プロジェクト紹介

写真提供:カタールガスオペレーティングカンパニーリミテッド

千代田化工建設
ビジネスプロセス改革
プロジェクト
その舞台裏に迫る。

千代田化工建設株式会社

コーポレートサイトで事例紹介として掲載されている千代田化工建設のグローバル経営マネジメントシステム導入プロジェクト。最低でも2年半〜3年はかかるといわれる大規模プロジェクトをわずか1年半で実現したのです。それをPMOとしてリードしたのはプリンシパル下村 雄吾。どんな工夫がなされたのか? その舞台裏に迫ります。

プロジェクトメンバー紹介

1.
私たちはラクダになります。

広大な砂漠を千代田化工建設に例え、砂漠の中に点在するオアシスが社内の各部署。このオアシスを行き来しながら意見を取りまとめるラクダになります。と、提案時にアピールしました。これがアビーム採用のきっかけになったともいわれています。それほどこのプロジェクトは関係部署間の調整が多く、難易度の高いものでした。

今回のプロジェクトのゴールは、グローバルでのデータマネジメントが実現できるよう、千代田化工建設グループの業務プロセスを標準化し、それが可能となるシステムを導入するという目標への手始めとして、業務・システムのグローバルテンプレートをつくり、横浜本社とカタール拠点に導入することです。なかでも、拠点間、部署間の業務プロセスをどのように統一するかが非常に重要でした。

まず、クライアントのなかでプラント建設の進め方や管理方法、業務で使う用語が、本社とカタール拠点で異なっていました。そのため業務を一度バラバラに分解し、再構築しました。再構築を行うため、海外プロジェクトのマネジメント経験のある方や連結決算を取りまとめている方など、今後のグローバル業務で決定権を持つ方をグローバルビジネスプロセスオーナーとして指名。そのメンバーと私たちでこれから世界の競合と戦っていくためにはどうすべきか、という視点から業務を一つひとつつくり上げていきました。

プラント建設を受注する営業部門、それを遂行しマネジメントするプロジェクト部門、そうした活動を会計・財務の視点で支援する財務部門、資材や人材などを調達する調達部門と人事部門、多くの部門にまたがる業務プロセス再構築に取り組みました。全体の業務プロセスを見直すと、それまでのやり方を譲り合う必要が出てきます。千代田化工建設のプラント建設は規模の大きいもので数千億円にも昇る壮大なプロジェクトです。

このプロジェクトを管理する立場と、決算報告する会計財務の立場では、必要な数字も確認する視点も異なります。特に会計は建設業特有の工事進行基準が適用され、非常に緻密な計算が求められるため、これに必要なすべてのデータを収集する必要があるのです。一方、プロジェクト管理はプロジェクトの遂行・管理という視点で必要な情報を求めている。

複雑な現場と会計をつなぎ合わせるのが私たちコンサルタントの役割であり、現場担当者の声を聞き、部門間のバランスを取りながら落とし所を探っていきました。この調整は私を含めメンバーも非常に鍛えられました。さらに、調整を進める過程において部門間でお互いの業務に対する相互理解が深まり、部門の垣根を越えた分析と課題解決の習慣が生まれてきたのです。今後も導入したこのIT基盤をデータマネジメントに活用できるように支援していくつもりです。

2.
約300名の大規模プロジェクト、メンバーに対する意識改革。

通常2年半〜3年かかるプロジェクトを1年半で成し遂げなければならない状況で、“超”がつくほどのスピードを求められました。グローバル競争に打ち勝つためにも、一刻も早くグローバル経営を実現して、経営の意思決定を迅速に行いたいという強い要望があったのです。クライアントは数千億円規模のプラント建設プロジェクトを手掛けるプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルです。スケジュールに対する意識は非常に高く、一日たりとも遅れは許されない厳しい状況でした。

この難易度の高い要求に挑んだプロジェクトメンバーは、アビームのスタッフで最大150名以上、クライアントやほかの参画会社を合わせると全体で約300名。全員の意思統一を図らなければ、短期間で大規模システムを導入することはまず不可能です。しかしこの大所帯を一つにするには様々な困難が立ちはだかりました。

