セキュリティ領域とスタートアップ企業
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世の中の課題解決を実現する新たな技術を生み出すスタートアップ。グローバルではサイバー対策の次なる一手としてのスタートアップ活用が進んでいます。

本コラムでは、サイバー対策の課題とスタートアップ活用の優位性を4回にわたって連載します。

第3回では、セキュリティ領域におけるスタートアップ企業への投資とそれらの果たす重要な役割について注視すべきポイントを紹介します。

セキュリティのデジタルトランスフォーメーション(DX)は万全か?

現在、企業はDXの名のもとに様々なテクノロジー資産を日々ポートフォリオへ取込んでいる状況です。また、システム同士のコネクティビティは日々増大し、大きな価値を実現しています。しかし、このような取り組みは新たなセキュリティ要件や脅威を生むリスクファクターともなり得るという点について思いのほか等閑に付されていないでしょうか。企業がDXを急務として進める中、新たな脅威に対応するプロセスやツール、いわば「セキュリティのDX」を同時に進めない限り、DX全体を進める上での足かせを生んでしまうという事実について充分に注視すべきでしょう。

セキュリティのデジタルトランスフォーメーション(DX)は万全か?

 

DXにともなって増す脅威とスタートアップ企業へ寄せられる期待

近年、従来類例の無かった経路からのマルウェアやDoS攻撃等、DXの加速に伴うセキュリティ脅威の数と多様性が増大しています。これを表す顕著な事例として、2019年上半期、企業におけるデータインシデントは前年同期比54%増である3,800件が報告されました。(※)

(※) CB Insights “Cybersecurity Market Map”(英文)より

このようなインシデント増加のおり、サイバーセキュリティ領域におけるスタートアップ企業は注目と期待を集め、これら企業への投資が拡大しています。同領域は2019年に760件以上のディールで約99億ドルの資金調達を受け、2017年に更新された資金調達額の記録である88億ドルをも上回る過熱を見せています。

サイバーセキュリティスタートアップ企業への投資額の推移

出典:CBINSIGHTS (英文), 2020年4月10日時点

 

スタートアップ企業が果たす重要な役割

DXによって進められている基幹システムのクラウド移行やリモートワーク推進体制等、セキュリティ脅威が幅広い範囲にわたって生まれ続けている一方、リスクに充分対峙可能なスキルを持ち合わせたセキュリティ人材の不足が叫ばれています。そうした現況において、これら脅威への対応に際し社内リソースに頼る必要のない新たな活路を見出す形として、スタートアップ企業への投資や協業が注目されています。

スタートアップ企業はセキュリティ対策に際し、例えばマネージドセキュリティーサービスに見られるような大規模人員の確保を前提とする手法を用いません。彼らは、有人サービスに依存するのではなく、サイバーセキュリティに関する高い専門性と知見を活用し、隙のない侵入検知と自動化された初動対応、最先端のAIアルゴリズムに基づいた異常行動の探知等、高度な技術力適用と継続的なノウハウ更新を行い、サービスや製品を提供していることが特徴です。このようなアプローチはセキュリティのDXを進める鍵であると言え、同領域におけるスタートアップ企業の存在感を高めているのです。

セキュリティのDX例

 

自社に合ったスタートアップ企業を見つけるために

本コラムでは、セキュリティ対策を講じるべきカバレッジの拡大トレンドとそれを理解することの重要性、そうしたトレンドにおいてスタートアップ企業の活用が有効であることを説明しました。

アビームコンサルティングは、企業における多数のDX推進プロジェクト実績からセキュリティのDXについての知見を蓄積し、先端技術を有するスタートアップ企業との協業も視野に入れた攻めと守りの戦略を総合的に支援しています。さまざまな課題ととりまく環境に合ったコンサルティングやデジタル技術を駆使したサービスを多数提供していますので、是非下記をご参照ください。

次回は、サイバーセキュリティ大国イスラエルのスタートアップエコシステムに精通するIntensity Globalへのインタビューを通じ、スタートアップの特徴や海外での活用事例をご紹介します。


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