Green x Digitalコンソーシアムにて
異なるソリューション間でのCO2データ連携の技術実証に成功

~GXマネジメントツール「Cyanoba」を活用し実証実験に参画~

 アビームコンサルティング株式会社(以下、アビームコンサルティング)が参画する、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が事務局を務めるGreen x Digital コンソーシアムにおいて、サプライチェーンCO2排出量見える化に向けた第一段階として、異なるソリューション間でのCO2排出量データ連携の技術的な実証実験に成功しました。
 本実証実験は日本ではこれまで実例がない初めての試みで、サプライチェーンCO2排出量の見える化の実現に向けて大きく前進した取り組みです。

 アビームコンサルティングは本取り組みにおいて、ESGテック企業である株式会社PIDとの共同サービス「Cyanoba(シアノバ)」の提供企業として参画しました。
 「Cyanoba」は、エネルギー使用量/排出量データをコスト情報と合わせて一元管理する機能を持つGXマネジメントツールで、コンソーシアムが目指す「デジタル化や新たなビジネスモデルの創出等に係る取り組みを通じた2050年カーボンニュートラルの実現への寄与」に、サプライチェーン間で連携してCO2排出削減に取り組む企業の削減努力を正確に把握できるという点で、大きく期待できるソリューションです。


■ 技術実証の詳細について
 今回はデータ連携に向けた技術実証「フェーズ1」として、2022年9月~2023年1月にわたりソリューション提供企業15社が参加し、グローバルでのデータ連携を見据え、先行する国際的な枠組みであるWBCSD Partnership for Carbon Transparency(PACT)*1のPathfinder Networkにて提示されているデータフォーマットとAPI(接続方式)を用いて、製品の仮想サプライチェーン上で複数ソリューション間のデータ連携を検証しました。
 その成果として、サプライチェーンの各企業が異なるソリューションを活用した場合においても、共通的な仕様のもとでデータ連携できることを技術的に確認することができました。これにより、ユーザー企業においてはソリューション導入時の選択の幅が広がり、またソリューションを提供する企業においても他社との個別調整が不要となり、開発の効率化が期待されます。ソリューションを活用したサプライチェーンCO2排出量の見える化の実現に近づく成果となりました。

本実証実験(フェーズ1)の報告書は以下よりご覧いただけます。
https://www.gxdc.jp/pdf/report.pdf


■ 今後のコンソーシアムの取り組み
 次のステップとして、ユーザー企業も加わり、CO2算定実務も含めた検証を行う「フェーズ2」を2023年6月末までに完了することを目指しています。一連の実証実験を通じて、Green x Digitalコンソーシアムの見える化WG(ワーキンググループ)が策定した「CO2可視化フレームワーク」と「データ連携のための技術仕様」*2をブラッシュアップし、企業間データ連携のユースケースとして、国内外の産業界との連携や官民協力を深めてまいります。

 アビームコンサルティングは今後も、本取り組みをはじめとした脱炭素分野におけるデータ・デジタルテクノロジーを活用し、企業のGX達成と経営成長の両面での実現支援を通じて、社会課題の解決に向けた取り組みに貢献してまいります。

 

■ Green x Digital コンソーシアムについて
https://www.gxdc.jp/about/

■「Cyanoba」について
https://www.abeam.com/expertise/SL346

■ アビームコンサルティングのGXサービス
https://www.abeam.com/jp/ja/trend/gx

  • *1    WBCSD Partnership for Carbon Transparency(PACT)について
    WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)は、持続可能な開発を目指す企業約200社のCEO連合体。GHGプロトコルの主催団体。Partnership for Carbon Transparency (PACT) は、WBCSDの下、バリューチェーンにおける排出量の透明性を高めて脱炭素化を加速することを目的として活動。排出量データ交換に必要な方法論的・技術的基礎を定義し、Pathfinder FrameworkならびにPathfinder Networkとして公表中。Green x Digitalコンソーシアムは、PACTのエコシステムに参画しています。

    *2  「CO2可視化フレームワーク」と「データ連携のための技術仕様」について
    サプライヤー企業の削減努力を反映した一次データに基づくCO2データの流通の実現を目的に、デジタル技術を活用してサプライチェーン内で交換されるCO2データについて、算定ならびに共有方法(データ品質の開示方法)を提示する方法論文書「CO2可視化フレームワーク」と、共通データフォーマットと連携仕様を提示する技術文書「データ連携のための技術仕様」。双方、国際的な枠組みであるWBCSD PACTによるPathfinder FrameworkならびにPathfinder Networkのアプローチを取り入れながら、参加企業のニーズや国内制度等を踏まえた独自の要素も含む。現在、一般公開に向け準備中。
    Webサイト:https://www.carbon-transparency.com/

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