企業の枠を超え、新たな付加価値を創出する
「Connected Enterprise®」で社会課題の解決に挑む

※本稿は、アビームコンサルティングの「いま」をお伝えする広報誌『ABeam』2018-19年度版から一部記事を抜粋した内容です。

岩澤俊典

「VUCA」[Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)]の時代を勝ち抜くために、先進のテクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現が多くの企業の課題となっている。欧米や中国などに比べて、日本の取り組みは後れを取っているといわれるが、DXの実現には何が必要なのか。アビームコンサルティングがDXの先に見据える「Connected Enterprise®(業界間連携)」を視野に読み解く。

岩澤俊典
アビームコンサルティング株式会社
代表取締役社長

自社の差別化、競争力強化に向けDXの実行フェーズに移るべき

企業経営を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、予測困難な状況に直面する中で、テクノロジーをフルに活用したイノベーション、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性が叫ばれ、数年が経ちます。
多くの日本企業においても、経営トップのコミットメントとイニシアチブの下、デジタルをキーワードに既存の管理方法や業務プロセスの見直し、新規事業の創出に向けて、先進事例を研究したり、関連部署を立ち上げたりする動きが見られます。
しかし残念ながら、ビジネスの現場では自分たちがやるべきことの優先順位付けがなされておらず、情報収集に終始しています。競争優位性を保つために、何をどうするのかというフェーズに至っていません。
デジタルテクノロジーを使って顧客データベースを整備、情報を整理し、そこから得られる知見に基づいてデジタルマーケティングに生かしていくといったことは、多くの企業でも取り組みがなされ、DXの初期段階としては一定の評価ができます。
一方、海外に目をやると、欧米では新興企業がどんどん生まれ、デジタルディスラプターとして既存のビジネスの枠組みを破壊しています。ライドシェアのウーバー・テクノロジーズや民泊のエアビーアンドビーなどが好例として取り上げられますが、もはやそれら自体が陳腐化しかねないスピードでスタートアップ企業が誕生しています。しかし、日本にはそうした勢いは見られません。
中国では、アリババグループの「アリペイ」、テンセントの「ウィーチャットペイメント」といったモバイル決済が社会インフラとして普及し、これをベースに国全体がDXの真っただ中にあります。キャッシュレス社会を推進する中で、個人情報をどんどん蓄積し、それが付加価値を生み出すとともに、利用者も自分自身の価値を高めるために、個人情報を提供し信用力を上げていく、そうしたサイクルが加速しています。
キャッシュレスでDXの壮大な実証実験を進める中国に比べると、ここでも日本は差があります。キャッシュディスペンサーなどアナログインフラが整備されているため、日本はどこでもキャッシュが出し入れでき、デジタルインフラに対する欲求が低いことも関係しているでしょう。

日系企業のDX実現にはデータインフラの整備が課題

日本企業がDX を実現するに当たって最も大きな課題は、データインフラの整備です。多くの経営者がデータの重要性を認識しているものの、根本的なデータ基盤が脆弱なためデジタル化に対応できていない。あるいは、海外進出やM&Aによって海外拠点を手に入れたにも関わらず、グローバルでデータを一元管理する仕組みが整っていない。そのためデータが蓄積されていかず、日本本社がガバナンスを効かすこともできない。そうした現状を鑑みて、これまで構築してきたデータインフラを刷新する企業も増えています。
データインフラの刷新については、グローバル最適の視点から、いち早く、スピード感をもって取り組むことが重要です。これに応えようとするのが、私たちアビームコンサルティングが開発したビジネス・イノベーション・プラットフォーム「ABeamCloud®」です。さまざまなITベンダーとパートナーシップを結び、数多くのクラウド基盤、ソフトウエアなどの中から、目指すべきDXに適したツールを組み合わせて使う基盤です。リリースして3年目に入りましたが、導入企業は200社を超え、国内だけでなく、東南アジア、中国、メキシコ、タイなどの国々で、日系グローバル企業が導入しています。

企業の枠を超えデータを活用 新しい付加価値の創出も

日本では、産業社会におけるITニーズが拡大する一方で、人口減少に伴い専門人材の不足が懸念されています。しかし、データインフラについては、グローバル企業の各国・各拠点に専門人材がいなくても、ABeam Cloud®がこれをカバーすると考えます。クラウドサービスですからハードウエアを持つ必要はありませんし、ネットワークも全てわれわれが管理しますから、利用者は自社の付加価値を向上させるため、データのフル活用に専念すればよいのです。
またABeam Cloud®は、AIやRPAを組み込んで、顧客のDXを加速させる「アビームエコシステム」を形成しています。このアビームエコシステムを通じ、企業同士が産業の枠をも超えてつながる「Connected Enterprise®」の実現が視野に入ってきました。異なる業種の企業のデータを活用することで、まったく新しい付加価値が創出されるデータトレーディングの事例も登場しています。サプライチェーンを構成する全ての企業がデータを共有し、活用することができれば、さまざまな社会課題の解決にもつながると大いに期待しています。
DXの取り組みは、グローバルな競争力を向上させるだけでなく、社会全体の質の向上にもつながります。そのためにわれわれは、コンサルティングのノウハウと技術力、サービスに持てる力を出し切りたいと考えています。その上で、アビームエコシステムのさらなる充実に向け、企業の皆様やパートナーとの協働を深化させ、「Connected Enterprise®」、その先にある「Digital Society」を実現したいと考えています。

(広報誌『ABeam』2018-19年版 TOP MESSAGEより抜粋)

 

広報誌『ABeam』2018-19年版

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