株式会社NTT HumanEX

株式会社NTT HumanEX

Customer Profile

会社名 株式会社NTT HumanEX
所在地 東京都港区南麻布1-6-15 アーバンネット南麻布ビル
創立 2022年12月1日
事業内容 ヒューマンキャピタルに係るコンサルティングを中心とした経営改善等支援
ヒューマンキャピタルに係るサービスの企画・開発・販売
ヒューマンキャピタル関連データにおける分析等の業務受託
上記に付帯及び関連する一切の事業
資本金 2億5000万円
URL https://www.ntthumanex.co.jp/

※会社名、肩書き、役職等は取材時のものです。

外販営業強化に向けた新会社の営業/プロダクト戦略を策定
伴走型支援によって現場が自走できる営業組織変革を実現

2022年12月に発足したヒューマンキャピタルコンサルティングを行うNTT HumanEX。同社はアビームをパートナーに人事コンサルティング市場の各種知見の提供を受け、外販営業強化に向けた新会社として設立。
伴走型支援によりトライアル営業での「顧客の声」から洞察した顧客課題を基に営業からプロダクトまで一貫した事業戦略の策定に寄与したほか、「顧客視点」での提案型営業への転換を実現した。アビームの手厚い伴走型支援によって、同社は人事コンサルティング会社として新たな一歩を踏み出すことができた。

株式会社NTT HumanEX

プロジェクト概要

経営/事業上の課題

  • 新会社の青写真の定義と設立に向けた承認の取り付け
  • 新会社の営業とプロダクトを連動させた事業戦略の明確化
  • NTTグループ外の企業に向けた営業ノウハウの定着

課題解決に向けたアビームの支援概要

  • アドバイザリーとして新会社設立に向けた情報・知見の提供
  • コンサルタントとして、経営層や現場が参加する社内討議のファシリテーションと課題解決に役立つ検討素材の提供
  • 変革の同志として現場が提案型営業を自走できるよう、営業スタイルの転換を伴走型で支援

支援の成果

  • 構想から約4カ月で新会社の設立を実現
  • 営業からプロダクトまで一貫した事業戦略を策定
  • 提案型営業の実践及びノウハウの形式知化を通じて、営業担当への定着を実現

Story

玉地 明氏

アビームのコンサルタントが伴走してくれたおかげで営業組織の意識変革やスキル向上を図ることができ、新たな一歩を踏み出すことができました

 

株式会社NTT HumanEX
代表取締役COO
HCMソリューション営業部長
玉地 明氏

Story

プロジェクトの背景

ヒューマンキャピタルに関わる企業支援のための会社設立を計画

 株式会社NTT HumanEX(以下、NTT HumanEX)は、2022年12月に発足したヒューマンキャピタル(人的資本=HC)に関わるコンサルティングなどの経営改善支援、サービスの企画・開発・提供を行う企業である。
 NTTグループは中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」の中で、「データ・ドリブンによる新たな価値創造」を掲げている。NTT HumanEXはその一端を担い、NTTグループで培った人事制度・人材育成・研修・福利厚生サポートなど人的資本マネジメントのノウハウをベースに、ヒューマンキャピタル分野のソリューションサービスを提供する。同社は、「働く」「学ぶ」「暮らす」の3つのテーマから、「個人と組織が一体となり双方の成長に貢献しあう関係=エンゲージメント」の向上をコンセプトの中心に置いている。そして、様々な人材データを活用しながら、「エンゲージメント向上」に関する課題を抱える企業と従業員の双方に寄り添い、解決に向けて伴走し、企業・従業員の持続的成長への寄与を目指している。
 昨今、人的資本経営に向けた企業の人事戦略・制度の見直しが多くの企業で大きな課題になっている。その中で、親会社で人事シェアードサービスを展開するNTTビジネスアソシエ株式会社と研修事業を行うNTT ラーニングシステムズ株式会社(両社は2023年7月1日に経営統合、新会社名は株式会社NTT ExCパートナー)では、NTTグループでの人材育成、研修などのノウハウを基にグループ外の企業を支援することで、NTT HumanEXの事業を成長させようと計画した。「ただ、終身雇用を前提とした従来の人事制度の根本的な変革が求められている中で、私たちが培ってきた研修を中心としたノウハウだけでなく、人的資本経営への変革に対応した営業戦略からプロダクト戦略までを新たに組み立てる必要がありました。また、抜本的な変革を実現するためには、世の中のトレンドや顧客が期待することを理解している外部のパートナーからの働きかけが必要だと考えていました」とNTT HumanEX 代表取締役COO HCMソリューション営業部長 玉地 明氏は語る。