これだけの人数のためメンバーは1フロアでは収まらず、複数フロアに分かれての対応となります。そこで生じたのがコミュニケーションの時間的なロスやミスコミュニケーションです。対面で話せばすぐに解決できることも、フロアが分かれてしまうとついメールでの確認となり、細かいニュアンスが伝わりにくく時間がかかってしまう。また、メンバーのスケジュール設定に対する意識の改革も必要でした。どうしても人間は区切りのいいタイミングで期日を設定してしまいがちです。例えば3営業日で終わるところを今週いっぱいと設定する。こうした数日の遅れが納期に大きな影響を与えることになります。そこで、私はメンバーから上がってくる報告に対して、どうすれば期日までにできるかアイデアを提供しながら、スケジュールに対する意識の向上をメンバー一人ひとりに布教活動のように会話していきました。フットワークよく直接対面で話すことの重要性も地道に説いてまわりました。その結果、私の思いは徐々に伝播していき、プロジェクトメンバー全員のムーブメントとなったのです。

一人ひとりの意識の高まりがあってこそ1年半で成し遂げられた。これが今回の成功要因の一つであることは間違いありません。また、PMOとして全体に号令をかけるだけではなく、一人ひとりへの細かいサポートを怠らず、プロジェクト全体の意思統一を図り、目的達成に向かって一丸となって取り組む高いマインドを持った強いチームをつくることが大規模プロジェクトを成功させる秘訣であると身をもって経験することができました。

3.
体から湧き上がるような「ありがとう」。

今回のプロジェクトのなかでも特に大きな収穫は、クライアントとの関係が非常に濃くなったことです。このプロジェクトでクライアントのキーパーソンの方々と私たちアビームのメンバーが共に苦労を分かち合ったことで、強力なホットラインを築くことができました。担当者の方が課題に直面した際には真っ先に私たちに連絡をいただけることはもちろん、アビームのメンバーが昇格したときにはお祝いをしていただいたり、プロジェクトから離れるメンバーには送別会を開いていただいたり。まるで同じ組織のチームのような仲間意識が生まれ、クライアントと私たちのどちらが対応すべきか暗黙の了解で行える、真のWin-Winの関係が築けました。

プロジェクトを継続していると次から次に課題の対応をすることも多く、感謝の言葉をいただく機会も少ないのですが、今回のプロジェクトは違いました。すべてのシステムが稼働し終わったときに、体から湧き上がるような「本当にありがとう」という熱いお言葉をいただきました。このときは、本当にやっていて良かったと実感しました。

現在も各拠点のロールアウトプロジェクトが進行しています。私たちには、このロールアウト活動の過程で千代田化工建設のグローバル展開のポリシーや考え方、背景を各拠点の方々に伝道師となって伝えていく使命があります。グローバル経営マネジメントシステムが行き渡ったとき、会社全体としての共通言語が確立し、全世界のプロジェクトの状況を把握した真のグローバルオペレーションが可能になります。その日を早く迎えることができるよう、私たちはクライアントと共にチャレンジを続けていきます。

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プロジェクトメンバー

金融・社会インフラ
ビジネスユニット
執行役員 プリンシパル 宇津木 斉史 2001年 中途入社

総合商社のIT部門、経営企画部門を経て、2001年アビームに中途入社。 ABeam Consulting USA Ltd.へ出向し、ニューヨークを拠点にアメリカ市場を開拓。帰国後は千代田化工建設プロジェクトをリードし、2014年に執行役員プリンシパルに就任。グローバル経営マネジメントシステム導入プロジェクトでは、全体を統括する総責任者として、下村と共にプロジェクトを成功に導いた。

P&T Digital
ビジネスユニット
FMCセクター
プリンシパル 下村 雄吾 2000年 新卒入社

総合商社、精密機器、食品など数々の業種、業界のプロジェクトを成功に導き、2012年より千代田化工建設プロジェクトへPMOとして参加。わずか1年半でグローバル経営マネジメントシステムの導入を成功に導いた立役者。現在も関係会社へのロールアウトプロジェクトをリードする。アビームで「財務といえば下村」といわれる財務系の第一人者であり、社内では「コンサルティングマインド」や「プレゼンテーション」などの研修講師も担当する。

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