京王電鉄株式会社

京王電鉄株式会社

Customer Profile

会社名
京王電鉄株式会社
所在地
〒206-8502
東京都多摩市関戸一丁目9番地1
創業
1948年6月1日
資本金
590億2300万円
事業内容
鉄道事業や土地、建物の賃貸業・販売業、ホテル業などを事業として展開。

※会社名、肩書き、役職等は取材時のものです。

不動産業界における実績を集約したクラウドソリューション。
変化の激しい市場や顧客ニーズへの対応を強力にサポート。

安心、便利で活き活きとした沿線作りに取り組み、信頼され「住んでもらえる、選んでもらえる沿線」の実現をビジョンとする京王グループ。
市場や顧客のニーズの変化に迅速かつ柔軟にサービスを適応することを目的に、不動産業界で豊富な実績を有するアビームコンサルティングをパートナーに選定。クラウドソリューションである、アビーム不動産管理ソリューション ACRESを導入した。

プロジェクト概要

課題

  • オンプレミス(サーバー保有型)のため5~7年ごとにサーバー更改が必要
  • 契約形態の複雑化に対応できず、システム外作業が増加傾向にあった
  • 保有データの不足でレポート作成に時間と手間がかかる
  • 経理システムと連携させるためにCSVデータの加工が必要

ソリューション

  • アビーム不動産管理ソリューションACRESの導入
  • SAP® BO による柔軟なレポート作成
  • 経理システムとのシームレスな連携

成功のポイント

  • クラウドの活用により導入・維持管理コストを削減
  • 契約形態の複雑化にも対応できる豊富な機能で業務の一元化を実現
  • SAP® BOによる柔軟で分かりやすいレポート作成を実現
  • 同じSAP® ERPベースの経理システムとACRESをシームレスに連携

Story

筒井 泰介氏

ACRESを導入したことで、契約を含めた物件情報の一元化を実現させることができました。
経理システムとも連携したことで予実管理の面での情報集約も進み、導入後すぐに業務効率化を実感することができました。
 

京王電鉄株式会社 開発企画部 管理担当 課長補佐
筒井 泰介氏

Story

プロジェクトの背景

京王電鉄を中心としたグループの総合力で事業を展開

「あなたと あたらしい あしたへ」というグループスローガンにより、京王電鉄を中心とした45社で、運輸業、流通業、不動産業、レジャー・サービス業、その他の5つの事業を展開する京王グループ。新宿を起点とした東京西部を基盤とし、グループ約2万人の従業員の総合力を生かした多角的な事業により、信頼され、住んでもらえる、選んでもらえる沿線の実現を目指している。
 事業の1つである不動産業では、土地・建物の売買・賃貸やリノベーションなどを通じて、より豊かで快適な生活環境づくりをサポートする取り組みを展開。京王グループの総力をあげて、地域に密着した質の高い商品とサービスの提供を推進している。2007年より使用してきた賃貸管理システムが保守期限を迎えることを契機に、業務及びシステムの在り方を見直すこととし、プロジェクトを発足。パートナーとして、アビームコンサルティング(以下、アビーム)が選定され、ソリューションとして「アビーム不動産管理ソリューション(ACRES:ABeam Cloud RE Solution)」が採用された。

Story

アビームの選定理由

クラウド対応のACRESを提案したことや
豊富な業界知識を有するコンサルタントを高く評価

京王電鉄は、従来から賃貸管理システムを共用している京王不動産とともに、2012年12月より賃貸管理システム刷新プロジェクトの検討を開始し、5社からの提案を比較検討した結果、2013年3月にアビームの提案を採用することを決定。2013年5月よりクラウドに対応したACRESの導入作業を開始し、まずは2014年6月に京王電鉄で、続いて12月に京王不動産で本格稼働を開始した。
 賃貸管理システムの刷新では、
 (1)クラウドを活用する
 (2)使いやすい帳票の出力を実現
 (3)経理システムとのシームレスな連携
の大きく3つのポイントについて評価。
 既存の経理システム導入をアビームがサポートした実績に加え、クラウド型の提案があった会社の中でも、画面の変更可能範囲が広く、将来に渡って使えるシステムであることを評価して、アビームの提案を採用した。
 ACRESの導入におけるアビームのサポートについて、京王電鉄 開発推進部 ビル営業担当 主任の中山氏は、「無理と思われる仕様の変更に対しても、どうすれば実現できるのかを、具体的な画面イメージを提示しながら、なおかつシステムに詳しくない現場の担当者でも容易に理解できるように普段使っている業務の言葉で説明してもらえました。アビームのコンサルタントは、不動産業務に対する必要十分な知識を有しているので、安心して相談することができました」と話している。

Story

プロジェクトを推進する上での課題

2007年から使用する賃貸管理システムが硬直化
変化に対応できず経理システムとの連携も課題

ACRESの導入に至る背景として京王電鉄では、2007年に業務の効率化を目的として賃貸管理システムを導入した。この賃貸管理システムが導入から7年が経過したことから刷新することが必要だったが、サーバーを自社で保有しているため、サーバー環境から入れ替えることが必要だった。そのためシステム投資コストだけでなく、人的コストが継続してかかることが課題だった。
 また新規物件の増加や市場の変化により、契約形態が複雑化、多様化してきたことから、変化に迅速かつ柔軟に対応することが困難になっていた。そのため賃貸管理システムで対応できない契約に関して、手作業で処理しなければならず、作業負荷の増大も課題だった。さらに経理システムと連携されていないため、予決算作業時には賃貸管理システムから数値データをCSV形式で抽出し、経理システムに再度入力しなければならなかった。
 そのほか報告用のレポート作成時において、必要なデータを抽出するために、外部のシステム開発会社に追加の改修をその都度依頼することが必要なことから、ムダな開発期間やコストがかかることも課題だった。そのため現場の担当者が独自にデータを抽出し、管理をしていたために業務が属人化してしまい、担当者が交代するときに業務の引き継ぎが難しいことも問題だった。

