個社の枠を超えた改革支援でDXを推進し、素材化学業界を新たなグローバル・スタンダードへ導く

グローバル市場でのプレゼンス向上に向け、DX推進が急務となっている素材化学業界。この領域で改革プロジェクトを主導し、企業・業界を超えた連携も実現するダイレクターを紹介します。

 

S.N

Experiences in ABeam ~ Impressive Project~

“デバイス配線”から始まる地道なアプローチで日系製造業を改革

S.N

社会全体でDX化の流れが加速する現在、製造業においてもテクノロジー・データを活用して顧客価値を高めることが強く求められています。私は未来産業や未来工場構想、スマートファクトリー、ケミカルチェーンマネジメント、人材育成などのテーマで製造業DXを支援しています。

製品力や素材力で一日の長を誇っていた素材化学業界の日本企業。しかしグローバルで見ればアメリカ・中国・欧州が業界のビジネスを牽引しており、日本企業のプレゼンスは低下傾向にあります。だからこそ私は、改革に本気で取り組まなければならないと感じています。

もちろん素材化学業界においてもDXの取り組みは進められていますが、個々の企業・部門ごとのテーマに点で取り組んでいることが多く、大企業の縦割り風土の中では横断的に価値を発揮していくことが難しいという現実も。それらの点の取り組みを束ねたらどうなるのか?さらに言えば産業全体でのポジショニングを描いたらどうなるのか?そんな視点が必要なのではないでしょうか。

そのため私は短期的に取り組むべき変革テーマの支援に加え、10〜20年後の産業の姿を見据え、中長期の変革テーマに向けた支援にも注力しています。新しい未来の産業を見つけ、自社の立ち位置・らしさを明確にし、データ活用によって顧客価値を向上させる。これこそがグローバル環境における日系製造業の戦い方を明確にし、社会課題の解決にもつながる道だと確信しています。

プロジェクトの現場では変革テーマの企画・構想や実行ロードマップの作成、実行、クライアントの巻き込み、プロジェクトからのインサイト導出・発信など、多岐にわたる役割を担っています。製造業の根幹であるモノづくり現場を訪問させていただき、データ取得・活用に向けたさまざまなデバイスの配線をすることからプロジェクトが始まることもあります。ただ解析したデータを眺めているだけではなく、製造現場に数週間単位で張り付いてモノづくりへの影響を見ることも。

そうした意味では、私はリアリティや手触り感にものすごくこだわるコンサルタントだと言えるのかもしれません。しかし現場の方々の理解を得て、取り組みを本当に実りあるものにしていくためには、この泥臭さが欠かせないとも感じています。トップダウンで強引に進めることでプロジェクトは前進しますが、意味のある成果に結実するかがポイントだと考えます。まだ目には見えない改革の価値をどのように感じてもらうかを考え抜き、地道なコミュニケーションを続けています。

Why ABeam ?

あえて戦略の実行局面に飛び込み、変革の難しさを知った

私は新卒で大手SIerへ入社し、システム構築の仕事を担当しました。システム化を通じて、クライアントの企業課題を解決できる面白さを経験することができました。

一方、IT系の事業会社では「自社の売り物が決まっている」という側面もあります。クライアントのさまざまな課題を聞いても、結局は自社の売り物に当てはめる発想になりがちです。課題解決の手段がシステムに限定されず、ピュアにクライアントの困りごとに向き合える業界へ進みたい——。そんな思いからコンサルティング業界に関心を持ち始めたのです。

コンサルティング業界の数ある企業の中でアビームを選んだのは、社風を知った上で、自分自身の直感を信じたから。私という個人を見て、時間をかけて理解しようとする姿勢を最も感じたのがアビームでした。「誰と一緒に働くか」を軸にアビームへ進むことを決めました。

入社当初に配属された戦略ビジネスユニットでは事業戦略・BPRプロジェクトを複数経験。その後は「描いた構想の実行・実現にこだわり抜きたい」という思いが強くなり、3年経った頃に現在所属するインダストリー特化のビジネスユニットに異動しました。

もちろん企画・構想や戦略策定の部分にも、コンサルタントとしての大きなやりがいが詰まっています。ただ時代の変化の中で、戦略の絵を描くだけでなく、その後の施策の実行局面がより重視されるようになってきているのも事実。私は製造業のクライアントを担当することが多かったこともあり、業界を決めて、1社のクライアントの実行支援にじっくり向き合ってみたいと考えていたのです。

異動後は日系製造業企業のグローバルSCM改革のプロジェクトに参画。希望していた通りに1社のクライアントを約5年にわたり担当することができました。自分たちが企画・構想した戦略が、企業のリアルな意思決定やマネジメントにどう影響していくのか。描いた戦略通りに進んだことと進まなかったこと、それを目の当たりにできたことは本当に貴重な経験となっています。海外現地法人・地域統括会社(RHQ)を巻き込んだグローバル規模での大きな変革テーマの実現は簡単ではありません。この原体験があるからこそ、私は現場に寄り添い、踏み込むスタンスを曲げられないのだと思います。

Future ~Growth Story~

「業界を横断してしなやかに連携できる」アビームの強みを生かして

S.N

冒頭でも述べたように、素材化学業界の未来をグローバルトレンドで考えると、個々の企業・部門単位で戦っていくことは難しいのが現実です。自社・自部門だけではなく、他の産業や時間軸を広げて中長期のビジョンを打ち立て、粘り強くやりきらなければ明るい未来は拓けません。そのため私はアビームの顧客基盤を活用し、さまざまな業界・企業を横断して知見を活かす取り組みにも注力しています。

施策を実行に移す際には、例えばコンサルタントのケイパビリティではあまりないエンジニアリング領域の知見を借りることもあります。ただ借りるだけでなく、最後はリーダーが全体ストーリーに組み込み、ワンチームで構想から実行までを完結させる。こうしたチームの形は、他ファームにはないアビームの強みだと思っています。

現在のプロジェクトでも、常に誰かに助けてもらっています。アビームでは自分の担当プロジェクト外であっても、気軽に声をかけ時間を割いて協力し合う、コラボレーションの文化が定着しています。そもそもクライアントから見れば、相対しているコンサルタント個人の知見によってプロジェクト成果が左右されてしまうのはナンセンスでしょう。クライアントの期待値に対して常に直球で返していける。そんなしなやかな強さがアビームにはあります。

今後は、着手している変革テーマを確実に形にしつつ、変革テーマの幅をさらに広げ、マーケットや未来からの要請に応え続けることで日系製造業の成長を牽引していきます。この取り組みを一緒に進めるための仲間もどんどん増やしていきたいと考えています。

いずれは素材化学業界を中心とした製造業の変革プロジェクトを、アビームの新たなマーケットとして確立したいですね。それが結果として社会課題解決につながるのなら、これ以上の喜びはありません。

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