品質向上に向けたスマートファクトリーのPoC(実証実験)

生産データ収集システムを構築し、現場巻き込み型且つデータドリブンに生産品質分析を行うアプローチを確立し、生産現場におけるDX推進の風土を醸成した

YKKインド社 (YKK INDIA PRIVATE LIMITED): 生産性・品質向上に向けたスマートファクトリーのPoC(実証実験)

Customer Profile

クライント名 YKKインド社
       (YKK INDIA PRIVATE LIMITED)
所在地    Global Business Park, 3rd Floor,
       Tower-A, Mehrauli Gurugram
       Road, Gurugram
       122002 (Haryana), India
設立     1995年9月
事業内容   ファスニング製品の製造・販売
資本金    非公開

プロジェクト概要

クライアントの課題

  • 生産工程の歩留まり向上策が現場の人間の経験に基づいてなされており、改善が進まない
  • 歩留まり改善の分析に必要なデータが収集されていない
  • 生産条件を見直し検証するアプローチ手法が確立されていない

ソリューション・知見

  • スマートファクトリー実現のためのアプローチ手法
  • 品質に関連する操業情報を定義し、データとして収集できるセンサーの選定・設置支援
  • アルゴリズムを用いた分析による多面的な分析

成果・効果

  • データ分析結果から品質の改善が見られる生産条件の発掘
  • データドリブンに分析できる仕組みの構築
  • 現場を熟知しているナショナルスタッフ中心となるように巻き込み、社内DX改善に向けた意識改革の芽生え

クライアント課題の難所

課題特定とスマートファクトリー実現に向けたアプローチ共通認識の擦り合わせ

YKKインド社の製造工程では、品質に関する複雑な因果関係が存在し、さらにその因果関係に影響を与えるさまざまなパラメーターが存在していた。加えて、これらのパラメーターの数が多く、品質に対する製造データの蓄積が不十分であったため、原因の特定が困難であった。そのため、製品の歩留まりに課題があり、良品率向上が進まなかった。
また、日々の生産品目も多い中、可変量で受注生産するために毎回製造条件が変わり、勘・コツだけでは品質をコントロールすることが困難である課題も同時に抱えていた。
これら2つの課題に対するゴールを両社共通認識とし、そのゴールに至る道筋を示した上でプロジェクトをスタートした。
 

スマートファクトリー実現に向けたアプローチの擦り合わせ

課題特定とスマートファクトリー実現に向けたアプローチ共通認識の擦り合わせ

 

プロジェクトの重要成功要因

歩留まり改善に必要なデータの整理と収集

歩留まり改善に向けては、データの整理及び分析のためのデータ収集が不可欠であった。そこで、まずはYKKインド社からこれまでの経験やノウハウ、仮説をヒアリングの上、品質に関する課題を再整理した。その上で歩留まりに影響する可能性のあるデータを特定するための絞りこみ作業を実施した。
これまでは要因特定のためのデータの蓄積が不十分であったため、以下のデータカテゴリに分類し、YKKインド社に伴走しながら各データの定義・収集方法を確定し、分析工程に向けたデータ収集を網羅的に実行した。
①生産設備から得られるデータの選別
②必要な新規センサーのデータの選別
③生産実績データの選別
また、各タスクを実行する上でYKKインド社の組織体制を組む際、現場を熟知しているナショナルスタッフ中心とすることで、より詳細なデータの収集が可能となるように、データドリブンによる分析が可能な仕組みを構築した。
 

歩留まり改善に必要なデータの整理と収集

歩留まり改善に必要なデータの整理と収集

 

アビームの貢献

現地参加型の伴走支援による改善案の提案力

リモートによる会議や工場見学を実施したが、データ収集フェーズでもデータ分析フェーズでも仮説に基づいた成果はリモート特有の難しさもあり、なかなか得ることが出なかった。しかし、特定の課題や問題を深堀するために実際にインドを訪れ、ナショナルスタッフや地場のベンダーとface to faceで直接コミュニケーションをとることで精度を上げていき問題を1つずつ解決した。
このような実践的な活動を継続することで、最終的に特定の製品において生産条件の改善の具体的な施策を発掘し、YKKインド社の工場全体における品質改善の一歩を進めることができた。
YKKインド社、外注ベンダー、アビームコンサルティングと3社全てがリアルパートナーとして共通のゴールに向かって協力し、プロジェクトに取り組むことで、DXに向けた一歩を実現した。
また、本プロジェクトを通して、駐在員とナショナルスタッフの積極的な参加姿勢がプロジェクトメンバー以外にも波及し、次の段階としてYKKインド社自体が別の製造工程改善に主体的に取り組むほど、組織内での意識改革が明確に見られた。
 

アルゴリズムを用いた多面的な分析

現地参加型の伴走支援による改善案の提案力

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