株式会社タムロン

株式会社タムロン

株式会社タムロン

Customer Profile
所在地    〒337-0015 埼玉県さいたま市見沼区蓮沼1385番
創業    1952年10月27日
資本金    69億23百万円(2016年12月31日現在)
事業内容
一眼レフカメラ用交換レンズ、ビデオカメラ用レンズ、デジタルカメラ用レンズ、CCTVカメラ用レンズ、原器、精密金型、精密プラスチック成形品、各種光学 用デバイス部品、他の製造・販売

オンプレミス稼働の基幹システムSAP ERPをクラウドに移行。
ソフトウェアもマイグレーションし、5年間でTCOを23%削減

総合光学メーカーである株式会社タムロンは、2006年からオンプレミスで稼働してきた基幹システムSAP ERPのクラウドへの移行を決定した。
わずか4カ月間という短期間、かつ本番移行も3日間で実施するという難プロジェクトのパートナーとして選ばれたのが、アビームコンサルティング。
計画通り4カ月間でプロジェクトは完遂し、新しいシステムはアマゾン ウェブ サービス上で稼働。
ソフトウェアのマイグレーションも含めて、TCO(総所有コスト)は5年間で23%削減される見通しだ。

専門コンサルタント

松浦 崇浩

専門分野

アウトソーシング
SAPの利用価値拡大
製造業様向けシステム化計画立案

実施プロジェクト

光学機器メーカーのApplication Managemet Service
電気機器メーカーのIT Management Service
自動車部品メーカーのProject Managemet Support

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課題

・SAPハードウェアが保守期限を迎えるため更改が必要 ・システム全体のコスト低減 ・5年ごとのハードウェア更改を見直し、業務負荷を低減

ソリューション

・オンプレミスのサーバーをクラウド(AWS)に移行 ・OSとDBをSolaris/OracleからWindows/SAP ASEにマイグレーション ・SAP ERP6.0のEHPを最新化

成功のポイント

・4カ月間でプロジェクトを完了、ダウンタイム3日間で移行 ・ソフトウェアの保守管理料削減も含め、5年間でTCOの23%削減を実現 ・システム部門のサーバーメンテナンス工数を削減
関 浩二 氏

Story(プロジェクト概要)

4カ月という短期間でシステムを実装、クラウドへ移行しなければならなかったため、2011年からSAPの運用を担当し、SAPに高い技術力と深い知見を持って
いるアビームを選びました

株式会社タムロン
情報システム室 室長
関 浩二 氏

プロジェクトの背景

10年間、オンプレミスで稼働してきたSAP ERPをクラウドへ移行

 株式会社タムロン(以下、タムロン)は1950年に創業された総合光学メーカーだ。創業以来、光学技術の研究開発に専心し、数多くの卓越した製品を生み出してきた。“産業の眼を創造貢献するタムロン”を標榜する同社の製品は、デジタル一眼レフカメラ用レンズなどのコンシューマー向け製品から、IP/CCTVカメラ用レンズや超精密光学部品、他社へのOEM製品に至るまで、様々な産業分野に広がっている。近年は、セキュリティ業界や車載カメラ用レンズなど、新たな分野に向けた製品開発にも積極的に取り組んでいる。
 タムロンが本社を置くのは、創業の地である埼玉県さいたま市。青森県の弘前工場を製造部門の中核として、浪岡工場、大鰐工場、さらに中国工場、ベトナム工場で、製品を製造している。アメリカ、ドイツ、フランス、香港、中国・上海、ロシア、インドの7つの現地法人を販売拠点に、グローバルに事業を展開。販売面では、アメリカでの販売拠点の強化やアジア市場の販売網の構築に取り組むと共に、開発面では、中国工場に監視カメラ用レンズの開発部門を設置するなど、開発コストの低減と開発スピードの向上を押し進めている。
 タムロンのこうしたグローバルでの事業展開を支えているのが、基幹システムとして稼働しているSAPERPだ。同社は2006年にSAP ERPを導入、本社と国内・海外の工場、香港の販売拠点で、販売、購買、会計、生産管理の各業務に利用、5年ごとのハードウェアの更改に合わせて、システムのアップグレードなどを実施してきた。
 「2011年の更改はオンプレミスのままでしたが、2014年頃から、2016年に迎える次の更改では、オンプレミスのままでいくのか、それともクラウドにするのか。どちらが最適なのか、検討を始めました」と、タムロン 情報システム室 室長 関 浩二氏は語る。背景の一つには、BCP(事業継続計画)のために青森の工場にDRサイトを設置して自社で運用してきたこともあり、情報システム室の業務量が増していき、さらにオンプレミスで5年ごとにサーバーを入れ替えなければならず、システム更新時は業務量が増えてしまうという課題があった。また、事業の拡大に合わせて、2011年からの5年間で、毎年1つずつ新しいシステムを開発してきた結果、サーバーを設置するためのデータセンターが手狭になってきているという問題もあった。

