ABeamNavi
EVENT REPORT
アビームナビ イベントレポート
アビームコンサルティング
代表取締役社長 CEO
代表取締役社長 CEO
山田 貴博
エアークローゼット
代表取締役社長 兼 CEO
代表取締役社長 兼 CEO
天沼 聰
2023年2月27日に実施したABeamNavi
-vol.2-のイベントレポートをご紹介します。
-vol.2-のイベントレポートをご紹介します。
アビームコンサルティング代表取締役社長 CEOと
エアークローゼット代表取締役社長 兼 CEOによる就活生必見のスペシャルトップ対談
エアークローゼット代表取締役社長 兼 CEOによる就活生必見のスペシャルトップ対談
日本から世界を変える、
日系企業のグローバル戦略
日系企業のグローバル戦略
2023年4月1日付けで、アビームコンサルティング代表取締役社長 CEOに就任した山田貴博と、当社OBで、2015年に日本初の普段着に特化したファッションレンタルサービスを立ち上げた、エアークローゼット代表取締役社長 兼 CEO天沼聰氏のスペシャルトップ対談が実現。ビジネスの最前線で活躍する2人に、グローバルビジネスの未来や、社会課題との向き合い方、さらにはこの予測困難な時代に求められるビジネスパーソンのマインドセットについて、それぞれの考えを語ってもらった。
PROFILE
-
天沼 聰あまぬま さとしエアークローゼット 代表取締役社長 兼 CEOロンドン大学にて情報・経営を学び、帰国後アビームコンサルティングにて IT・戦略コンサルタントを約9年間従事。2011年、楽天に移籍し、 UI/UXに特化したWebのグローバルマネージャーを務める。2014年7月、「“ワクワク”が空気のようにあたりまえになる世界へ」をビジョンに掲げ、エアークローゼットを創業。
2015年2月、日本初の普段着に特化したファッションレンタルサービス「airCloset」を立ち上げる。 -
山田 貴博やまだ たかひろアビームコンサルティング 代表取締役社長 CEO外資系コンサルティングファーム東京事務所、ニューヨーク事務所を経て、2003年にアビームコンサルティング入社。総合商社、金融、電力・ガス、鉄道、テレコム、自動車製造等の幅広い業界において、事業統合支援、ビジネスモデル変革、業務プロセス改革、グローバル経営基盤高度化などを手掛ける。
2023年より現職。
-
社会やビジネスモデルの変革をリードする人材を育成する
- 本日はどうぞよろしくお願いします。さっそくですが、もともとお二人はアビームコンサルティング(以下、アビーム)でご一緒に働かれていたそうですね。
- 天沼氏(以下、敬称略) はい。アビームは私が社会人として最初に、たくさんの貴重な経験をさせていただいた会社です。在籍中は、山田さんと一緒に働く機会もあり、業務内外で大変お世話になりました。今日もお会いできることを非常に楽しみにしていました。
- 山田 エアークローゼットの事業がメディアで取り上げられるたびに、いつも嬉しく思いながら拝見しています。アビームの人財戦略として、社会・企業の未来を描き、変革をリードする人材を積極的に育成し、輩出していくことを目標に掲げています。天沼さんは、まさに我々が目指すキャリアを、いち早く歩んで活躍してこられた方ですからね。
- 天沼 ありがとうございます。山田さんにもいろいろ相談させていただきましたが、どの部署でも先輩社員や上司との距離が近く、会社全体としても、人を育てる文化が根付いていたように記憶しています。コンサルタントに必要不可欠な、プレゼンテーションやファシリテーション、プロジェクトマネジメントなどのスキルはもちろんのこと、コンサルタントの業務を通じて、テクノロジーの活かし方を一通り学ばせていただいた経験が、エアークローゼットを起業した際にも大変役に立ちました。
- 山田 天沼さんは、当時から、自らのキャリアプランをしっかり持った人でした。ただ一つだけ、腑に落ちないことがあって、アビーム時代に毎日同じようなスーツを着ていた天沼さんと「ファッションレンタルサービス」を立ち上げられたこととまったく結びつかないのですが…
- 天沼 まさか、そんなところを気にされているとは!お洋服を選んでいるのは、私ではなくプロのスタイリストなのでご安心ください。ファッションに興味があってエアークローゼットを立ち上げたというよりは、忙しい全ての女性に新しいファッションとの出会いを楽しんでもらいながら、時間価値を高めてライフスタイルを豊かにしたいという想いでサービスを創りました。事業の立ち上げにあたっては、私自身がアビームで培った、ビジネスモデルを構築して仕組み化する力やシステム設計の経験が、非常に役に立ちました。
-
日本企業に求められるこれからのグローバル戦略
- 最近は、SNSで話題にあがることも増えているエアークローゼットですが、昨年の7月にはグロース市場に上場もされました。今後の展望をお聞かせください。
- 天沼 認知拡大のための施策を続けつつ、今後はメンズやシニア、キッズ、マタニティといった、新しいセグメントを対象にしたサービスの横展開にも着手していく予定です。また、アジア地域を中心としたグローバル展開も進めていきたいと考えています。
- これまで日本企業のグローバル展開や、展開後の現地でのビジネス拡大などを支援されてきたアビームが、エアークローゼットに対して支援するとしたらどんなことができそうですか?
