西日本旅客鉄道株式会社

西日本旅客鉄道株式会社

Customer Profile

会社名
西日本旅客鉄道株式会社
所在地
大阪市北区芝田二丁目4番24号
創業
1987年4月1日
資本金
1,000億円(2017年4月1日現在)
事業内容
運輸業、流通業、不動産業、その他

※会社名、肩書き、役職等は取材時のものです。

20万件以上蓄積された事故や安全に関する気づきを分析
安全マネジメント統合システムによるさらなる安全性向上を目指す

JR西日本は福知山線列車事故を契機に、2008年に重大事故を未然防止する仕組みとしてリスクアセスメントを導入している。さらにはアビームコンサルティングをパートナーに、20万件以上に及ぶ全情報の共有と分析を可能とする安全マネジメント統合システムにおける分析機能を構築。2017年12月から運用を開始、現場の社員が天候や曜日、線区などから事故などが発生しやすい状況を全体の発生状況と比較しながら把握できるようにした。JR西日本ではシステムの利用を定着させ、安全対策の実施などさらなる安全性向上につなげていく考えだ。

プロジェクト概要

課題

  • リスクアセスメントの質の向上
  • リスクアセスメント情報の全社での共有
  • 事故の未然防止や安全対策を実施するためのデータ分析

ソリューション

  • 多次元解析ツール「HyperCube」
  • 導入前データ分析研修の実施
  • デモシステム開発後の本番システム開発

成功のポイント

  • 発生した主な事象についての多面的な分析
  • 気づきまで含めた安全に関する情報の現場レベルでの共有
  • 分析機能による事故発生状況の全社比較からの実態把握

Story

岡田 健太郎 氏

JR西日本が目指している安全性のさらなる向上に向けて、データの幅広い分析や活用を支援してもらいたいと思います

 

西日本旅客鉄道株式会社
鉄道本部 安全推進部
安全マネジメント戦略室
担当室長
岡田 健太郎 氏

Story

プロジェクトの背景

リスクアセスメントの一環として、安全マネジメント統合システムを計画

 西日本旅客鉄道(以下、JR西日本)は、2005年の福知山線列車事故のような事故を二度と発生させ ないという決意のもと、「安全の確保」こそが鉄道事業者としての最大の使命であると考え、事業を進め ている。その中で、安全計画を5カ年単位で策定しており、2018年度からは「JR西日本グループ鉄道安 全考動計画2022」にグループを上げて取り組んでいる。そして、「安全最優先の意識の浸透」を土台とし、「組織の安全管理の充実」「一人ひとりの安全考動の実践」を通じて、「安全を維持する鉄道システム」の充実を図り、「全員参加型の安全管理」を実現し、重大な事故・労災の未然防止を目指している。

 その中で、2008年から重大事故を未然防止する仕組みとして取り組んできたのが、「リスクアセスメント」である。毎日の業務の中での安全に関する気づきの報告など、会社全体の取り組みとして定着してきている。「2016年度までの8年間で、発生した事故と事故寸前の事象、気がかりな事象など合わせて22万件ほどのデータが蓄積されています。軽微な事象であっても、事故の未然防止の観点から考えると、対策を講じる必要性が高いものもあり、多数のデータが集まっているのです。しかし、取り組みは各職場で自主的に 進めていたので、データの様式が統一されていないといった問題があり、そのままでは報告されたすべての情報を会社全体で共有することができませんでした」と西日本旅客鉄道 鉄道本部 安全推進部 安全マネジメント戦略室 担当室長 岡田 健太郎氏は語る。

 そこで、JR西日本では報告されたすべての情報を共有して、有効活用を図るとともに、リスクアセスメントのPDCAをしっかり回し、全体のレベルアップを図ることを計画。全社員が自由にアクセスして、検索・分析が可能な安全マネジメント統合システムを構築することにした。

Story

アビームの選定理由

JR西日本の構想に合致した、業務に落とし込んだ分かりやすい提案

 JR西日本では、費用や業務など複数の観点から検討した結果、安全マネジメント統合システム構築のパートナーとして最終的にアビームコンサルティングを選んだ。今回、データ分析を行うことを導入目的の一つとしていたが、JR西日本の社員にはその経験がまったくなかった。加えて現業部門では日常の鉄道運行業 務があり、新たに分析を行うことになると、業務負荷が増大してしまう。そのため、統計や解析について、専門の社員でなくても、わかりやすい形で、負担増を感じることなく使えるシステムにすることが重要だった。

 「各社のプレゼンテーションを聞きましたが、アビームコンサルティングの提案は私たちが考えているイメージに非常に近いシステムを実現できると感じさせるものでした。併せて、内容が分かりやすかったことも大 きなポイントとなりました。難しいことをそのままの言葉で伝えるのは誰でもできます。アビームコンサルティングの提案は難しいことを易しい言葉に変換した上で、業務に具体的に組み込んでいけると実感できるものでした」(岡田氏)。