図1. システムランドスケープ

アビームの選定理由

オンプレミスでの運用保守とSAPの知見に基づく、実行性の高い移行計画を評価

 これらの問題を解決するために、タムロンでは2015年春からクラウドへの移行の本格的な検討を開始、同年10月には、翌2016年のシステム更改のタイミングで、SAP ERPをオンプレミスからクラウドに移行させることを決断した。「クラウド事業者のデータセンターを何カ所か視察し、技術的な進化やサービス内容に高い納得感と安心感を得られ、クラウドへの移行を経営層に提案しました。基幹データを外部に預けるわけですから、データの場所について議論になりましたが、リージョンを選べるクラウドサービスで東京リージョンを選択することで、社内の承認を得ることができました」(関氏)。
 その上でパートナーの選定に入り、2015年10月に移行計画に関する提案を複数のベンダーから受けた。クラウドについてはアマゾン ウェブ サービス(AWS)など複数のサービスを検討し、最終的には、同年12月にアビームコンサルティングを選定した。選定にあたってタムロンが最も重視したのは、短期間でプロジェクトを完遂できる実行力だ。というのも、システムの本番移行までは、わずか4カ月間、しかもシステム切り替えのダウンタイムは、2016年8月のお盆休み(3日間)しかないという事情によるものだ。
 それに対してアビームコンサルティングは、クラウド移行に関する影響度を把握した、非常に実行性の高い移行計画を提案。タムロンから高い評価を得た。また、アビームコンサルティングは、本プロジェクト以前に2011年のハードウェアのリプレイスを担当しており、以来5年間SAPの運用保守を担ってきた実績やSAPに対する深い知見、技術力が、タムロンが選定する上での大きな判断材料の一つとなった。
 「弊社には、これまでクラウドへの移行経験がありませんでしたが、アビームコンサルティングには、オンプレミスでのSAPの運用保守を担当してもらってきた経緯もあり、安心感をもってお任せすることができました」と、タムロン 情報システム室 システム一課 課長の岡田 伸男氏は語る。

図2. プロジェクト期間はわずか4カ月間

プロジェクトを推進する上での課題

わずか4カ月間のプロジェクトを3日間でのシステム切り替えで完遂

 プロジェクトを推進する上で最大の課題は、システムの移行が工場も含めて全ての業務が止まる8月のお盆休みの3日間で実施しなければならないこと、かつプロジェクトの開始予定が2016年3月末だったことから、プロジェクト期間が4カ月間ほどしかないことだ。「2011年の更改も夏の同じタイミングに実施しました。製造業の特性上、それ以外の時期にシステム移行を実施するのは不可能に近く、この機会を逃すと改めてスケジュールを組むのが難しくなります。そのため、プロジェクトの遅延は絶対に許されませんでした」(関氏)。
 ただし、一般的にSAP ERPのクラウド移行、OS/DBマイグレーション、EHP/SPS最新化を同時に行うプロジェクトの期間は、半年から8カ月間程度は必要だといわれている。その上、今回のプロジェクトでは、SAPをクラウドへ移行するものの、周辺システムはオンプレミスのままであり、全体の環境をハイブリッドクラウドにしなければならず、技術的にも非常に難易度の高いプロジェクトだった。そこでアビームコンサルティングが選択したソリューションは、これまで培ってきたノウハウを集約したテンプレートの活用である。
 一方、タムロンはクラウド利用のための専用線の準備やセキュリティの確保、PCへのツールのインストールなどを行った。「SAPには様々なジョブが組み込まれているので、その移行は大変なものでした。ですが、アビームコンサルティングのサポートを受けながら、計画通りに終わらせることができました」(岡田氏)。
 移行までのプロセスも綿密に練られ、2016年8月13日、14日、15日の3日間での本番移行を滞りなく終わらせるため、当初2回を予定していたリハーサルを3回実施し、浮き彫りになった課題をひとつずつ解決。移行も計画通りに完了し、お盆休み明けの8月16日には通常稼働に入ることができた。
 「私たちと連携しながら、アビームは3日間24時間態勢で移行業務にあたってくれ、無事に、SAP ERPをAWSに移行させることができました。私自身、これまでに大きなシステムの切り替えには立ち会ってきましたが、今回は今まで経験したことがないクラウドへの移行であったため、大きな達成感がありました」(関氏)。