Story

アビームの選定理由

決め手はゴールまで伴走する強い意欲と行動力を感じたこと

 企業活動の核となる人事領域で人事制度や体制の変革に取り組むためには、顧客企業が目指す姿の実現に向けて伴走しながら、課題を顕在化させる提案を行い、一緒に課題を解決していく提案型営業が大切になる。NTT HumanEXという新会社設立においては、NTTグループ向けの人事サービスや研修などで行っていた寄り添い型の支援がポイントになると考え、パートナーにも同じ考えを持ったコンサルティングファームを選定したいと考えていた。
 それを基準に、コンサルティングファームの中から人事領域での知見を有する3社に絞り込んで、各社から提案を受けた結果、アビームをパートナーとして選定した。「アビームの提案からは、内容はもちろんのこと、ゴールまで共に伴走するという強い思いがひしひしと伝わってきました。パートナーに求めたのは、きれいに描かれた戦略やスキームを提示することより、私たちの悩みをしっかりと聞いてくれる姿勢と、解決に向けて伴走しようとする意欲と行動力です。提案を伺いアビームであればそれがかなうと思いました」とNTT HumanEX エグゼクティブディレクター 取締役 HCビジネスクリエイト部長 河本 亮治氏は説明する。
 その上で、まずアビームが市場性や競合に関する基礎情報や知見を提供、それらを活用しながら新会社の青写真の定義と、設立に向けたNTTグループ内での承認手続きをサポートした。そして、営業、プロダクト/サービス、データ分析の3つを柱に、事業化のための取り組みを進めることにした。まず営業では、教育研修分野での経験はあるものの、今後は人事領域全体に対する知見の習得や、顧客の課題に仮説ベースで切り込む「顧客目線」での提案型営業への転換を図る必要がある。プロダクト/サービスでは、DXも十分に進んでいない人事領域においてこそ、効率化を実現するイノベーティブな仕組みを開発しなければならない。さらにデータ分析では人事データという機微情報を活用し、見える化に加え説得力のあるソリューションにつなげる分析を行う必要がある。これら新会社の基礎を成す三本柱について、NTT HumanEXではアビームの支援を受けながら、戦略立案を進めていった。