Story

課題解決のソリューション

不動産業界の知見に基づく
アビーム不動産管理ソリューションACRES を導入

京王電鉄が導入したACRESは、SAPの基幹業務ソフトウェアである「SAP® ERP」をベースに構築されたクラウド対応の不動産管理ソリューションである。アビームが培ってきた不動産業界での知見や業務改革支援の経験に基づいたノウハウにより開発された。ビル・建物の企画立案から工事進捗管理などの開発管理、竣工後の物件管理、賃貸借契約管理、債権・債務管理、固定資産管理、収支管理や投資評価など、多岐にわたる不動産管理業務の効率化を実現する豊富な機能が搭載されている。
 またACRESでは、不動産業務における経営判断に必要な各種情報の分析・レポーティングのための機能として、SAPのビジネスインテリジェンス(BI)ソリューションである「SAP® BusinessObjects(以下、BO)」を搭載しており、迅速かつ的確な意思決定支援を可能にしている。アビームでは、クラウド活用の提案から、要件定義、システム構築、導入アプリケーションの保守まで、ACRESを中核とした新しい賃貸管理システムによる不動産管理業務の改善を強力に支援している。
 京王電鉄 開発企画部 管理担当 課長補佐の筒井氏は、「以前から賃貸管理システムを使ってきて、次の賃貸管理システムはこうあるべきという理想像が頭の中にありました。これまでの賃貸管理システムで、できなかったことを新しい賃貸管理システムではできるようにすることが重要であり、必要な要件に最もフィットしたのがACRESでした。またアビームは、やりたいことを伝えると、それを実現してくれる実行能力が優れていると感じました」と話している。

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Story

導入効果と今後の展望

豊富な機能により作業の飛躍的な効率化
多角的な分析・レポーティングを可能に

クラウド対応のACRESを導入したことで、サーバー環境を所有する必要がなくなり、サーバーの導入コストや維持管理コストの削減が期待できる。また直感的な操作性と業務プロセスに即した画面遷移を実現。手作業による処理を低減し、業務の属人化の防止を可能にした。さらに以前は、管理職が契約ごとに個別画面を開いて承認作業をしなければならなかったが、ACRESでは承認に必要な情報が一覧表示される画面にて、1クリックで承認が可能。管理職の作業負荷も大幅に軽減されている。
 京王不動産 経営管理部 システム担当 課長の立田氏は、「業務フローやマニュアルを整理して、物件登録、契約登録、入金、承認、マスター関連など、業務フローにあわせた画面遷移を実現し、操作がわかりやすくなりました。手作業だった処理のシステム化や処理スピードの高速化により業務が効率化された効果は、現場の担当者から管理職までの多くが実感しています」と語る。
 また帳票作成にSAP BOを利用することで、基本的な帳票を容易にカスタマイズできるので、帳票作成効率が大幅に向上している。特にExcelとの親和性が高く、SAP BOで作成された帳票をExcelでカスタマイズできるのも現場の担当者に好評。使いたい帳票の行列を簡単に入れ替えたり、別の帳票に変更したりできるので、必要なデータを容易に抽出し、多角的に分析・レポーティングすることが可能になっている。

 

図2 ACRESのシステム全体スコープと導入範囲

京王電鉄 開発推進部 店舗営業担当 元井氏は、「帳票の汎用性の高さ、カスタマイズのしやすさ、情報量の多さは、以前とは比べものにならないくらい良くなっています。以前は必要なデータを自分自身で集めてレポートを作成しなければならなかったのですが、BOではワンクリックで一覧表が出力され、必要な部分をExcelに貼りつけて回覧するだけで、レポート作成と確認業務が終了します」と話す。
 さらに「以前は、管理会社から上がってきた請求金額をそのまま使って請求書を発行していたために、管理会社のミスで誤入金や誤請求が2~3カ月後に分かるというケースがありました。ACRESを導入したことで、ACRESの数値と管理会社からの数値をチェックできるので、請求書を発行する前に誤入金や誤請求などのミスに気がつけるようになったのは想定外の効果です」とも話す。

業務とシステムの両面から改善を推進 アビームのコンサルティングに今後も期待

不動産業務は、契約形態も含めて常に変化していくことから、京王電鉄では、今後も業務とシステムの両面で継続した改善ができる体制作りを目指している。一方、京王不動産でも、すでに京王電鉄で導入している予実管理を導入する予定。システム改善と業務改善を並行して推進していく計画という。
 筒井氏は、「今回のACRES導入プロセスに関しては、非常に満足しています。アビームのコンサルタントは、細かな要望に対しても、対応策を積極的に提案してくれたので、さすが“コンサルティング”という名称が社名についているだけのことはあると感じました。今後もさらに不動産業務の可視化を推進し、システムで一元管理できるものはアビームとタッグを組んで課題を解決していきたい」と話している。

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