 JR西日本では、時間帯や線区、季節などそれぞれのデータが持っている条件をもとに、事故が起こりやすいケースや、複数の条件が重なった時に起こりやすい事故などについて相関的な要素で示すようにしたいと考えていた。「アビームコンサルティングは多次元解析ツール『HyperCube』を使えば、それが可能 だということを最初の説明できちんと伝えてくれました。それがとても分かりやすい説明だったので、これであれば社員も理解することができるし、業務でも使っていけるだろうと考えたのです」(岡田氏)。

 さらに、プレゼンテーションだけでは分からないことも多いので、JR西日本の社員がアビームコンサルティングのデータ分析研修に参加。研修を通じて、どのようにすれば業務の中で統計知識を生かすことができるかを学んだ。その上で、最終的にアビームコンサルティングに決めた。

Story

プロジェクトを推進する上での課題

コミュニケーション能力、現場を大事にする意識、対応力を背景に完了

 導入プロジェクトを2015年夏から開始。構想策定と要件定義、データ・レイアウトのほか、アプリケーションのモックアップ開発を行い、各支社の現場で使い勝手を確認するなど、およそ1年かけて基本設計を進めた。さらに、2016年夏からはアプリケーションをブラッシュアップして、デモシステムを開発。現場で使ってもらった社員にアンケートをとった結果、非常に高い評価を得ることができた。その結果を受けて、2017年7月、本番システムの開発に着手した。

 JR西日本では、プロジェクトを完了できた背景に、アビームコンサルティングの「コミュニケーション能力」、「現場を大事にする意識」、そして条件的に合わない場合でも、代替手段や別の回答を用意してプロジェクトを完遂させようとする「対応力」の3つが大きく貢献したと評価している。「内容がまとまらず依頼することもありました。そのようなときも、アビームコンサルティングの社員はやり取りの中で瞬時に問題の本質を理解した上で、私たちが求めることを的確につかみ取ってくれました。その結果、要件定義やデモシステムの段階から、現場に使いやすい仕様にすることができたと考えています」(岡田氏)。

 一方で、統計理論をベースにした分析システムを開発するプロジェクトなので、ともすれば議論が先行し、学問的な理論が優先されて、現場が二の次になる可能性があった。しかし、アビームコンサルティングは、JR西日本の担当者と一緒に多くの現場を回り、活動の様子を掴んだ上で、プロジェクトを進めるなど、一 貫して現場を大切にしていた。「アビームコンサルティングの社員とは10カ所以上、現場に一緒に行きました。例えば、ある駅で夏の暑い時期、夜遅い時間帯のホームで事故が多く起きていることが分かると、すぐに行ってみようということになり、同じ時間帯に現地に赴き、状況をつぶさに確認しました。このように一緒に行動する中で、アビームコンサルティングが、JR西日本の安全性向上に役立つシステムにしたいと心の底から考えているという信頼感を抱くようになりました」(岡田氏)。

図 「分析機能」のシステム画面

Story

導入効果と今後の展望

社員が空気や水のように使うシステムとして定着させ、安全性向上につなげる

 安全マネジメント統合システムは2017年12月1日にカットオーバー。社員は報告された発生事象やその気づき、対策の進捗状況の共有だけでなく、分析機能で、天候、曜日、線区などから事故が発生しやすい状況を、会社全体の発生状況と比較しながら、把握できるようになった。「稼働前に懸念したのは導入したのはよいが、使われない状態になるのではないかということでした。ところが、実際には当初想定していた以上の現場社員がアクセスしたり、データ作成を行っています。3,000人ほどの社員を対象にした「eラーニング」による利用教育の中のアンケートでも、半数近くが使いやすいと回答しており、順調に利用し始められています」(岡田氏)。

 JR西日本では、安全マネジメント統合システムが、日常業務の中で水や空気のように自然に使われるようになることを目指している。社員が仕事の中で、当たり前のように使い、活動発表などでも利用して発表件数が増えていくなど、様々なシーンにおいて活用されるようになることが最終的な目標だ。

 また、分析機能の充実も目指している。より多くのデータを集めて、社員が使いやすく、さらに分かりやすいシステムに進化させるとともに、データも映像や音声などにも拡大を目指していく。それらの根底にあるのは、さらなる安全性向上につなげていくというJR西日本の不変の想いである。

専門コンサルタント

室住 淳一

専門分野

・BI・デジタル戦略策定
・DWH、BIツール導入
・アナリティクス

実施プロジェクト

・大手国内事業会社におけるデジタル戦略策定および
 施策実行支援
・大手国内金融機関におけるDWH・BI基盤導入
・大手事業会社におけるビッグデータ分析によるマーケ
 ティング高度化支援

> コンサルタント詳細

CLOSE

山田 紀夫

専門分野

・運輸・交通・不動産業における経営、IT改革、
 業務改善
・経営、会計システムの最適化
・グループ経営管理の高度化

実施プロジェクト

・大手鉄道会社の経理システム構築、業務改善
・大手運輸会社のIT改革、経営管理基盤・経理
 システム構築、CRM構築
・大手不動産会社の業務システム構築

> コンサルタント詳細

CLOSE

PDFダウンロード

お客様事例一覧へ

page top