Story

プロジェクトの目標・課題と解決策

アビームと共に実施した営業活動を基に営業/プロダクト戦略を策定

 事業の基本となる営業戦略とプロダクト/サービス戦略の立案に当たっては、その前段として、ターゲットとなる顧客の切実な悩みを探る必要がある。そこで、NTT HumanEXではアビームと共同で実施したトライアル営業活動を通じて、ターゲット顧客への新会社のケイパビリティの訴求と、人事領域における課題の抽出に取り組んだ。そのために、取引関係が構築されている企業、過去に取引があった企業、これから取引したい企業にセグメントを分けて、合計20社ほどピックアップ。NTT HumanEXの営業と親会社のNTTビジネスアソシエ(現・NTT ExCパートナー)の委託を受ける形で、同社の名刺を持ったアビームのコンサルタントがそれらの企業訪問に同行した。訪問先ではCHRO(最高人事責任者)や人事部長クラスとやり取りするが、彼らと対等に語れるだけの知見がないと課題の表層しか捉えられず、議論にもならないだろう。「これまでの私たちの営業では、人材育成体系コンサルティングや研修企画などの人事の特定領域にしか携わっていなかったので、本質的な企業課題を把握した上での人事領域全般にわたる提案経験はありませんでした。それに対して、アビームのコンサルタントはまず事業ポートフォリオの会話から入り、事業に連動した人事領域のポートフォリオ構築を考え、優先順位をつけて取り組んでいくという経営/CHROの視点を持ち合わせた提案を仮説も交えながらするのです。そうすることで、人事領域全体の議論になって、これまで把握できていなかった顧客の課題を抽出することができました」(玉地氏)。
 トライアル営業活動を通して、NTT HumanEXではターゲットにした企業の規模や業種ごとの人事領域における関心のありようを把握した。その上でアビームと議論しながら、マーケットで提供されているソリューションやシステムを洗い出し、NTT HumanEXがターゲットとすべきプロダクト/サービス分野を特定、必要なノウハウやリソースなどを明らかにしていった。「アビームとの議論を経て、プロダクト/サービス開発は3つの観点で整備しています。1つ目が人材不足の中での人材確保・チームの活性化です。採用を入口とするエンプロイージャーニーを検討、リーダーをサポートしチームを活性化させ、社員の定着化・離職防止に向けた仕組みにつなげます。2つ目が多くの企業が取り組んでいる健康経営で、その実現のための構成要素を吟味し、活用できるアセットを組み合わせてサービス化を目指します。3つ目が人的資本経営で、人事組織や制度を診断して、人事戦略立案や人事制度改訂に向けてコンサルティングしていきます」(河本氏)。
 一方で、トライアル営業での実践で得られた知見を基にNTT HumanEXの営業担当が自ら提案型営業を実践できるよう、営業スタイル変革にも取り組んだ。アビームとNTT HumanEXの営業担当がチームを組んでトライアル営業を行い、実際の提案型営業の立ち振る舞いを学ぶことに加えて、マニュアルでの形式知化を実施。さらに、実体験をベースにした説明と納得感を醸成するためのスキルトランスファー学習会を開催し、提案型営業のポイントを伝えて、営業担当に浸透させていった。

 

NTT HumanEXが考えるエンゲージメント向上のメカニズム
 

NTT HumanEXが考えるエンゲージメント向上のメカニズム
河本 亮治氏

 

会社としての強みを打ち出していくのはこれからの課題です。外部知見の供給役として再びアビームに参画してもらえれば、検討を格段に加速させられるはずです

株式会社NTT HumanEX
エグゼクティブディレクター
取締役
HCビジネスクリエイト部長
河本 亮治氏

 

Story

プロジェクトの成果と今後の展望

人事コンサルティング会社としての認知を獲得、事業展開を加速

 NTT HumanEX設立前の2022年9月から2023年3月までの6カ月間、アビームと共に取り組みを進めることで、従来のシェアードサービスから新領域である人事コンサルティングビジネスへと踏み出し、さらなる事業展望を描くことができた。
 実際、アビームの伴走で進めたトライアル営業活動で人事領域全体に対応できるパートナーとして認知された結果、当初見込んでいなかった実案件の提案機会を複数社で獲得、他の複数社で研修以外のテーマの継続討議という成果を上げている。「ある訪問先企業には、『(前身の)NTTラーニングシステムズは研修会社だったが、NTT HumanEXでは、人事領域全体の課題解決に取り組んでくれるのか』と人事担当執行役員に興味を持っていただき、中期経営計画の中で、エンゲージメント向上に向けた新しい人事政策を一緒に作りたいというオファーを受けることができました」(玉地氏)。
 NTT HumanEXではコンセプトの中心に、社員と企業の関係をより強化する「エンゲージメントの向上」を据えている。そのためのプロダクト/サービスを検討する中でアビームとの議論を取り入れ、独自のエンゲージメント診断ツールを開発、現在すでに提供している。このツールは社員と会社の間に位置するチームに着目、サーベイを行い、そこから打ち手を選定・実施し、施策効果を測定していく。この開発を通して、NTT HumanEX全体のサービス体系が形作られ、他のコンサルティングファームや研修会社とは一線を画す提案ができるようになった。「アビームとの議論で、サービスのコアな部分のヒントを得ることができたのは大収穫でした。事業フェーズは今、サービスを企画する第一段階から、実際に提供・販売する第二段階に移っていますが、サービスのラインアップはまだ不十分です。取り組み始めたデータ分析もハードルが多く、アビームにはいつかまた、伴走者として協力してもらえるとありがたいです」(河本氏)。
 NTT HumanEXとアビームとのプロジェクトは2023年3月で終了したが、NTT HumanEXでは様々な企業の「エンゲージメント向上」という大きなテーマの実現に向けて、今後もアビームとの共創による事業の成長を構想している。

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