- 山田 まず、アビームの特徴として、日本発、アジア発のコンサルティングファームとしてグローバルの事例やベストプラクティスを強制するのではなく、日本やアジア市場に寄り添った、フレキシビリティの高いコンサルティングを強みとしています。そのような強みを持つアビームだからこそできる支援が大きく2つあります。1つ目は、ローカルマーケットの分析と、分析結果に基づいて新たな顧客体験を創っていくこと。2つ目に、顧客体験を起点として、商品、サービスを提供するサプライチェーンを最適化していくこと。これらを支援しながら、デジタル技術やデータを最大限活用して企業のグローバル展開をしていくことができると考えています。
- 天沼 我々のようなスタートアップはリソースに限りがあるので、グローバル展開するといったときにも、新たに何かを仕掛けるというよりは、それまで国内市場で追求してきた顧客体験を改めて分析し直す必要があります。その上でグローバルの再現性を創っていくことが重要だと考えていましたが、今の山田さんの話を聞いて、とても納得感がありました。
-
社会課題の解決、そして経済価値との両立は企業の使命
- 昨今、日本の企業では社会課題の解決に取り組む事例が増えています。アビームとしても注力されていると思いますが、社会課題を解決するにあたり重要なポイントは何でしょうか。
- 山田 ますます複雑化が進む現代において、社会課題を解決するために最も重要なことは、多様な立場の人たちと対話しながら、新しい価値を共に創り上げていくこと、つまり共創だと思います。脱炭素の取り組みがわかりやすい例ですが、自動車メーカーだけでなく、原材料を製造する工場や電力を供給する発電所も一緒になって化石燃料の使用を止めなければカーボンニュートラルは達成できません。こうした一つの会社だけでは解決できない課題が今後はますます増えていくと予想されています。そしてこの共創と同じくらい、社会課題を考える上で重要なのが、それらの解決策がサステナブルでなければならないということです。収益性と両立していたり、取り組みに共感した優秀な人材が集まってきたりといったように、事業面、人材面でも新たな価値を生み出す継続性のあるものでなければなりません。
- エアークローゼットのビジネスモデルは、それらの要素をすべて含んでいそうですね。
- 天沼 大量生産や大量消費、廃棄物による環境汚染など、解決すべき課題がたくさんあるアパレル業界に一石を投じたいという想いで事業をスタートさせました。とはいえ、環境負荷を軽減するビジネスモデルを維持するためにサービスの価格が高額であったり、顧客が何かを我慢したりというのは、自分たちのやりたいことではないと思っていました。純粋にサービスを楽しんでいたら自然と環境への貢献も実現していたというのが、エアークローゼットの理想です。
- 山田 最近は、自治体や小学校と連携して、ご家庭で不要になった衣服を回収し、メンテナンス後に再び配布するという子ども向け衣服循環体験イベントも実施していましたね。このようなサステナビリティ教育の取り組みは、未来を創造し、未来を創る人材を育成する素晴らしい取り組みだと思いました。
- 天沼 未来を生きる子どもたち自身が、どういう未来を望み、そのためには今、どんなことができるかを自ら考える場を作りたいと思って始めたイベントです。家からお洋服を持ってくるときに親御さんと話をするだけでも、子どもたちがサステナビリティについて考えるきっかけになると思いました。今後も当たり前にSDGsを体現できるような社会づくりに取り組んでいきたいです。
-
予測不可能な時代を生き抜いていくためのマインドセットとは
- お二人の話を聞いて、私たちを取り巻く環境が複雑さを増していっていることがわかってきました。ではこれから社会に出ようとしている若い人たちが、複雑で予測不可能な時代を生き抜いていくためには、どのようなマインドセットが必要でしょうか。
