課題を抱える防災業務をデジタルにより変革

ある地方自治体では、災害発生時に正確かつ迅速な被害状況の把握が難しいといった課題を抱えていました。災害発生時の初動時の情報収集は、危機管理や情報の共有、救援などの様々な防災活動の基本となる大切な業務です。 これまでのデジタルテクノロジーの知見を活かし、技術協力パートナーとの協力を引き出しつつ、防災DXの構想策定を担ったマネージャーを紹介します。

 

A.S

Why ABeam ?

A.S

外資系IT企業、教育系企業、総合電機メーカーにて、様々な領域のITの活用やデジタル化の推進に携わってきました。前職のメーカーでは、製造業の分野でスマートファクトリーなどのデジタル活用に注力していました。しかし、メーカーの特性上、自社のプロダクトアウトの視点でビジネスが進行していくため、クライアントの課題に寄り添ってプロジェクトを進めていくことが難しい場面がありました。そこで、コンサルティングファームという中立的な立場で、企業の課題解決に貢献していきたいと考えるようになりました。

その中でも、製造業をはじめとする様々な業界を対象に、デジタルを活用したクライアントの課題解決や価値創出の支援に実績を持つアビームであれば、自らの想いを実現できると感じました。また外郭団体やパートナー企業との連携など、ある種のエコシステムの構築も積極的に行っており、コンサルティングファームとしてはユニークな活動を行っていることも魅力的に感じ、入社を決めました。

Experiences in ABeam ~ Impressive Project~

最も印象に残っているのは、地方公共団体向けの防災DX構想の策定支援と技術検証のプロジェクトです。
クライアントには、防災領域のインフラ環境が整備されていないことで、災害発生時に正確かつ迅速な被害状況の把握が難しいといった課題がありました。そこで、災害発生時の初期段階における正確かつ効率的な情報収集や情報連携を支援するため、防災におけるデジタルを活用した構想策定と、大手電機通信事業者、大手電機メーカーと共に防災におけるデジタルテクノロジー有効性評価に取り組みました。私はプロジェクトマネージャーとして災害時に正確かつ迅速に情報収集を実現するデジタルテクノロジーの構想策定や、協業先企業を取りまとめ、デジタル技術が防災の分野で実用に足るものであるかの検証有効性の検証を実施しました。
プロジェクトを進めていく上で苦労したことは、クライアントが抱える課題に対して技術ドリブンの発想に陥らないように、課題ドリブンの発想のもと協業先企業を巻き込みながら遂行したことです。技術ドリブンの発想に陥ってしまうと、クライアントの求めているニーズと乖離してしまう場面が多くあります。具体的には、協業先の技術のみで解決することができる限られた範囲の提案内容に留まってしまうことや、説明時や資料内に技術に関する専門用語を多用した情報が盛り込まれることで、クライアントが知りたい情報と乖離してしまうこと、思い描いていることを実現できているのかの判断ができない、といった状況です。そこで、アビームがドローンや5G、AI画像解析などのデジタルテクノロジーのノウハウをビジネス目線で整理し、課題ドリブンの発想のもと伝わりやすい表現で説明・補足することで、クライアントとの円滑な意思疎通を図りました。
また、クライアントが技術検証で明らかにしたい潜在ニーズを客観的な視点で汲み取ることで、追加で技術検証が必要な項目を洗い出し、協業先企業に対して技術検証の実施協力を呼びかけました。その際、事業会社で働いたバックグラウンドを活かし、技術検証を実施する意味合いを技術者の目線や言葉で丁寧に説明するなど、相手に寄り添った調整・提案に尽力しました。
その結果、災害発生直後におけるドローン、5G、AI画像解析の有効性を明らかにし、防災現場で導入できる精度であることを証明できました。加えて、ウェアラブル端末とデジタルテクノロジーを活用した、新たな災害初期オペレーションの方向性を見出すことができました。
今回のプロジェクトを通じて大切にしていたことは、クライアント自身も気付いていない潜在ニーズを導き出すことです。そのためには、仕様書に縛られず、クライアントの視点に立って、プロジェクトを進めていくことが必要不可欠です。そのうえで、協業先企業の強みを把握し活かすことで、より高い顧客価値の創出が可能になり、最終的にはクライアントの課題解決に繋がると考えています。

Future ~Growth Story~

A.S

防災に限らず、公共分野にデジタルテクノロジーを取り入れることで、より安全かつ快適な社会の実現をクライアントと共に目指していきたいと考えています。
生活の基盤を支える公共分野のDX化を推進していくにあたり、これまで携わった製造業の知見を活用することができると考えています。例えば、公共設備の耐久性に関する情報を、製造元メーカーと公共事業者が共有することで、より最適なメンテナンス時期の把握、およびメンテナンスコストの削減を実現することができます。

このように「モノを作る人とモノを使う人」の業界を超えた連携を通じて、生活者の安全かつ快適な社会の実現を支援していきたいと考えています。そのためにも、各業界の動向やデジタルテクノロジーのインプットを継続していくことに加えて、繁忙の際も一生活者としての視点に立ち返ることで、デジタルテクノロジーを活用した、より安全かつ快適な社会の実現をクライアントと共に目指していきたいです。

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