課題解決のソリューション

SAP ERPはAWS上で計画通り稼働5年間でTCOを23%削減

 AWS上で稼働するSAP ERPは、OSがSolarisからWindows、データベースがORACLEからSAPAdaptive Server Enterprise (ASE)にマイグレーションされ、SAP ERP 6.0のエンハンスメントパッケージが最新化された。また、クラウド環境のSAP本番機はクラスタ環境で冗長化されると共に、DRサイトも弘前工場からシンガポールに移して、BCP対策面でも万全の体制を取っている。
 タムロンがクラウドへの移行にあたって掲げたもう1つの大きな目標が、コストの削減だ。オンプレミス環境では、5年後の更改までの間に必要になると予測される性能を見通して、ハードウェアを導入する。当然ながら、途中でサーバーを入れ替えることはできないので、性能に余裕を持たせた、よりハイスペックのモデルを選ぶことになる。
 ところがクラウド環境では、そうした可能性を考慮する必要はなく、より高いパフォーマンスが必要になった場合には、クラウド側で対応することになる。そのため、余分なサーバーリソースを持たなくてよい。「導入計画を立案した段階では、クラウドへの移行やソフトウェアの変更による保守料の低減で、5年間でTCOを20~25%程度削減できるとシミュレーションしました。現在、システムの稼働から1年余りが経とうとしていますが、ほぼ見込み通りに推移しており、オンプレミスの場合に必要になる5年後のハードウェア更改分も入れて、23%ほど削減できるとみています」(関氏)。
 加えて、タムロンが見込んでいるTCO削減には、情報システム室の社員の作業工数は含まれていない。オンプレミス環境では、サーバーの運用監視を行い、障害発生時の部品交換などの作業も発生していた。「SAPは基幹システムなので、絶対に止めることはできません。今までもクラスタ構成だったので、1台に障害が起きてもシステムが止まることはありませんでしたが、サーバーに障害が発生して、徹夜で復旧作業にあたったこともありました。クラウド環境になった今、そうした作業から解放されて、精神的にも楽になりました」(岡田氏)。

岡田 伸男 氏

クラウドへの移行は初めてだったのですが、アビームであれば大丈夫だという安心感がありました。
これからジョブ管理など周辺システムとの連携ツールも替えていく予定ですので、今までと同様のサポートをお願いしたいと思います

株式会社タムロン
情報システム室 システム一課
課長
岡田 伸男 氏

導入効果と今後の展望

周辺システムも順次クラウドへ移行しアウトソーシングも含めた業務効率化を構想

 クラウド環境に移行したSAP ERPが順調に稼働しているタムロン。現在オンプレミスで運用している周辺システムも、ハードウェアの更改に合わせて、順次クラウド環境に移行していく計画だ。それに伴い、「情報システム室の役割が変わってくる」と、関氏は今後を見据えている。「ハードウェアの運用保守を軸にシステムの安定的な稼働を維持する従来型の実務に加えて、従業員の業務のあり方をどう変革していくのか立案する役割を担うようになってきています。そうした中で、アウトソーシングを含めた、より一層の業務効率化に向けた計画を構想していく考えです」(関氏)。
 さらに、販売・生産・開発の各部門のグローバル化に取り組む中でデータ連携を行い、将来的には現地法人のサポート体制を確保した上で、販売拠点を含めて、基幹システムを検討していく。「アビームコンサルティングには、2011年からのSAPオンプレミス環境の運用保守、今回のクラウドへの移行と、大変お世話になりました。タムロンの実情も深く理解してもらうことができたと考えていますので、これからも情報システム室のあり方やグローバル展開の強化に向けた新たな提案を期待しています」と、関氏は語る。

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