- 天沼 マインド面としては、変化に適応できるようになるために、自分の軸を持ちつつも、変化に対応できる柔軟さ、しなやかさが大事だと思います。一つの会社で定年まで働き続けることが主流ではなくなってきている中で、いろいろなプロジェクトに挑戦できる環境やスキルも重要です。もう一つは、失敗しても受け止めて次につなげる力、レジリエンス力を高めることです。チャレンジし続けていると当然、失敗もたくさんしますが、それも貴重な経験です。私もアビーム在籍時は、いつも先輩や上司の期待に120%で応えることを意識していたので、自分のスキルや経験の足りなさに悔しい思いをしながらも、何とか期待値を超えようともがき続けていました。皆さんには、変化に対応できるしなやかさと、失敗を恐れないレジリエンス力をぜひ身につけてほしいです。
- 山田さんはいかがですか? 他にこれは大事だというマインドセットやスキルセットがあれば教えてください。
- 山田 社会課題が複雑化している昨今においては、ダイバーシティが重要となっています。その中で、コンサルタントには、多様な専門性や価値観を持つ人たちを組み合わせて、まとめ上げ、社会変革を力強く先導していくリーダーシップ力が求められています。さらに、社会課題の解決や新たなビジネスモデルを創造するためには、ITやデジタルに関する知見と活かし方が鍵になります。
- では最後に一問ずつ、本日のイベントに参加してくれた方たちからお二人への質問です。まずは、天沼さんからです。企業変革の際に、企業内部ではない外部のコンサルタントだからこそ発揮できる価値は何だと思いますか?
- 天沼 本当にクライアントが進むべき変革の道筋について、冷静に第三者視点で考え、伝えることができるのがコンサルタントの強みではないかと思っています。さらにアビームは第三者としての視点も持ちつつも「リアルパートナー」として、クライアントの立場に立って考えることも大事にしています。クライアントにとって本当に必要なものは何なのか、本気で意見を交し合うことで、解決の糸口が見えた経験もありました。第三者視点とリアルパートナーの両方を持ちながら、変革の道筋を提案できることは、コンサルタントだからこその価値だと思います。
- では続いて山田さんへの質問です。複数のコンサルティングファームを経験されながら、特にアビームで長く働いてこられた理由を教えてください。
- 山田 天沼さんが言われたことと重なりますが、一つ目に、たとえ耳の痛いようなことであっても、それが本当にクライアントの変革や成長に繋がっていくのであれば、融合することなく意見を述べることができる、アビームのプロフェッショナリズムが性に合っていました。そして二つ目に、企業の文化や価値観を大事にしたオーダーメイド型のコンサルティングを行い、さらにクライアントが自走できるようになるまで徹底して寄り添うというアビームの企業風土が、好きだからです。
- では最後に就活生の皆さんに一言ずつメッセージをお願いします。
- 天沼 今、皆さんはおそらく、これから進むべき道を真剣に考え、悩んでいることだと思います。ただそれは、正しい道を選ぶためというよりも、自分が選んだ道をいつか正解だと思えるようになるための、なくてはならない経験なので、思う存分、悩みに悩み抜いてください。社会人になって仕事をすることは本当に楽しいです!そこに向けて悩む時間もぜひ楽しんでください。
- 山田 自分の為に使える時間が十分ある学生時代にしかできないことをぜひ経験してほしいと思います。また就活においても、いろいろ悩まれているかと思いますが、これだけで人生がすべて決まるわけではありません。まずは社会に出てファーストステップとして自身が実現したいこと、挑戦してみたいことは何かを考えるところから始めてみてはどうでしょうか。
- 本日は本当にありがとうございました。「スペシャルトップ対談」アビームコンサルティング代表取締役社長 CEO 山田貴博さんとエアークローゼット代表取締役社長 兼 CEO 天沼聰さんの対談は以上になります。本当にお二方、貴重なお話をたくさん聞かせていただきありがとうございました。