サービスパーツマネジメント改革支援
顧客満足度を高めて収益の柱へ
ビジネスの本流である完成品のサプライチェーン改革に取り組みに追従して、サービスパーツ改革に注目する企業が増えています。サービスパーツは、本体販売と比較し高い利益率による売上確保につなげるだけなく、顧客要求に対して必要なパーツが必要なときに必要な量だけ利用可能であることで、顧客満足度を高めることができる分野となります。
サービスパーツの特徴と主要な考慮ポイント
完成品を起点とした一般的なサプライチェーンに較べて、サービスパーツのサプライチェーンの管理・運用ははるかに複雑で、難しく、サービスパーツの供給量を最小化しつつ、顧客要求に対応できる拠点・パーツの在庫量の最適化が重要となります。
<要求サイド>
・突発的なパーツ要求(「必要なパーツを」「必要な量だけ」「必要なときに」「必要なところへ」)への対応が求めらる。
<供給サイド>
・「旧品を含めた膨大な部品の種類」と「多階層の在庫拠点」の組合わせによる、膨大な在庫管理が求められる。
・管理対象は、年に数個しか出荷されないもの(旧品・高額品等)から、一時期に大量に出荷されるもの(新規品・リコール品等)まで多岐にわたる。要求サービスレベルも部品の属性・ライフサイクルによって様々である。
・部品間での代替や互換、また、返品や修理品の再利用までも考慮する必要がある。
・需要のタイミングがはかりにくく、属性・ライフサイクル、更には、稼働台数・稼働状況・補修計画などの先行指標に応じた高度な予測手法・補充計画が要求される。
サービスパーツマネジメント改革の目的
前述のとおり、多くのパラメータをコントロールしながらも、グローバルで欠品の抑制と過剰在庫の抑制のハイレベルな両立が必要とされています。
<目的①:欠品の抑制>
・欠品による、販売機会損失の回避
・欠品による、顧客業務への支障/客離れの回避
・欠品による、現場調整コスト発生の回避
(緊急発注、近隣拠点からの転送手配等)
<目的②:過剰在庫の抑制>
・過剰在庫による、販売価格値崩れの回避
・過剰在庫による、廃棄コスト発生の回避
・過剰在庫による、保管コスト垂流しの回避
・過剰在庫による、キャッシュフロー悪化の回避
要求サービスレベル調査の重要性
サービスパーツマネジメント改革において、要求サービスレベルを確実におさえることが成功要因です。そのために、計画段階において、系列販売店、競合販売店、消費者といった要求サイドのプレイヤーを明らかにし、プレイヤー毎の裏付けを重ねることで、あるべきサービスレベルを整理することが重要となります。
<①計画>
1. 初期データ分析~調査方針策定
・調査対象品目群の特定
・サプライチェーン構造より調査対象拠点の特定
・調査アプローチの設計
<②実行>
1. 自社系列販売店ヒアリング
・消費者、現場視点で品目群毎のサービスレベルの特定
2. 一般販売店*ヒアリング
・自社系列販売店ヒアリング結果の裏取り
・中立視点で競合他社の品目群毎のサービスレベル差異の把握
・優れた競合他社の特定
*自社製品、競合製品、双方の取り扱い販売店を想定
3. 競合系列販売店覆面ヒアリング
・競合他社の品目群毎のサービスレベルの特定
<③分析>
1. 自社系列販売店・消費者アンケート
・販売店:サービスレベルの地域偏差の特定
・消費者:品目群×ライフサイクルでのサービスレベル差費の特定
・調査全体の裏付け
改革のアプローチ
サービスパーツサプライチェーン構造の整理、パーツの用途・属性・ライフサイクルに応じたサービスレベルを見極め、ストックポイント・在庫レベルの定義、将来の業務プロセス・システムを策定したうえで、効果的な改革を実現します。
<改革のアプローチ(5STEP)>
STEP1. サプライチェーン構造把握
・現状のサービスパーツの生産・物流拠点、店舗などのストックポイントと物流・商流ネットワークの把握
・現状の在庫レベル、欠品、納期遵守率、プレイヤー間の発注・補充ルール、リードタイムの調査
STEP2. パーツ分類別要求サービスレベル調査
・用途・属性、ライフサイクル、出荷頻度に応じたサービスパーツ分類の定義
・サービスレベル要件の洗い出しと、差別化対象パーツか否かの見極め
STEP3. サービスレベル・サプライチェーン再定義
・経営優先度も踏まえ、サービスレベル要件の最終化
・サービスレベルに基づいたサプライチェーンの再設計(用途・属性、ライフサイクル、ストックポイント毎の管理方針定義)
STEP4. 次世代プロセス・システム化方針策定
・管理方針を踏まえた、役割分担・業務プロセスの再設計(需要予測、在庫計画、補充計画、発注・生産計画)
・システムツールの機能要件の洗い出し、導入・改修方針の整備
・3Dプリンタ等最新テクノロジーによる更なる改革
STEP5. 業務適用
・業務プロセス・システムの現場へ展開計画(PoC含)の策定
・現場への展開実施、現場からのフィードバックを元にした管理方針ブラッシュアップ