化学メーカー様:短期間に複雑に変化する市場・社会・技術動向に対し、俊敏かつ柔軟に対応するためのSCM部門設立支援

従来型組織体制で構築されていた個別最適の利点を活かしながら、横断的なPSIのKPI指標導入で全体最適を実現。地方都市にSCM部門を新設し、転勤を伴わないリモート参画のニーズに応え、本社との効率的な業務連携体制を構築。

化学メーカー

Customer Profile

業種     化学メーカー
売上規模   非開示
従業員規模  非開示

プロジェクト概要

クライアントの課題

  • トレードオフの関係にある製販両部門の横断的なPSI管理・新規KPI導入による全社利益最大化
  • 属人的な在庫管理業務のITプロセス導入による標準化
  • 生産計画の自動化・省力化

ソリューション・知見

  • 多数のグローバル先進企業の改革支援の経験と、蓄積した他社事例ノウハウ
  • 「持続的SCM改善、改革推進、ノウハウ標準化の仕組み作り」を軸としたSCM構築支援サービス
  • プロジェクトの目的・方向性検討から課題発見、施策検討、施策実行までのトータルサポート

成果・効果

  • 受注出荷業務に携わる事務スタッフの業務キャパシティー30%増加
  • 全社的なサプライチェーン業務の全体最適化による生産計画業務工数50%削減
  • 横断的な製品管理実現で売り逃し粗利損失・倉庫間物流費を年間約1億円削減

Key Points

クライアント課題の難所

トレードオフの関係にある営業部と生産部を仲介するSCM部門を地方都市に立ち上げ、各事業部が持つ個別最適の長所を残しながら、全体最適を実現するための新規KPIを設定

クライアントの希望は、各事業部で実現していた個別最適の長所を残しつつ、全社における全体最適の実現だった。
クライアントの各事業部は従来それぞれ緻密なPSI管理、高度な技術で顧客ニーズにあった多品種少量生産対応を実現していた。しかし、各事業部が共有使用する倉庫管理においては“保管スペース不足”やそれに伴う“高負荷な納期調整業務”といった問題を生じさせていた。

また、営業部では在庫不足による販売機会損失を防ぎたい一方で、生産部には在庫抑制が課せられ、トレードオフとなるそれぞれのKPI指標もクライアントの全体最適実現の障壁となっていた。
これらを解消すべく利害関係者の仲介役となるSCM部門の新規立上げに臨んだ。この新設部門を地方都市に設置することで、転勤を伴わないリモート参画という社員のニーズに応え、本社との効率的な業務連携体制を構築した。

トレードオフの関係にある営業部と生産部を仲介するSCM部門を地方都市に立ち上げ、各事業部が持つ個別最適の長所を残しながら、全体最適を実現するための新規KPIを設定

プロジェクトの重要成功要因

リアルパートナーとして、クライアントを補助しながら共に課題解決を検討し、クライアントのトップマネジメントから現場担当者まで幅広く関係者を巻き込むことで一枚岩でプロジェクトを推進

アビームコンサルティングが蓄積したノウハウや他社事例、外部資料から課題仮説を事前作成し、それをもとにクライアント7部門に2週間でヒアリングを実施。クライアント自らが課題を発見し、業務改善のスキームを検討することを重要視し、徹底したサポートを実施。「目的・方向性検討、課題発見、施策検討、施策実行」の4ステップにおいて10種類のタスクに共に取り組んだ。

プロジェクトを円滑に推進するため、以下の3点に注力した。
1.プロジェクトの必要性を3週間で取りまとめ、クライアントトップマネジメントに説明し巻き込んだ。
2.プロジェクトの要所要所で現状課題と施策効果を示すための定量分析実施し、クライアントと認識共有を図った。
3.現場の協力を得やすいように、現状の製販プロセスに新規KPIを導入するスモールスタートアプローチを採用するなど、現場と一体感を持って取り組んだ。

 

アビームの貢献

問題発見・課題認識から実行計画策定、実行推進までトータルサポート

アビームコンサルティングが体系化・蓄積している他社SCM改革支援事例やナレッジを活用しながら、複数のKPIにより多角的にクライアントの現状の問題点を洗い出し、課題を可視化した。そして、トレードオフを加味した全体最適目線のグレード別在庫基準ロジックを策定し、11分類23項のKPIを定義した。KPIをクライアント自ら運用するため、分析の流れを整理しマニュアルにまとめ、導入後を見据えたフォローを行った。

また、IT導入により、定量的KPIデータ収集・一元管理化を行い、個別最適で属人化していた在庫管理体制の標準化と製品横断で在庫キャパシティ情報を管理できる体制を構築し、売り逃し・倉替えコストの削減を実現した。

問題発見・課題認識から実行計画策定、実行推進までトータルサポート
専門コンサルタント
原田 健志
原田 健志
Takeshi Harada

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